プレゼン・子育て・部下の指導…ゴリ押しはNG!押し付けずに人を動かす4つの方法
現代人はかなりの時間を、他人を動かす(説得する・影響を与える)ことに費やしています。
人を動かそうというとき、あなたはどのようにしていますか?
ただただ頼み込んだり、無理強いしたり、命令したり、押し付けたりしていませんか?
いまどき、「買ってくれ」としつこくされても買う気にはなりませんし、「これは上司からの命令だ!」と無理強いされても、嫌なら部下は会社をやめるだけ。
押し付けるのではなく、うまく人を動かすスキルが必要なのです。
本『人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する! 』は、アル・ゴア元副大統領の首席スピーチライターを務めたダニエル・ピンク氏の本。
今日は本書から、ゴリ押しはNG!押し付けずに人を動かす5つの方法を紹介します。
1. 「対比の法則」で明確に伝える
コピーライティングについての有名な話があります。公園に、金を乞う一人の男がいました。男が持つダンボールの看板にはこうあります。
「わたしの目は見えません」
脇に置かれたカップには、わずか数枚の硬貨しか入っていません。
そこへ広告会社幹部の男・リーブスがやってきて数語を書き加えます。
するとすぐに数人がカップに硬貨を入れ始め、その後も多くの人が足を止めて男に話しかけ、財布からお金を差し出したのです。
リーブスは、何と書き加えたか。こうです。
「今、季節は春なのに」
これで全文はこうなりました。
「今、季節は春なのに、わたしの目は見えません」
人の心を動かすためには、相手に明確に理解してもらう必要がある。そのためには「対比」が便利というわけです。この話から教訓を学べる。明確性は対比次第なのである。この場合、物乞いの男の看板によって、公園の人たちは自らの現実と男の現実とを鋭く比較して、心を動かされ彼に共感したのだ。(中略)
物事を単独で見るよりも、ほかの物と比較して見たほうが深く理解できる。P.149
何かを説明するときにはまず、「何と比べて?」と自問してみると良いでしょう。
2. 「質問型ピッチ」を使う
1980年台に開始された複数の調査から、質問形式は他人を説得するにあたり、単に意見を述べるよりも効果が高いことが判明した。
(中略)
意見を言われた場合、聞き手はそれを受動的にとらえる。質問を投げかけられた場合、聞き手は反応せざるをえない。P.178
たとえば、
と言うよりも、「『人を動かす、新たな3原則』は良い本なのでぜひ読んでください!」
と伝えるほうが、効果がありそうですね。「あなたにはこの本が必要だと思いませんか?」
3. 「体験のフレーム」を使う
物品よりも体験を購入するほうがはるかに満足度が大きいと、複数の研究者が指摘する。コロラド大学のリーフ・ヴァン・ボーヴェンとコーネル大学のトーマ ス・ギロヴィッチは、アメリカ人とカナダ人を対象に、最近購入したものについて振り返ってもらった。その結果、物質的購入よりも体験的購入の方が満足度が 高いとする人が、圧倒的に多かった。
(中略)
わたしたちは物質的な変化にはすぐ適応する。3週間前に大喜びした華やかなB