家電:増税前より安く 駆け込みの反動、ネット大幅値下げ

毎日新聞 2014年05月13日 19時18分(最終更新 05月13日 23時59分)

消費増税を前に多くの買い物客でにぎわう家電量販店=東京都千代田区で2014年3月29日、矢頭智剛撮影
消費増税を前に多くの買い物客でにぎわう家電量販店=東京都千代田区で2014年3月29日、矢頭智剛撮影
主な人気機種の価格推移
主な人気機種の価格推移

 消費増税後、インターネット通販での家電製品価格が大きく値下がりする傾向にある。価格比較サイトを運営するカカクコム(東京)によると、増税前に洗濯機など大型生活家電を中心に駆け込み需要があったが、需要が冷え、4月下旬から値下がりが急速に進んでいる。下げ幅が税率上昇分の3%を大きく上回るものも目立ち、駆け込み消費でむしろ損をしたケースもありそうだ。

 カカクコムによると、洗濯機、掃除機、冷蔵庫で高価格帯の人気13機種について、今月12日の価格を3月31日時点と比較すると、全てで値下がりした。下げ幅は24.2〜0.6%で、6機種は2ケタ減。0.6%減にとどまった東芝の洗濯機についてもピーク(4月17日)との比較では16.9%下げた。

 増税前の需要の高まりから価格が上がり、4月に入っても在庫不足で高止まりしていたが、4月下旬から在庫が回復したため、値下げが進んでいるとみられる。

 生活家電はもともと進学・転勤など新生活の始まる4月前に需要が高く、その後は価格が急低下する傾向にある。カカクコムは「今年は消費増税の影響で価格低下時期が遅れており、今後に買い時となる製品も多くなりそうだ」とみる。同社は9日、家電やパソコンなど下落幅の大きい人気約80機種をまとめた特集ページを開設した。

 ネット通販は需給状況が販売価格に反映されやすいが、その後、量販店の価格に影響することも多い。家電のネット通販は拡大しており、家電販売市場約7.5兆円のうち1割を占めるが、デフレ判断の指標となる消費者物価指数の対象になっていない。総務省は実態把握のため来年1月から「家計消費状況調査」の対象に加える。【渡辺精一】

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