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WIRED VOL.11

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『エイリアン』の芸術家H・R・ギーガーが遺したもの

『エイリアン』など数多くの映画や音楽、建築のデザインで活躍したアーティスト、H・R・ギーガーが、自宅の事故で死亡した。同氏の生涯を紹介。

 
 
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TEXT BY LEE HUTCHINSON
TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO

ARS TECHNICA (US)

スイスのアーティスト、ハンス・「リューディ」・ギーガーが、自宅の階段で転落したことによるけがで死亡した。74歳だった。

ギーガー氏は、リドリー・スコット監督の映画『エイリアン』のクリーチャーをデザインしたことで最も有名だが、このほかにも、たくさんの映画作品や文化に大きな影響を及ぼした。

映画監督のアレハンドロ・ホドロフスキーが1973年に、フランク・ハーバートのSF小説『デューン』を映画化しようとして、プリ・プロダクションへの参加をはたらきかけたとき、ギーガー氏は、すでに自らの力で地位を確立したアーティストだった。この映画でギーガー氏は、惑星ジエディ・プライムにあるハルコンネン男爵の世界をはじめとする数多くのデザインを手がけたが、数年にわたる作業と数百万ドルを費やしたあと、ホドロフスキー監督の『デューン』は見事に崩壊し、いくつかの夢のように素晴らしいストーリーと不朽の遺産は残ったものの、映画の完成には至らなかった。

その後、彼は『エイリアン』への参加に招待された。創作活動について法外な自由を与えられ、映画の制作のために、一時的にチューリヒからロンドンに移住した。スクリーンに映し出された成果は観客に衝撃を与え、人々を仰天させたが、彼は満足していなかった。時間的な制約などから、自分がイメージする機械と生物が融合した「バイオメカニカルな世界」に一致しなかったからだ。

それでも彼は、この作品でアカデミー視覚効果賞を受賞。その独特のスタイルは、映画ファンたちの心に永久に刻み付けられた。

 
 
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