(cache) 決勝戦：野口啓太(長野) vs. 遠藤奨(千葉)

決勝戦：野口啓太(長野) vs. 遠藤奨(千葉)

by Daisuke Kawasaki

　日本で初めてのSCGインビテーショナルの権利。

　とはいえ、開催される大会が海外である以上は、都合も含めて参加できるとも限らない。

　試合開始前に、野口と遠藤は話し合った結果、予定の調整がつきそうで、航空券がほしいという遠藤に野口が勝利を譲り、航空券は遠藤のものとなった。

　しかし、そもそも野口がこの大会にでている最大の理由は、真剣勝負のマジック、真剣勝負のモダンで対戦したいからにほかならない。

　というわけで、形式上の勝負が決まった状態ではあるが、形の違う緑黒の真剣勝負が行われることになった。

Game 1

　スイスラウンドで上位の野口が先手を選択。

　後手の遠藤はマリガンしたが、《樹上の村/Treetop Village》スタートの野口に《コジレックの審問》をプレイし、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》をディスカードさせる。

　ここで手札破壊を逃れた《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を戦場に送り出した野口。続くターンには、クリーチャー化した《樹上の村/Treetop Village》とあわせてアタックする。遠藤は《タルモゴイフ/Tarmogoyf》へと《突然の衰微/Abrupt Decay》。

　続いて、このゲーム2枚めの《コジレックの審問》を遠藤がプレイすると野口は「うわぁ」と小さく悲鳴をあげる。ここからの怒涛の手札破壊ラッシュで結果的にすべての手札を失ってしまう。野口は《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》をプレイ。

　手札破壊によって行動を抑止しているはずの遠藤ではあったが、《樹上の村/Treetop Village》をはじめとして、野口は細かくクロックを刻んでおり、残りライフは7まで追い詰められてしまう。

　遠藤は2枚めの《突然の衰微/Abrupt Decay》で《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》を対処し、《漁る軟泥/Scavenging Ooze》を送り出して、盤面を支えつつライフ回復を狙う。

　《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》によって、《突然の衰微/Abrupt Decay》が2枚あることがバレている野口だが、黒マナが無いため《漁る軟泥/Scavenging Ooze》を処理することが出来ない。

　いよいよ、7/7にまで膨れ上がった《漁る軟泥/Scavenging Ooze》でアタックを始める野口。《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》でめくれるカードは常に呪文であり、《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》まで盤面に追加されてしまってはライフを守り切ることは出来ないのだった。

遠藤 1-0 野口

Game 2

　十分な枚数の土地に《闇の腹心/Dark Confidant》や《光と影の剣/Sword of Light and Shadow》といった強力カードが揃っているが、緑マナが出ないのを嫌い、マリガンする遠藤。

　結果、満足行く初手で《樹上の村/Treetop Village》スタートした遠藤に対して、野口は2ターン目に《闇の腹心/Dark Confidant》を送り出す。

　この《闇の腹心/Dark Confidant》を2点食らいながらの《四肢切断/Dismember》と《突然の衰微/Abrupt Decay》のどちらで対処するか少考した遠藤。結果、《四肢切断/Dismember》で除去する。

　続いて野口が《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》、遠藤が《闇の腹心/Dark Confidant》とモダンらしいカードが続いたところで、野口が今度こそと2回目の《闇の腹心/Dark Confidant》をプレイ。この《闇の腹心/Dark Confidant》を《突然の衰微/Abrupt Decay》で除去するかと思われた遠藤だったが、《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》の力を借りて《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》を送り込む。

　なんとか、《闇の腹心/Dark Confidant》でのアドバンテージこそ邪魔されなかった野口なのだが、今度は圧倒的なクロックである《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》の邪魔をしなければならない番。バトルゾーンに《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《漁る軟泥/Scavenging Ooze》と追加する。

　遠藤は《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》でアタックして、野口のライフは10。遠藤は《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》をプレイしてターンをエンド。

　ここで野口は《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》を対処。さらにすべてのクリーチャーをレッドゾーンに送り込む。

　結果、この《脈動する幻影/Pulsating Illusion》が決め手となる。遠藤は《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》で《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をブロックしつつ《樹上の村/Treetop Village》を破壊し《闇の腹心/Dark Confidant》同士を相うちにするのだが、《漁る軟泥/Scavenging Ooze》が巨大化し、次のターンの攻撃を耐えるだけのライフを残すことが出来ないのだった。

遠藤 1-1 野口

Game 3

　初めて先手となった遠藤は、マリガンの後、1ターン目に《樹上の村/Treetop Village》から2ターン目に《タルモゴイフ/Tarmogoyf》という展開を見せる。対して、野口は2ターン目に《闇の腹心/Dark Confidant》をプレイ。

　この《闇の腹心/Dark Confidant》が《突然の衰微/Abrupt Decay》で破壊されると、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》のサイズが2/3となる。この《タルモゴイフ/Tarmogoyf》のアタックで野口のライフは18に。続くターンにショックランドをフェッチで持ってきたことで、ライフは15となるがこのマナで《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》がプレイされ、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》が除去される。

　この《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》は《樹上の村/Treetop Village》のアタックで攻撃し対処した遠藤だが、この《樹上の村/Treetop Village》の緑マナを黒マナに変換する《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire》が《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》で破壊されてしまい、《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》が出せない。結局、《漁る軟泥/Scavenging Ooze》が遠藤の軍勢に追加される。

　野口は《殴打頭蓋/Batterskull》をプレイ。だが、最近トークンが《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》の能力で破壊され、《漁る軟泥/Scavenging Ooze》のアタックでライフは11に。

　野口は《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》をプレイし、山札のトップをめくると、そこには《樹上の村/Treetop Village》。これをセットし、さらに《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を追加した野口に対して遠藤は《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》の能力を+1で使った上で、ターンを終了する。

　野口は《樹上の村/Treetop Village》を1体クリーチャー化した上で、すべてを《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》に向けてアタック。対する遠藤も《樹上の村/Treetop Village》をクリーチャー化して守ろうとする。

　《地盤の際/Tectonic Edge》を持っている野口は、このブロッククリーチャー宣言にどうするか迷うのだが、結局ブロックを許可。《地盤の際/Tectonic Edge》はくろまなが出る土地へと打ち込み《漁る軟泥/Scavenging Ooze》を5/5に強化させて《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をかえりうつ遠藤。さらに《闇の腹心/Dark Confidant》が追加される。

　《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》で《漁る軟泥/Scavenging Ooze》を除去した上で、クリーチャーを呼んだり《殴打頭蓋/Batterskull》を戻しては出したりと盤面を維持しようとする野口だったが、遠藤のトップデックが常に除去であり、段々と2点のダメージを受けていく。

　最終的に、ライフが2となってしまう野口。忠誠度が2の《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》を前に、《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》をだすが、当然の如く《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》の-2能力で生贄を強要されてしまう。

野口「アタックは《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》にですか？」

遠藤 2-1 野口

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