2013年12月10日21時07分
【シンガポール=池尻和生】シンガポールで開かれていた環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は10日、参加する12カ国が「協定の完了に向けた実質的な進展が見られた」とする共同声明を発表し、閉幕した。「関税」「知的財産」「競争」の難航3分野はまとまらず、目標の「年内合意」を断念した。来年1月下旬に再び閣僚会合を開くが隔たりは大きく、交渉が長期化する可能性もある。
共同声明では「課題の大部分で潜在的な『着地点』を特定した」として成果を強調する一方、難航分野について「課題を仕上げるために柔軟性を持って作業を続ける」とし、合意に向けて交渉を継続する方針を確認した。年内に代わる新たな交渉期限は示されなかった。
焦点となった日米の関税交渉をめぐっては、日本がコメなど農産品5項目の関税維持を一貫して主張。代わりに、関税をなくす品目数の割合を示す「貿易自由化率」を、5品目を維持した場合の93・5%近くまで引き上げる譲歩案も作成した。しかし、米国はすべての関税撤廃の姿勢を崩さず、両国の溝は最後まで埋まらなかった。
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