2013年12月1日01時16分
【野中良祐】東日本大震災で大きな被害を受けた東北3県で、地震後4週間にわたり病院外で心停止を起こした人が増え、通常時と比べた心停止のリスクが最大で1・7倍に上がっていたことが大阪大の北村哲久助教(環境医学)らの研究でわかった。「ストレスや疲労の影響とみられる。災害後には突然死の対策も重要だ」と話している。
28日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンで報告した。
北村さんらは総務省消防庁の統計から、岩手、宮城、福島3県で2011年3月11日以後に院外で心停止した18歳以上の人数を調査。05~10年のデータなどを基に震災がなかった場合に想定される数を計算し、リスクの大きさを比較した。心停止のリスクは地震後の第1週(11年3月11~17日)に1・7倍に、第4週(同4月1~7日)でも1・26倍に上がっていた。
性別や年齢別に調べると、女性や75歳以上の高齢者では特にリスクが高くなる傾向があった。北村さんは「男女や年齢による違いの要因を詳しく調べたい」と話している。
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