【千葉魂】 新たなシーズンへ 来年見据え“地獄のキャンプ”宣言

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来季に向け始動した伊東監督

 秋の日差しはまだ強い。QVCマリンフィールドに伊東勤監督(51)の呼びかけの下、28日午前11時に1軍全選手が集合した。グラウンドに全員を集めると無人のスタンドを見渡しながら、語り出した。

 「この時期に試合をしているチームが二つある。本来ならマリーンズが、そうならないといけなかった。そのために何が足りなかったか?それぞれが考えてほしい」

 シーズンは3位で終了。西武とのクライマックスシリーズファーストステージを2勝1敗で勝ち越し、仙台でのファイナルステージに駒を進めた。しかし、楽天という壁を破ることはできなかった。10月21日。楽天に敗れ、今シーズンが終了した。QVCマリンにもう一度、戻ってくる-。その強い思いはあと一歩届かなかった。

 『翔破』のスローガンを掲げ、1年間、みんなで戦ってきた。「全員で束になって闘おう」。指揮官はベンチで鼓舞し続けた。時には試合中に全員をロッカールームに集め、選手たちに闘う気持ちを伝えた。しかし、あと一歩届かなかった。マリンでもう一度、試合をするというファンとの約束を果たせなかった。壁は厚いが、紙一重の差でもある。その悔しい思いを全員に伝えた。そして11月1日から始まる鴨川秋季キャンプでの決意を語った。

 「鴨川では、厳しくガンガン行く。みんな、自分の限界に挑戦をしてもらう。覚悟してもらいたい」

 来年こそ日本シリーズという頂上決戦に駒を進める。そのために、地獄の秋季キャンプを実施する。実りの秋とするための厳しい日々を宣言した。その一方で、選手一人ひとりに声をかけた。

 成瀬を呼び止めた。「悔しかっただろう?」。指揮官の呼びかけにエースは答えた。「自分に腹が立ちました」。その力強い一言に強い決意を読み取った。唐川にも直接、思いを伝えた。「秋は大事だぞ。秋の練習で来年は決まると言ってもいい。そういう思いで取り組めよ」。2桁勝利をあと一歩で逃した若き右腕も力強くうなずいた。

 鈴木と西野には感謝の言葉を伝え、来年のさらなる飛躍を期待した。「よくやってくれた。いい経験になったと思う。大地は全試合出場お疲れさま。でも来年が大事だぞ」。充実した一年を送った二人の若武者の目はすでに次のステージに向かっているように輝いていた。その頼もしい顔に伊東監督は満足げに笑った。

 千葉ロッテの2013年シーズンは終了した。74勝68敗2分け。Aクラスには入ったが、監督、選手たちは決して満足はしていない。それぞれの思いを込めた秋が始まる。コオロギやスズムシの鳴き声が聞こえる。それでも伊東マリーンズは秋の音に浸っている時間はない。実りの秋とするため、野球漬けの日々は続く。

 (千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)





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