韓流百貨店破綻、日本で韓流が窮地に

反韓感情-最近の韓日関係悪化で10年続いた「韓流ブーム」下火
高価格・強気のマーケティング-ドラマ1話40万ドル、似たり寄ったりの公演乱発
韓流再編の動き-良質コンテンツで長期勝負を

 東京のコリアン・タウン、新大久保にある「韓流百貨店」がこのほど経営破綻した。韓流スター関連商品・ドラマDVD・韓国製化粧品などを販売していた韓流百貨店は2005年、新大久保にオープンしてから韓流ブームに乗って急成長を果たした。しかし、最近は売り上げが急減して経営難に陥っていた。東京・六本木の韓流ミュージカル専用劇場「アミューズ・ミュージカルシアター」もオープンから1年たった今年3月末に閉鎖された。興行に失敗したからだ。韓流ドラマも「テレビ東京」を除く地上波局で放送が終わった。

 10年間成長を続けてきた日本の韓流ブームだが、韓日関係の悪化で「反韓感情」が高まり「消滅してしまうのではないか」という懸念すら出てきている。韓流ブームの衰退は、ビジネスの論理を無視した価格つり上げや過当競争が一因だとの見方もある。

■あまりにも上がりすぎたコンテンツ価格

 韓流ドラマの価格は2000年代に1話当たり2万ドル(約200万円)水準だったが、韓流ブームがピークに達していた12年に最高40万ドル(約4000万円)まで上昇した。しかし、視聴率がそれほど稼げず、高い価格でドラマを輸入した日本のコンテンツ関連会社などは相次いで大きな打撃を受け、今では韓流ドラマの買い付けに消極的だ。

 朝日新聞は「韓流ドラマの価格が高騰したことから、日本の放送界は価格が安い中国歴史ドラマの放映を増やしている」と報道した。このため、「日本での反中感情は反韓感情に劣らず強いが、それでも中国ドラマの輸入・放映が増えているということは『韓流ドラマが下火になっているのは必ずしも韓日関係の悪化のせいだけではない』ことの証明だ」という声も上がっている。

■強気のマーケティングと過当競争

 K-POP人気が急速に冷え込んでいる。2012年に67万枚以上売れたK-POPのDVD売上枚数は昨年30万枚へと急減した。テレビ局が反韓感情を理由に韓国人歌手の出演を規制しているのも問題だが、企画会社の「強気のマーケティング」がK-POPの裾野を狭くしたとの見方もある。

 ある専門家は「K-POPブームに便乗した複数の企画会社が重複出演や似たり寄ったりの公演企画を乱発して観客動員が減っても、逆にチケット価格をつり上げて収益を残すというやり方でマーケティングの基盤を自ら狭くしていった」と話す。チケット価格をつり上げても熱心な固定ファンは必ず来ると踏んでいたからだ。一部の韓流スターはファンミーティング参加費を過度に高く設定、ファンから苦情が出ていた。

 新大久保の韓流百貨店経営破綻も、同様の店が「雨後のたけのこ」式に乱立した結果だといわれている。新大久保は韓流関連の店が急増し、家賃や権利金が高騰したが、新たな顧客の獲得に失敗してサバイバル競争が繰り広げられている。

■韓流再編の動き

 韓国コンテンツ振興院日本事務所のキム・ヨンドク所長は「以前は韓国企業がドラマ・CDを輸出すれば、日本国内の興行いかんに関係なく収益を上げていたが、最近では日本企業と合弁会社を設立し、収益・損失を共有する構造のビジネスモデルが変わろうとしている」と言った。

 日本人のハートをつかむコンテンツは反韓感情が吹き荒れるさなかでも好調だ。 NHKは韓流ドラマの放映をこのほど終了したが、衛星放送で人気が高かった『太陽を抱く月』を総合テレビで7月にスタートさせることにした。これは視聴者の要望に応えたものだ。キム・ヨンドク所長は「日本で正式デビューしていない『EXO』というアイドルグループは先日の公演で10万人を動員した。良質のコンテンツや長期的な視点のマーケティングをすれば、韓流は再びブームになるだろう」と語った。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース