2013.8.19

高木彬光さんの「成吉思汗の秘密」

私(おじさん)の読書日記です。

今日は、高木彬光さんの「成吉思汗(ジンギスカン)の秘密」です。

先日紹介した 中津文彦さんの「黄金流砂」を読むと、いつもこの「成吉思汗の秘密」を続けて読みたくなります。


「黄金流砂」は、”源義経が平泉衣川で死んだのではなく、北に逃げたのだ”という説(義経北行伝説)を元に書かれた歴史ミステリーですが、
この「成吉思汗の秘密」は、”源義経が更に中国大陸に渡ってジンギスカン(成吉思汗)になったのだ”という説(義経=ジンギスカン説)を立証(というより検証)する歴史ミステリーです。

この説は、江戸時代より何度か話題になったようですが、その都度否定されてきたものだそうです。

この小説は、名探偵といわれた神津恭介が東大病院に入院し、探偵作家の松下研三と暇つぶしに、
”義経=ジンギスカン説”が成立すること(というより否定できないこと?)を、
ジョセフィン・テイが書いた、探偵がベッドで推理するという『時の娘』を真似て作られた歴史ミステリーです。

この小説を読んでも、やはり”=”というのは無理があるようです。
せいぜい”完全に否定まではできないなあ”ぐらいの程度です。

当のモンゴルでは、全然話にも出ない説のようですし。

まして清国の起源にも関係するとは私自身も思えません。
やはり後の時代にいろいろと捏造されてきたものなのでしょうか。。

確かに、源義経が逃げ延びて、大陸に渡り成吉思汗になったというのは、小説や伝説としてはロマンがあります。
 

今回、私は少し”まゆつば”の気持ちで読んだので、いつもの一気に読むという感じではなかったのですが、
  …でもです…
”ひょっとしたら…”と思って読むと、この「成吉思汗の秘密」はとても面白い歴史ミステリーですし、本当に一気に読めてしまいます。
 

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