府が亀岡市に計画する京都スタジアム(仮称)をめぐり、建設予定地の環境保全を議論する専門家会議が10日、下京区で開かれた。国の天然記念物「アユモドキ」に加え、予定地とその周辺約52ヘクタールに生息する約40種類の希少生物について分布状況が報告された。

 アユモドキについては、6月に予定地の保護区域内に繁殖実験場を設けて調査を進めることが決まっている。今回の会議では、環境省が絶滅危惧種に分類しているナゴヤダルマガエルなど他の重要種についても、種ごとに時期を分けて保護対策を講じることなどが確認された。

 スタジアム計画については、環境保護団体「世界自然保護基金(WWF)ジャパン」が先月23日、「アユモドキの生息に影響を及ぼす懸念があり、根本から見直すべき」とした要望書を府知事と亀岡市長に提出している。