写真・図版

 目は絶えず動いているのに、なぜカメラと違って映像がブレないのか――。そんな疑問を解く糸口を京都大の研究者らがサルの実験でつかんだ。目を動かして変化した視界に対し、直前の視界を脳の中で重ね合わせることで、動きを滑らかに感じていることが示唆された。詳しい仕組みが分かればブレないカメラの開発につながる可能性がある。

 成果は米科学アカデミー紀要電子版に13日発表した。目に入った情報は、脳の視覚野という場所で処理され、輪郭や色、明暗など段階的に実際の光景に近づく。稲場直子特定助教らはこの中で、運動の知覚に関わる神経細胞の一群に着目した。

 実験では、画面に映した点を見るよう訓練したサルを使った。まずは画面の中心に点、右側の一角に視覚を刺激する画像を映した。この時、画面の左側は真っ黒なので、左側の視界を処理する神経細胞は活動しない。続いて、画像の位置が左側の視界に入るよう、点を右に動かし、猿の目を右に向かせる。この直前に画像も消すと、画像はないのに左側の視界を処理する細胞が一時的に活動した。