美味しんぼ「不安 口にできなくなると問題」5月12日 20時16分
「美味しんぼ」の問題を巡っては、地元、福島県などからの批判は当然だという受け止めと同時に、影響が波及して不安を抱える人たちがそれを口にできなくなるようなことになれば、大きな問題だと懸念する声も出ています。
科学技術と社会の関係を専門に研究している、大阪大学コミュニケーションデザイン・センターの平川秀幸教授は「今回の『美味しんぼ』の内容は科学的に一面的で、福島県など当事者の批判を招いたのは当然と言える。その一方で、原発事故の直後に鼻血などの症状を訴える人がいたことについて、なぜそういうことが起きたか、どれくらい起きていたかなど十分な調査はされていない。そうしたなかで今回のように『不安』を取り上げたことと、それを否定する反応が起きたことで、表に出せない不安を抱えた人たちが、それを口にすることすら抑圧されることになると大きな問題だ。同じ放射線量でも不安の感じ方は人それぞれで、行政は一人一人の不安に対応していく必要があり、不安を口にできなければそれもできなくなる。今回の問題は、放射線に関する知識の問題というよりも、原発事故後に生じた国などへの不信感が3年たった今もぬぐえず、出している情報が正しくても受け入れられない状況があることの表れと考えられ、被ばくと鼻血の因果関係の問題としてだけ捉えると、見方を誤るのではないか」と話しています。
[関連ニュース] 自動検索 |
・ 美味しんぼ 福島県知事が「残念」と不快感 (5月12日 18時14分) ・ 美味しんぼ 大阪府と市が小学館に抗議文 (5月12日 13時35分) ・ 美味しんぼ 福島県が「容認できず」 (5月12日 12時51分) ・ 美味しんぼの“鼻血” 双葉町が抗議 (5月7日 23時18分) |
[関連リンク] |
|