RIKKYO CLOSE UP

(掲載日2003.11.30)

「KP」MCLiyoonと李育鉄が目指すもの

法学科3年次 李 育鉄 さん

 法学部法学科3年次の李育鉄さんは友人とラップデュオ「KP」を結成し MC Liyoon として、今年10月8日にデビューシングル「NEVER LAND」をリリースしました。数々のテレビ・ラジオ番組に出演、そして11月には「Newsweek」日本版の表紙も飾りました。
 一方、大学では「新入生キャンプin清里」の学生アドバイザーを務めたり、「韓国キャンプ」に参加するなど、学生生活においても様々な活動を行っています。

音楽を始めたきっかけは?

 高校時代はイギリスに住んでいたのですが、その頃からヒップホップを聴いていて 自然に即興で口ずさむようになりました。といっても、特定の歌手(曲)を聴いていたのではなく、街中で流れていたものが耳に入ってきたという形です。ヒップホップを聴くというのは、本を読むのと同じような感覚でした。そして約3年前、ちょうど日本に帰ってきた頃ですが、地元に住む友人の影響で真剣に始めるようになりました。もともと新しいことが好きだったので そのひとつとして始めました。

好きなアーティストは?

  初めて感動したアーティストは、「Drunkun Tiger」(在米韓国人グループ)です。今は、他の人の曲は聴きますが、あくまでも参考としてです。ヒップホップ系が中心になりますが、特にジャンルにはこだわらず、いろいろ聴くようにしています。

プロをめざそうと思ったのはいつ?

 ラップはじめて1年くらいたった頃です。 ラップが自分にしか表現できないことを 自分のスタイルで歌えると確信し、 自分がそれなりに影響力があると信じることができた時です。

基本的な事ですが、「KP」というのは何の略ですか?

 「KP」の「K」は“Korea”の「K」で、「P」は“power”“pride”“people”の「p」です。いろいろ深い意味がこめられています。
  あえてこのような名前をつけたのは、まず最初に「KP」というイニシャル二文字で大きな“響き”を持たせておいて、その中に自分たちの<核>となるものを含ませておきたかったんです。

KPとして活動してきて嬉しかったことはどんなことですか。

 「Newsweek」等に出て世の中に少なくとも何かしらの刺激を与えられたことと、そして少しずつなのですが、一歩ずつ自分の信じている方向に進んでいると確信できたことです。
 それから、人に「感動」 してもらえた時は心底嬉しいです。

KPの歌を通じて伝えたいことは何ですか。

 いろいろあるので一言で言うのは難しいのですが、一番は自分の存在です。自分のしてきた経験や思想を伝えることによって、相手にもその人自身の存在を考えてもらえるような、そんな音楽を作りたいです。

KPの郭正勲(MC Jewong)さんとはどのように知り合ったのですか。

写真提供: GROOVE GURU ENTERTAINMENT,INC.
(写真右:李育鉄さん)

 全学共通カリキュラムの先生の紹介でした。彼がその先生と同じ教会に通っていたんです。どちらから、というよりも、自然にグループになっていきました。最初は考え方が異なっている部分もあったんですが、自分の考えを話すうちに共感するようになってくれました。
  彼は自分にとって大切な存在です。おそらく自分ひとりだったらこの活動はできなかったでしょう。

曲作りの分担は。

 歌詞は自分たちが歌う部分はそれぞれで書いて、サビはどっちかが考えたり、2人で考えたりしています。 音はプロデューサーのURUさんに手がけてもらってます。

デビューして、Newsweekの表紙を飾ったことで、周囲の反応はどうでしたか?

「Newsweek」日本版 11月26日号
(写真左:李育鉄さん)

 結構みんな読んでくれていました。それだけで自分としては嬉しかったです。疎遠になっていた人からも連絡が来たのも嬉しかったですね。
  「Newsweek」に掲載されて、みんなから一目置かれるようになったと思います。友達との会話はそれまでごく普通の内容でしたけど、今はKPに関する内容が多くなりました。
  自分達が掲載された「Newsweek」は家宝です。どんなにお金を積んでも記事にしてもらえるものではないですからね。これで自分に自信がつきました。でも、まだ「はじめの一歩」だと思って、自分の気持ちを引き締めていきたいです。

とても忙しいと思いますが、学生生活と歌の活動の両立は?

