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【政治】

集団的自衛権「優先課題でない」 公明、首相をけん制

 政府は十三日、憲法解釈見直しによる集団的自衛権の行使容認に向け、安倍晋三首相が自ら十五日に記者会見し、与党協議の検討内容となる「基本的方向性」を示すことを明らかにした。だが公明党の山口那津男代表はこの日、二〇一二年末の衆院選後に交わした連立政権合意を持ち出して「(解釈改憲は)優先課題でない」と言明し、首相へのけん制を強めた。 

 首相は十五日に自ら設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)から行使容認を含む報告書の提出を受ける。「基本的方向性」は当初は「政府方針」と呼ばれ、首相は報告内容の中から具体的に取り組みたいものを検討事項として示す見通しだ。

 しかし、菅義偉(すがよしひで)官房長官が十三日午前の記者会見でこうした方針を公表すると、山口氏は直後の記者会見で「合意で定めた優先課題を実現するのが政権の使命。書いていないテーマに政治的エネルギーが行ってしまうのは、国民は期待していない」と指摘した。

 一二年末に結んだ合意は東日本大震災の復興対策など八つの重点課題からなる。七番目の課題としてあった憲法政策は憲法改正に向け衆参両院の憲法審査会の審議を促す内容。これを踏まえ、山口氏はこの日「恒久平和主義として基本原理にかかわる部分なので、政権に委ねるテーマではない」と、憲法問題は国会で論議すべきテーマと強調。解釈改憲を政府主導で進めることに疑問を示した。

 首相は懇談会の報告公表をにらみ、自民党幹部を通じ四月末から公明党幹部と水面下で調整。両党の正式協議は二十日からスタートする見込みだが、首相に近い政府筋はこの日「連休中に公明党から譲歩は引き出せなかった」と漏らした。

 

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