安倍首相が欧州歴訪でさらけ出した習近平との「格の違い」
2014年5月7日 掲載
経済面の成果ゼロ
OECDの基調講演で中国批判展開/(C)AP
欧州、中国ともビジネスの実利は十分だった。習は仏オランド大統領との会談で、「中国がエアバスから航空機を購入」「東風汽車(中国の自動車メーカー)とPSA(プジョーシトロエン)との増資合意」など約50件、総額180億ユーロ(約2兆5500億円)規模の大型契約を締結。ドイツでは約100億ユーロ(約1兆4200億円)のプロジェクト契約を成立させ、オランダでも食品衛生などに関わる18件の合意を結んだ。
「欧州各国は対ロ関係の悪化で、中国との経済面の結びつきを一段と強める必要はあったでしょう。それを差し引いても、用意周到な経済外交でした。一方、安倍首相はどうか。習主席とほぼ同じ国を訪問することで、領土問題などで理解を求める意図もあったと思いますが、経済外交は成果ゼロ。役者の違いは歴然です」(経済評論家の杉村富生氏)
6日もパリ市内の安倍歓迎ムードは低調で、日仏首脳会談も「防衛装備品協力の協定締結に向けた交渉入り」などで合意したが、習がまとめ上げたような具体的な内容は見当たらない。