 大変です。やはり音楽が「仕事」になってから、事務所の人をはじめ多くの人が自分達のために動いてくれていますし、自分のメッセージをどう伝え、社会的な力を出すかを考えると中途半端な気持ちじゃできないですからね。でも その分責任感も出てきたかなと思います。実力主義の世の中なので、つねに意識は集中させています。
 そのせいか、大学に来ると「平和だな~」って癒されます。正直勉強はかなり遅れてしまってます。一つのことにしか熱中できないタイプなんですよね。
 あとは、僕を少しでも応援してくれる友達が大学にいることに感謝してます。

李さんにとって、立教大学はどういう大学ですか?

変化できるという意味で「非常に可能性のある」大学だと思います。例えば、韓国キャンプや 新入生キャンプなどさまざまなきっかけ作りのシステムが充実していると思います。授業でも在日コリアンの授業等があり、他大学にはないマイノリティについて学ぶ環境も整っていると思います。
 ただ、法学部の授業は大人数で受ける授業が多く、教室に学生があふれて席に座れず、床に座ったり、立ったまま授業を聞かなければならない場合があるんです。別に大学側が悪いとか言っているわけじゃなくて、大半の学生はそれに対して何にもしないんですね。ただそのまま授業受けるだけで、状況を変えようとしない。世の中は一人一人が力を出して変えていくことが必要なのに、そういったパワーは立教の学生からは感じられない。非常にもったいないと思います。どんなにすばらしいシステムが整っていても、最終的には自分たちの力で自分たちの生きる環境を変えていかなければ何にもならないんですよね。 でも、「力がない」イコール「力を出していない」。
  だからこれから、出していない力を出すべき方向 に出していけば、すごく変わっていけると思います。

KPとしての、そして李育鉄さん個人の目標を聞かせて下さい。

KPとしては、コリアンをはじめマイノリティであることを個性としてお互いが認め合えるような社会に日本をするためのきっかけ作りをしたいです。自分は日本を変えたいと思っています。まだ、日本って閉鎖的だと思うんです。外国人をはじめとしていろいろな人がいるのを個性の一部として見るようになって欲しい。KPがメジャーになることで、存在を意識してもらい、いずれは日本人と在日コリアンがお互いを尊重しあい、認め合えるようにしたいんです。
 同様に、コリアンの考え方も変えたいんです。男尊女卑とか、国際結婚反対とか、何にも根拠がないのに否定や反対をする。「国籍」イコール「民族」ではないんです。どんな国も多民族社会ですよね。これからの時代、考え方を変えていくべきだと思うんです。
 だから自分がコリアンとして、日本の代表になりたい。 まだまだ僕は何万人に1人の人間だと思います。だから李育鉄個人の目標として、「65億に1人」の存在になりたいです。
  まず、そのためには、自分を変えたいと思います。

これから先、いろいろなことがありそうですね。

「これから」のための苦労なら、全然辛くないです。世の中には苦労している人がたくさんいるし、それに比べたら自分の苦労なんて大したことないと思います。

写真提供:GROOVE GURU ENTERTAINMENT,INC.
(写真右:李育鉄さん)

2003.10.8 RELEASE
1st. DEBUT SINGLE
NEVER LAND
01 NEVER LAND
02 SPIN
03 GAMUSHARA
04 NEVER LAND(inst.)
05 SPIN(inst.)




デビュー曲の「NEVER LAND」はテレビ神奈川の新音楽番組“BEATRIX TV”のエンディングテーマに採用されました。そしてさらに、現在レコーディング中の新曲がSEGAのキャラクター・SONIC(アニメ)のテーマ曲になることが決定しています。
今後の活躍に、期待したいと思います。


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