この発想は素晴らしい。
『Wristify』は、手首に装着すれば心地の良い体感温度に調節してくれる腕時計型のデバイス。
このデバイスは
外気温と体温を測定して手首を冷やしたり温めたりするといったもの。
機能は実にシンプルなものですし、果たしてこんなことで体感温度が変わるのかと疑ってしまいがちですが、マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生たちが考案しMADMECと呼ばれるコンペにて優勝を勝ち取っただけあって、知れば知るほど「なるほど」と納得してしまうガジェットです。
まず、チームが発見したのは、
人間は体の一部が直接的に冷やされたり熱されたりすると、その刺激に反応して全身の体感温度が変化するといった効果。
例えば体のどこかに直接氷をあてると、人の体はその冷たい刺激に対して全身が反応します。
また、それと共に明らかとなったのは人間の体は
一定の温度をコンスタントに感じ続けると「慣れ」が生まれるという効果。
ちょっと気温が低いときにプールに入ると、最初は冷たく感じますが徐々に慣れていくあの反応ですね。
つまり、
手首を冷やしたり温めたりしてその温度に対する「慣れ」を作り出すと、その反応は全身へ伝播するという訳ですね。
人体の自然的な反応を利用した画期的なアイデア。
次にチームが研究を進めたのが、どれくらいの温度を変化させれば全身に効果的なのかという点。
彼らによると、人体が「涼しくなった」「温かくなった」と感じるくらいの効果を発揮するためには、
体の一部(このデバイスの場合は手首)の温度を1秒あたり0.1度変化させる必要があるとのこと。
15のプロトタイプを作った結果、1秒あたり
0.4度変化させることが可能なデバイスの開発に成功。
リチウムポリマーバッテリー駆動により8時間持続するものとなっています。
現在、『Wristify』のチームは次段階として「どれくらいのサイクルでこの変化を起こせば効果的・効率的なのか」という研究を進めているとのこと。
プロトタイプ段階ではありますが、今後の実用化に期待が寄せられます。
シンプルな機能ながら人体の仕組みを有効活用し、周囲の気温を調整させるのではなく、人間そのものを冷やすという考え方が素敵ですね。