順風の黒田日銀に伏兵、5年ぶり「神の子」到来で冷夏予想
Bloomberg 5月13日(火)16時25分配信
5月13日(ブルームバーグ):消費税率引き上げ後の駆け込み需要の反動も想定の範囲内に終わる兆しが見えるなど、順風満帆に見える黒田日銀だが、5年ぶりに予想されている「エルニーニョ」の到来で冷夏になる可能性が出ており、日銀は一抹の不安を抱いている。関係者への取材で明らかになった。
スペイン語で「神の子キリスト」を意味するエルニーニョ。ペルー沖の太平洋赤道海域で海面水温が高い状態が保たれ、世界的に異常気象の原因となる現象を指す。気象庁は12日、これが今夏に発生し秋にかけて続く可能性が高いと発表した。エルニーニョが発生すると、日本の夏は全国的に気温が低くなる傾向がある。
第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは先月22日のリポートで、仮に今年7−9月期の日照時間が梅雨明けの遅れた2003年並みとなれば、同時期の実質GDPを前年同期比で0.5%、梅雨明けが認定されなかった93年並みとなれば、0.9%押し下げると試算している。
輸出の回復が遅れているだけに、景気の腰折れを防ぐには、個人消費が消費税引き上げ後の駆け込み需要の反動から回復していくことが不可欠だ。関係者への取材によると、日銀内では、エルニーニョによる冷夏が個人消費や消費者心理を冷やし、景気の足を引っ張る可能性を懸念する声が出ている。
永浜氏は「今夏のエルニーニョが消費増税後の日本経済に思わぬダメージを与える可能性も否定できない」と指摘。「来年10月の消費税率引き上げの判断の際には、今年7−9月期の経済成長率が重視されるため、エルニーニョによる天候不順の影響が現実のものとなれば、今年12月に予定されている消費税率引き上げの判断に影響を及ぼすかもしれない」と指摘している。
消費税率の反動は短期で収束
内閣府が12日発表した4月の景気ウォッチャー調査によると、2、3カ月先の景気を見る先行き判断指数は前月比15.6ポイント上がり、50.3となった。比較可能な2001年8月以降、最大の上昇となった。
最終更新:5月13日(火)16時25分
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