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美味しんぼ「不安 口にできなくなると問題」
5月13日 12時33分

今回の「美味しんぼ」の問題を巡っては地元、福島県などからの批判は当然だという受け止めと同時に、影響が波及して不安を抱える人たちがそれを口にできなくなるようなことになれば、大きな問題だと懸念する声も出ています。

科学技術と社会の関係を専門に研究している、大阪大学コミュニケーションデザイン・センターの平川秀幸教授は「今回の『美味しんぼ』の内容は原発事故後の状況を描いたものとして取り上げ方に偏りがあり、福島県などの反発を招いたのはしかたがない。その一方で、事故後に鼻血などの症状を訴える人がいたことについて、低線量の被ばくでは起こりえないという説明はされているが、なぜそういうことが起きたか、どれくらい起きていたかなど十分な調査はされていない。そうしたなかで今回のように『不安』を取り上げたことと、それを否定する反応が起きたことで、表に出せない不安を抱えた人たちが、それを口にすることすら抑圧されることになると大きな問題だ。同じ放射線量でも不安の感じ方は人それぞれで、行政は一人一人の不安に対応していく必要があり、不安を口にできなければそれもできなくなる。今回の問題は、被ばくと鼻血の因果関係といった問題としてだけ捉えると、見方を誤るおそれがある。事故後に生じた国などへの不信感が3年たった今も拭えず、正しい情報であっても受け入れられない状況があることの表れとも考えられ、背景には賠償や生活再建などへの対応が被害者にとって十分でなかったことに対する不満など、さまざまな問題があるとみられる。人々の不安の背景に深く遡った対応が求められるのではないか」と話しています。

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