東京・町田の工場で火災 1人重体7人重軽傷5月13日 21時22分
13日午後、東京・町田市にあるマグネシウム合金などを扱う金属加工会社の工場で爆発火災があり、従業員8人が重軽傷を負い、このうち1人が意識不明の重体だということです。
燃焼中のマグネシウムは放水による消火ができないため、出火から4時間以上がたつ今も火は収まっておらず、消防が慎重に消火作業を進めています。
13日午後4時すぎ、東京・町田市成瀬の金属加工会社「シバタテクラム」の工場で爆発音がして黒い煙が上がりました。
東京消防庁がポンプ車など60台余りを出して消火に当たっていますが、これまでに工場の1階と2階、合わせておよそ1400平方メートルが焼けたということです。
この火事で20代から60代とみられる従業員の男女8人が重軽傷を負い、警視庁などによりますとこのうち男性1人が意識不明の重体、2人が全身にやけどをして重傷だということです。
警視庁によりますと、工場1階の倉庫にマグネシウムとアルミニウムがあり、作業員がはんだ付けの作業をしていたところ、何らかの原因で火花が出て引火したとみられるということです。
これまでのところ、倉庫にあったマグネシウム80キログラムとアルミニウム20キログラムが燃え、出火から4時間以上がたつ今も火は収まっていません。
燃焼中のマグネシウムに水が触れると分解して水素と酸素が発生し、燃焼が加速したり爆発が起きたりすることがあることから、東京消防庁は周りの建物に放水をして延焼を防ぐ措置を取るとともに、火が収まりしだい、特殊な薬剤や砂を使って消火することにしていますが、今のところ消火のめどは立っていないということです。
警視庁は、関係者から事情を聞くなどして当時の状況や火が出た原因を調べる方針です。
町田市が注意呼びかけ
今回の火災を受けて、町田市役所は工場がある成瀬地区の住民に、できるだけ外出を控え、煙を吸わないよう防災行政無線で注意を呼びかけています。
マグネシウムは水と反応しやすい
マグネシウムを扱う企業の業界団体によりますと、マグネシウムは水と反応しやすく、切りくずや粉末の状態では適度に水があると火がつきやすいということです。
また、燃焼中のマグネシウムに水が触れると分解して水素と酸素が発生し、爆発したり燃焼が加速されたりすることがあります。
このため、火災の際には水ではなく、砂や鉄の粉、それに消火剤などを使うことになっていて、マグネシウムの表面を覆うことで空気を遮断して火を消すということです。
東京消防庁は、マグネシウムがあるとみられるところには放水せず、周りの建物に放水して延焼を防ぐ措置を取っているということです。
鎮火まで6日間かかったケースも
マグネシウムを取り扱う建物で起きた火災では、消火に時間がかかることがあり、過去には、火の勢いがほぼ収まるまでには15時間余り、鎮火までには6日間かかったケースもあります。
おととし5月、岐阜県土岐市の金属加工会社で、マグネシウムおよそ200トンを保管する倉庫で起きた火災では、燃焼中のマグネシウムに水が触れるとさらに火が強くなる性質があることから、消防が専用の消火剤や砂をかけて消火活動を続けました。
しかし、消火には時間がかかり、火の勢いがほぼ収まるまでには15時間余り、鎮火までには6日間かかったということです。
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