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救急医療が地域医療ネットと連携、高齢化社会に向けITを活用
前回は、地域医療連携ネットワークが、様々な分野に連続性の範囲を広げていることについて解説しました。その中で、在宅医療、医療と介護の連携をテーマに論じましたが、今回は救急の観点から、地域医療連携ネットワークとの連続性について話を進めます(図1)。
地域医療連携ネットワークと救急医療と救急搬送に活用するシステムを接続する、あるいは救急医療/搬送に地域医療連携ネットワークを活用しようという動きが各地で生まれ始めています。
なぜ、地域医療連携ネットワークと救急医療/搬送を連続させるニーズが生まれるのでしょうか。話を進める前に、それぞれの特徴に触れておきます。
識者の考えなどを加味すると、救急医療/搬送には以下の二つの特徴が挙げられます。
- 緊急性と患者の病状が刻々と変化する可能性が高いことから、時間的な制約が大きい
- 搬送現場では、患者の情報が極めて乏しい
様々なメディアで「救急のたらいまわし」あるいは「動き出さない救急車」という厳しい言葉が、現場の努力を顧みられることなく飛び交う時期がありました。こうした事態を解消するために、関係各所では改善の努力が進んでいます。そうした事態を生じさせる理由として、先の二つの特徴が関係していると考えられています。
救急搬送の適正化や迅速化などを目的として2009年に消防法が改正され、救急搬送の現場へのITの積極的な活用が議論されるようになりました。
先にあげた特徴の二つめ、つまり搬送現場で患者の情報が乏しいという問題の対策としては、地域医療連携ネットワークで共有する診療情報などが、救急医療/搬送に寄与できる余地があると考えられています。
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