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ビットコイン規制見送り

不正は監視、新分類で価値記録に

2014年05月14日 02時13分

 インターネット上の仮想通貨として知られるビットコインについて、政府、自民党は13日までに、交換所を届け出制にするなどして不正を監視するが、取引は利用者の自己責任を原則として、規制のための法改正や新規立法は見送る方向で調整に入った。経済産業省が不正取引防止に向けた基本計画を策定する見通し。「通貨」ではない「価値を持つ電磁的記録(価値記録)」という新しい分類を設けて定義する。

 モノやサービスをビットコインで購入する際には消費税を課税するが、通貨との取引に応じて発生する利益は捕捉が難しいことなどから、現時点では課税しない方針。

 政府は3月、ビットコインが「通貨に該当しない」と閣議決定。消費者保護の観点から与野党から規制の必要性の議論が高まっていた。これを受け自民党の特命委員会が協議。投資や企業の呼び込みにより得られる利益が大きいと判断した。

 主管官庁も決まっていなかったが、経産省が中心となり金融庁や警察庁など関係各省庁と連携を取る。不正取引を監視するため、交換所を届け出制にし、口座開設者の本人確認や捜査機関への情報開示などを徹底する。

 電磁的記録はクレジットカードや電子マネーなどの決済に使われる記録で、各国の通貨が媒介している。ただビットコインはネット上で直接やりとりするため、それ自体に価値がある。現行法の適用は難しいため、「価値記録」と新たに分類する。ビットコイン取引に関する立法、現行法の改正は行わない見通し。

 ビットコインは投機的資金の流入により価格が乱高下。不正アクセスをきっかけに、取引所を運営していたMTGOX(マウントゴックス、東京)が経営破綻するなど社会的問題になった。

 課税に関しては、通貨とビットコインとの交換やビットコイン同士の交換に消費税を課す場合には二重課税の問題があり、モノ、サービスとの交換に限るのが適当としている。取引時間が短く、国内外で交換が転々と行われるため、交換で生じた利益に課税するにはコストが掛かりすぎると分析した。

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