府が計画するサッカーなど球技専用スタジアムの建設地を選定する有識者委員会(大西有三委員長・京都大副学長)は3日、山田啓二知事に「それぞれの立地で整備可能だが、課題も抱え、一長一短。全員一致で選定するのは困難」と、最終報告書を提出した。山田知事は政治判断で年内に結論を出す方針を示した。
府が行った建設候補地の公募に対し、4市1町が手を上げた。5月にあった第3回委員会で「安定的な集客、大量輸送、青少年のアクセス」に大差があるとし、亀岡、京都、城陽の候補地が重点調査の対象となった。
委員会は11月20日に開かれた会合で最終報告書をまとめた。9人の委員はそれぞれの専門立場から意見を述べ、「判断材料にしてほしい」とした。
第一候補に選んだのは亀岡4人、京都3人、城陽2人。第二候補に亀岡2人、城陽4人、京都4人となった。
各委員の意見を抜粋する(敬称略)。
▽青山=大量交通輸送機関の面では亀岡が抜きん出ている。サンガ練習場がある城陽に若干利がある。▽上谷=京都の埋立地の環境課題は克服できない問題ではないが、積極的な対応がなく残念。▽大西=長期的な観点も含め、初期投資が最も安い亀岡が良い。地元の熱意は城陽が抜きん出ている。▽柏原=京都は集客力で一番だが、周辺発展性に懸念。熱意は城陽だが、亀岡はサポート会設立の提案もある。▽釜本=集客力と試合が終わってすぐに帰れることが大事であり、京都に作るべき。▽小林=府の地域構造や北部開発を考えれば、北部の2市町が手を上げた事実を重く受け止めなければ。▽寺島=亀岡は遊水機能面で防災の課題があり、農地の中に孤立する感も。自然環境に欠けるのは京都。▽桝岡=今は西京極1カ所に集中傾向だが、拠点を分散し、府民スポーツ全体が振興する手立てを。▽森=亀岡は京都駅から近く、駅から下りてすぐに施設とアクセスできる点で一番優れている。
【12月8日発行の亀岡市民新聞2面に掲載】
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