■構造的ウォン高、政策的対応困難
サムスン電子と現代・起亜自動車は今年、年平均のウォン相場を1ドル=1050ウォンと予想し、事業計画を立てたが、全面的な見直しが避けられなくなった。現代自動車と起亜自動車は、ウォン相場が10ウォン上昇すると、それぞれ1200億ウォン(約119億円)、800億ウォン(約79億円)の減益要因となる。中小企業はさらに状況が深刻だ。中小企業中央会が昨年12月、輸出企業101社を対象に実施した調査によると、中小企業が損益分岐点とするウォン相場は1066.86ウォンだった。
最近加速しているウォン高は、一時的な要因によるものではなく、構造的なものであり、相当期間続く可能性が高い。25カ月連続で経常黒字を計上し、輸出で稼いだドル資金がだぶついている上、米連邦準備制度理事会(FRB)が当面金融緩和を維持する可能性が高まり、世界的にドル安が進んでいるからだ。
このため、市場では為替当局による介入も難しいとの見方が支配的だ。主要投資銀行24行による今年第4四半期(10-12月)のウォン相場予測値は、先月初めの1060ウォンから最近は1045ウォンまで上昇した。
ウォン相場が1000ウォンを割り込むとの予想も示されている。スイス系金融大手UBSは8日、韓国の経常黒字が続き、ウォン高傾向を示し、年内にウォン相場が975ウォンまで上昇する可能性があると指摘した。日系の三菱東京UFJ銀行も第4四半期時点のウォン相場を975ウォンと予想した。
為替当局の関係者は「ウォン相場が最近数日で急激に上昇した背景には、投機勢力の存在があるとみている。手をこまぬいてはいない」と述べた。同関係者はまた「ウォン相場が1000ウォン以下まで上昇した場合、輸出などに相当の影響を与えるとみて、それに備えている」と付け加えた。