他国を守るために武力を使う集団的自衛権の行使容認をめぐり、政府が与党に示す事例集の概要が分かった。集団的自衛権では朝鮮半島有事の際に避難する民間人を運ぶ米艦船の防護を例示。さらに尖閣諸島での中国との対立を念頭に、有事に至らない「グレーゾーン事態」の法整備も求めている。行使容認に慎重な公明党や世論を引き込む狙いがある。

 安倍晋三首相は、行使を認める憲法解釈の変更を閣議決定で行う考えだ。しかし、ときの政権の意向で憲法の根幹である9条の解釈が変えられることには、公明党や世論の中にも強い懸念がある。首相側は週内に、事例集を中心にした「基本的な方向性」を与党に示して検討を要請。閣議決定に向けた具体的な手続きに踏み出す。

 首相側が示す事例は、集団的自衛権に加え、国連の加盟国が一致して制裁を加える「集団安全保障」、相手国から組織的・計画的な武力攻撃を直接受けていない「グレーゾーン事態」の3分野に及ぶ。