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NZ先住民文化なのに 入れ墨女性の入浴断る 北海道の温泉

入浴を断られたマオリのエラナ・ブレワートンさん
入浴を断られたマオリのエラナ・ブレワートンさん
Photo By 共同 

 北海道恵庭市の温泉施設が、顔に伝統的な入れ墨を入れている外国人女性の入浴を断っていたことが12日、分かった。女性は「異なる文化に思いやりを持って」と話しており、東京五輪を機に日本を訪れる外国人の増加が期待される中、全国の温泉施設では早くも「おもてなし」方法に検討材料が浮上した格好だ。

 入浴を断られたのは、ニュージーランドの先住マオリのエラナ・ブレワートンさん(60)。マオリ語の講師で、北海道平取町で開かれた先住民族の言語を学ぶ会合に招かれていた。

 ブレワートンさんは、唇と顎にマオリの伝統文化の入れ墨を入れている。8日午後、恵庭市の温泉施設を関係者ら約10人と訪れた際、従業員が入浴を拒否したという。

 関係者がその場で「入れ墨は反社会的なものではない。差別なのではないか」と抗議したが、温泉施設側は「利用者に安心して入浴していただくため、入れ墨の入っている方は一様に断っている」などとし、受け入れなかった。温泉施設側は「伝統文化であっても、一般の方からすれば入れ墨の背景は判断できない」と説明した。

 ブレワートンさんは電話取材に対し「入れ墨は母親や先祖を表す家紋のようなもの」とした上で、「東京五輪ではニュージーランドから同じような入れ墨をした選手がたくさん来る。日本人は自分たちと異なる伝統に思いやりを持ってほしい」と苦言を呈した。

 道食品衛生課や全国浴場組合によると、公衆浴場法は感染症患者の利用は拒否できると定めているが、入れ墨がある人についての規定はないという。いわば、施設の利用の可否は経営者各自の判断に任されているのが現状だ。入れ墨があれば「反社会的勢力」とみなされ、公衆浴場や海水浴場では「他の客に威圧感を与える」などの理由で出入りを断るケースが全国で相次いでいる。

 五輪前後となれば選手はもちろん、都内の銭湯や全国の温泉巡りを楽しむ外国人も数多くいることが予想される。伝統的な入れ墨以外にも、ファッションとしての入れ墨もあり、「おもてなし」精神でどこまで受け入れるのかも今後、考える必要がありそうだ。

 ≪都内の銭湯組合は「OK」≫都内にある約700軒の銭湯で組織する、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合は「銭湯は地域住民の保健衛生を守る施設。人を差別するような行為はしません」としており、入れ墨が入った客の利用は問わない。

 組合では受け入れの可否は、経営者の判断に任せているというが、「苦情を受けたこともない。外国人が利用しても大丈夫」と“おもてなし”の準備はすでに万全のよう。

 一方、ホームページなどで「入れ墨、ボディーアート(タトゥー、シール等)のある方の入館禁止」を掲げている文京区のスパ施設「ラクーア」は、東京五輪で訪れた外国人利用客への対応については「これから、考えていかなければならないことの一つです」と話した。

[ 2013年9月13日 06:00 ]

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