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沈没船船員、負傷した同僚見捨てたと供述

 韓国の旅客船セウォル号沈没事故で、乗客を船内に置いて逃げたとして逮捕された機関室の船員らが13日、船内で負傷して動けなくなっていた調理担当の船員2人を放置し脱出したと合同捜査本部に供述したことが分かった。

 船員らは海洋警察の船に乗り移った後も2人の存在を知らせず、救助を求めなかった。捜査本部関係者が明らかにした。

 2人は行方不明で生存は絶望的になっている。捜査本部は、船員らは自らが助かるために乗客や同僚を救出する機会を奪った疑いがあるとみている。

 船が傾いたとき、3階の機関室付近では機関長(54)ら7人が脱出しやすいように廊下に集まり、助けが来るまで約30分間、何もせず待っていたことがこれまでに分かっている。7人のうち2人が、調理担当の2人を放置したと供述した。7人は海洋警察の船で最初に救出された。

 一方、運航会社の清海鎮海運が、改造の結果、同船の重心が上がり、不安定で危険な状態になったことを隠して売却交渉を行っていたことも13日判明した。

 捜査本部は、同社が改造で復原力に問題が生じたことを認識しながら隠して売却しようとしたとみて、業務上過失致死容疑などで逮捕した会社代表のキム・ハンシク容疑者(72)らを追及している。

 捜査本部関係者によると、清海鎮海運は3月に船舶の売買サイトに同船を約1600万ドル(約16億4千万円)で売ると掲示。事故直前の4月初旬からフィリピンの買い手と交渉を始めたが、改造で重心が上がった事実は一切伝えていなかったという。(共同)

 [2014年5月13日21時30分]

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