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Killer robots に関する国際会議について

ロボット兵器(Killer robots)に関する国連での議論が、13日から4日間、ジュネーブで開催される。わが国でこのニュースを報じているのは日経だけのようだが、興味深い点がいくつかあるので、ご紹介しておきたい。

第一は、ロボット兵器の定義を、完全自律型兵器、すなわち敵を攻撃するか否かの判断を人間に頼らず、ロボット自身が判断する兵器に限定している点だ。この点は、日経の記事もBBCも同じだ。半年前は、ロボット兵器というと、まずプレデターなどの遠隔操作兵器が紹介されていたが、これらは攻撃判断を人間が行っているので、厳密にはロボット兵器ではない。このような意味での完全自律型兵器は、現時点では、どの国も実用化していない。昨年9月26日のNHK番組は遠隔操作兵器と自律型兵器を混同していた。また、人権団体”Human Rights Watch”も、以前は遠隔操作兵器とロボット兵器を混同していたが、いまはちゃんと理解しているようだ。このあたりの誤解が一斉に払拭されている事実は,国連が念入りに記者レクを行ったからと推測される。

第二に、現時点で実用化されていない完全自律型兵器について、なぜ今から、国際的議論がはじめられるのか。それは確かに、人道的見地からだが、だからといって、ロボット兵器を全否定するものではない。平和国家日本では、戦争イコール悪だから、ロボット兵器も禁止せよ、という議論に陥りがちだが、この考え方は世界のスタンダードでないことに注意する必要がある。

国際的な常識からすれば、ロボット兵器は自国の兵士の命に代わるものだから、善である(善であるという言い方に語弊があるなら、必要悪でもよい)。ただし、現代戦では、民間人を巻き込むことが厳しく禁止されている。たとえば、地雷は極めて原始的な完全自律型ロボット兵器といえるが、攻撃対象を全く選ばず、現に戦争終了後も多くの民間人を攻撃し続けているため、国際条約で禁止された。クラスター爆弾も、不発弾が地雷と化すため、禁止に向けた国際的な動きが進行している。ロボット兵器も、ともすれば、兵士と民間人を区別せず攻撃しかねない。なにしろ、軍服を着た兵士同士が戦う近代戦と異なり、現代戦はゲリラ戦や市街戦が主流なので、敵兵と民間人を区別することがとても困難だからだ。したがって、実戦配備されるロボット兵器には、戦時国際法や交戦規定を厳格に守らせる必要がある。いいかえれば、戦時国際法や交戦規定を遵守するロボット兵器の開発が進められることになるだろう。

第三に、日経によれば、「米国は何らかの規制を検討しても良いという立場」だという。言うまでもなく、米国はロボット兵器開発の最先進国だ。その米国が、なぜロボット兵器の規制に前向きなのだろうか。私はここに、問題の本質があると思う。

少しおさらいをしておこう。戦場で、ロボット兵士と人間の兵士が対峙したとき、先に引き金を引くのはどちらだろうか。答えはロボット兵士である。なぜなら、ロボットの方が、判断速度が速いからだ。上述したとおり、ロボット兵士には、交戦規定を遵守するための高度なプログラムが搭載されることになるだろうが、それでも、判断速度は人間より遙かに早い。

では次の問題。戦場で、交戦規定を厳格に遵守する高度なプログラムを搭載したロボット兵士と、適当にしか守らない低レベルのプログラムを搭載したロボット兵士が対峙した場合、先に引き金を引くのはどちらだろうか。明らかに後者である。なぜなら、後者の方が、判断速度が(何万分の一秒か)早いからだ。つまり、戦場では、高レベルの判断プログラムを有するロボット兵器の方が、低レベルのロボット兵器より弱い、という逆説が発生してしまうことになる。それなら低レベルのロボットを作ってしまえ、ともいえるが、「世界の警察」を自他共に認める米国では、そんな適当なロボットは作れない。そこで、仮想敵国が、低レベルのロボット兵器を開発しないように、今からルールを設定しておく必要がある。もし、民間人を誤射するようなロボットを実戦配備したら、直ちに国際的な非難が渦巻くようにしておくのだ。

これが米国の戦略であるとみて、間違いないと思う。先進国が工業製品の国際規格を高く設定して競争力を保つのと同じことである。

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