【マニラ=佐竹実】フィリピン外務省が、中国が南シナ海の暗礁に大量の砂を投入しているとして、中国側に抗議したことが14日明らかになった。ロイター通信が同省報道官の話として伝えた。実効支配を固めるために暗礁を埋め立て、基地や滑走路を建設している可能性があるという。
比外務省などによると、中国が埋め立てているのは南沙諸島にあるジョンソン南礁(中国名・赤瓜礁)。今年に入ってから、中国が砂を運搬しているという。
中国は天然資源が豊富とされる南シナ海への進出を強化。3月にはフィリピンが実効支配しているアユンギン礁近海で補給船の航行を妨害した。最近では、西沙(パラセル)諸島近くに石油掘削装置(リグ)の設置を強行しようとし、阻止を試みたベトナム艦船に中国艦船が体当たりするという事案もあった。
南沙諸島周辺は、中国やフィリピン、ベトナム、台湾などが領有権を主張している島や礁が点在する。
中国、滑走路建設、ロイター通信