三井住友銀行は12日、ウイルスによってパソコンが乗っ取られ、インターネットバンキングの預金が引き出される新しい手口による被害が確認されたと発表した。3月下旬以降で数十件に上り、同行は警察庁に被害を報告。利用者にセキュリティー対策ソフトの更新などを呼びかけている。
セキュリティー会社「トレンドマイクロ」(東京)によると、同種の被害は2012年ごろに海外で見つかったが、国内での被害が明らかになったのは初めて。別の大手銀でも同種の被害があったという。
三井住友銀によると、預金者がウイルスに感染したパソコンで同行のネットバンキングにログインすると、「ダウンロード中です」などと画面が表示され、誘導に従って暗証番号を入力すると、何者かが勝手に設定した口座に送金されるようになっていた。
これまでの不正送金は、暗証カードに書かれた数字を盗み出し、改めてログインして預金を引き出す手口が中心。新たな手口では、取引ごとにパスワードを発行する「ワンタイムパスワード」の利用者も被害にあったという。
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