14日午前2時55分ごろ、東京都杉並区今川3丁目の椎名正雄さん(85)方から出火し、木造2階建て住宅延べ約110平方メートルが全焼。ほかに1棟が全焼、4棟が半焼するなど計265平方メートルが焼けた。椎名さん方から、全身にやけどを負った男女2人が救出されたが、死亡が確認された。警視庁は、正雄さんと妻とよ子さん(83)とみて確認を進めている。

 荻窪署によると、2階の部屋から自力で避難した長男(59)は「1階から煙が上がってきた」と話しているという。

 椎名さん方の隣に家族3人で住む中安隆さん(64)は、火事に気付き、ホースで水をかけたが炎が熱くて消火を断念した。中安さんは「とても消火作業を続けられる状況ではなかった」と話した。椎名さん方の2軒隣に住む浜田雄二郎さん(87)は「正雄さんは足が悪くて歩くときは手押し車を使い、奥さんも杖をついていて、2人とも体が弱かった」と話した。