【ワシントン=横堀裕也】環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を巡る日米閣僚間の2日目の協議が17日夜、終了した。
甘利TPP相は協議終了後、記者団に「こう着状態が続いている。主要なところで前進が見られない」と述べ、交渉が難航していることを明らかにした。24日の日米首脳会談での大筋合意を目指して、協議は最終日の18日も行われる。
甘利TPP相と米通商代表部(USTR)のフロマン代表との協議は、日本が関税を守りたい農産品の「重要5項目」のうち、焦点となっている「牛・豚肉」と「乳製品」を中心に行われたとみられる。交渉筋によると、米国側が「牛・豚肉」と「乳製品」について、関税の撤廃もしくは大幅な引き下げを求めているのに対し、日本は具体的な妥協案を提示したが、「距離感は相当ある」(甘利氏)という。
フロマン氏は協議終了後、記者団に「多く残る相違点を解決するよう努める」と述べた。
17日の協議は朝から始まり、夕方までに終わる予定だったが、実務者同士の折衝を挟んで、深夜まで続けられた。
TPP日米協議難航…甘利氏「距離感相当ある」 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20140418-OYT1T50105.html
■ 日本がこの交渉を拒絶するように願うばかり。その代わりに近隣諸国との個別の交渉を始めるべきだ。そうすればいい取引ができるし、TPP弾丸を避けることができる。
■ 自由貿易協定っていうのは「いい取引」を得るためにやるのではない。自由貿易協定は調和と対等な条件を得るためにあるのだ。もしお前のような考え方、それは日本の考え方だが、を貫いていたら、西ヨーロッパも北米も関税で隔てられ、保護された国家が存続し続けていただろう。
■ 日本の近隣諸国は日本との個別の交渉には応じないよ。過去に失敗してきたし。日本のやり方は「自分のやり方でやれないのなら参加しない」というものだった。オーストラリアが日本との「自由貿易」協定で言いくるめられたのを見ればわかるだろ。
日本がTPPに反対している主な理由は非関税障壁を禁止する条項があるからだ。その中には価格操作も含まれる。日本はこの習慣を決してやめないだろう。それは違法なのだが、日本のビジネスでも政治でも広く行われている文化だからだ。
■ もし自由貿易の考えが正しく、日本がこれを断行するのなら、日本は最後にはアメリカの51番目の州になってしまう。
■ アメリカから見れば、すでにそうなっている。
日本の政治家はアメリカに土下座し、アメリカのやりたいようにできるようにしている。特に沖縄ではそうだ。70年間も地元の経済を窒息させてきた基地をさらに拡大しようとしている。
オバマはアジアでの存在感を増したいと考えているようだが、もしそうなら軍事力を高めるのは良い考えではない。ベトナムへの真摯な謝罪と本当の意思の疎通を通じてのみ、可能なのだ。
「遺伝子組み換えされたトウモロコシを買え」という態度ではだめだ。「あなたの必要なものは何ですか?どのようにお助けできますか?」という態度こそが必要なのだ。
■ TPPは単に関税撤廃と、健康や安全基準の撤廃を目的としたものではない。アメリカの自動車と食品会社が日本の競争相手と競争できるようにするためのものだ。それと署名国には構造的な変化をもたらすように設計されている。
日本の健康保険制度はTPPの知的財産規制によってダメになるかもしれない。例えば、医薬品の特許や、手術の方法に関しての特許が無期限に延長されることによって、医療費が上昇し、その結果制度が破壊されるかもしれない。
TPPにはISD条項というのがあって、これは企業が害を受けたと感じたら、外国政府を訴えることができるというものだ。オーストラリアはたばこ会社の件で戦う必要があった。そしてオーストラリアはTPPにこの条項が入ることに反対している。
TPPは日本にとって良くない。
個別のFTA交渉を近隣諸国とやるべきだ。
TPPというクソに署名することは日本国民をアメリカ企業に売り渡すことを意味する。
■ ルールは全加盟国に当てはまる。日本も特許を延長することができる。協定が破られたと思ったら訴えることもできる。この条項はむしろ日本にとってこそ必要なのだ。
日本国民に過去数十年、食品や衣服、エネルギー、サービスを割高な価格で売り続けてきたのは日本企業だ。
だが日本が入らない方がいいかもしれないという点では同意だ。他のTPP交渉国は日本に加わって欲しくない。貿易協定に関して過去の嫌な経験があるからだ。日本は全部を持って行き、他国にはほとんど与えないという自分のやり方を変えることはないだろうから。
■ 日本がこれを受け入れたらそれは愚かなことだ。
日本がアメリカからのプレッシャーに対処しなければならないということは理解できることではある。しかし彼らも愚かな人たちではないだろうに、どういうわけかアメリカの規制の枠組みに日本を従わせ、国をアメリカに開こうとしたがっているように見えるのは理解できないことだ。日本政府ですら、最初の10年でのGDPの上昇はわずかにとどまると認めているにもかかわらずだ。
■ 日本は自国の製品を関税なしで輸出したいだけだ。一方で自国の農産物や保険制度などは関税をかけて守ろうとしている。日本人は自動車でも農産物でもどうせ日本製を選ぶことになるのをなぜ理解しなのか。一方で外国の人は日本製品へアクセスしやすくなるのに。日本人は「メードインジャパン」が好きなのだ。
■ 日本の経済モデルは「管理された経済」だから、自由貿易という考えには合わないのだ。日本企業も経済もそれに対する準備はできていない。保護された母国市場の存在というのが日本企業にとって要石だった。しかしアメリカ議会はオーストラリアがしたような妥協は決して受け入れないだろう。
■ 日本人は意思決定を合意によってする傾向があるが、その結果合意が遅れ、消費者にとって価格が高くなってしまっている。
■ 日本で牛が神聖な領域になったのはいつからだ?脂っこくて、臭い和牛は戦後に「ごちそう」として作り出されたものだ。日常的に食べるためのものではない。日本がこのようなものを特別な文化だと言って保護を求めるのはいつものことだ。アメリカは容赦すべきではない。
■ オバマの来日前に日米で同意できても、その後アメリカ議会で激しい抵抗にあうだろう。今の議会を見るとその結果がどうなるのか予想することは難しい。
■ 台湾は何百回もアメリカにも日本にもオーストラリアにも参加したいと申し入れているのに、無視されている。
■ 日本の生活費は適正水準よりずっと高くなっている。それは改革を拒否する非効率的な産業を守っているからだ。日本の消費者は大きく損をしている。
Stalemate remains in Japan-U.S. talks on TPP ‹ Japan Today: Japan News and Discussion http://p.tl/9daR
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