登壇者:
アルベルト・ザッケローニ監督(日本代表監督)
原博美(日本サッカー協会技術委員長)
ザッケローニ監督 ようやくW杯への最終章になりました。まずは日本サッカー協会、JFAに感謝を述べたい。日本人スタッフ、支えてくれたスタッフに感謝したいと思います。ブラジルに連れて行きたい選手は、23人以上います。それに値する選手はたくさんいます。23人に絞る作業をするまで、W杯最終予選を勝ち抜き、東アジアカップ、コンフェデ杯を戦い、親善試合を戦い、この23人に絞りました。23人を選考するに辺り、アジアカップなどを一緒に戦ってきたメンバー、それ以降に大きく成長したメンバーが上がっています。
原委員長 いよいよW杯まであと1カ月になりました。ザッケローニ監督と、2010年9月から予選を勝ち抜き、本大会へ向かいます。ここから最高の準備をして、日本の持っている最高の力を、日本らしさを出して戦いたい。この4年間を支えてくれた選手たち全員を呼ぶことはできませんが、今日選ばれた23人が、その人たちの気持ちを持って戦いに臨みたいと思います。 最後になりますが、ずっとサポートをしてくれた、スポンサー、クラブの方々、普段から代表を応援してくれるサポーターに感謝したいと思います。みなさんの気持ちをこめてブラジルで戦いたい。
W杯日本代表メンバー発表会見
5/12
メンバー一覧
| Pos | 名前 | 所属チーム | 生年月日 |
|---|---|---|---|
| GK | 川島 永嗣 | スタンダール・リエージュ(ベルギー) | 83/3/20 |
| GK | 西川 周作 | 浦和レッズ | 86/6/18 |
| GK | 権田 修一 | FC東京 | 89/3/3 |
| DF | 今野 泰幸 | ガンバ大阪 | 83/1/25 |
| DF | 伊野波 雅彦 | ジュビロ磐田 | 85/8/28 |
| DF | 長友 佑都 | インテル(イタリア) | 86/9/12 |
| DF | 森重 真人 | FC東京 | 87/5/21 |
| DF | 内田 篤人 | シャルケ04(ドイツ) | 88/3/27 |
| DF | 吉田 麻也 | サウサンプトン(イングランド) | 88/8/24 |
| DF | 酒井 宏樹 | ハノーファー96(ドイツ) | 90/4/12 |
| DF | 酒井 高徳 | シュツットガルト(ドイツ) | 91/3/14 |
| MF | 遠藤 保仁 | ガンバ大阪 | 80/1/28 |
| MF | 長谷部 誠 | ニュルンベルク(ドイツ) | 84/1/18 |
| MF | 本田 圭佑 | ミラン(イタリア) | 86/6/13 |
| MF | 山口 蛍 | セレッソ大阪 | 90/10/6 |
| MF | 青山 敏弘 | サンフレッチェ広島 | 86/2/22 |
| FW | 香川 真司 | マンチェスター・ユナイテッド(イングランド) | 89/3/17 |
| FW | 岡崎 慎司 | マインツ05(ドイツ) | 86/4/16 |
| FW | 清武 弘嗣 | ニュルンベルク(ドイツ) | 89/11/12 |
| FW | 柿谷 曜一朗 | セレッソ大阪 | 90/1/3 |
| FW | 大迫 勇也 | 1860ミュンヘン(ドイツ) | 90/5/18 |
| FW | 齋藤 学 | 横浜F・マリノス | 90/4/4 |
| FW | 大久保 嘉人 | 川崎フロンターレ | 82/6/9 |
質疑応答
――23人をどういう基準で選んだか? また、その決断はいつしたか?
ザッケローニ監督 基準はまずは才能。それに関してはたくさんの該当選手がいました。次にチームの和。それが大切になります。戦術的理解度の高さ、あとはユーティリティー。できるだけ多くの選手が2つ以上のポジションができることを選考のポイントにしました。
――ブラジルではどんなサッカーをしたいか?
ザッケローニ監督 自分たちのサッカーをすることが大事で、自分たちにはサッカーのコンセプトがある。この4年間で日本のサッカーは技術が高まり、本番でも日本サッカーを追求していこうと思っている。日本代表が伸びているという証を本番で残すために、こういうメンバーを選びました。もちろん良いパフォーマンスを求めればよいだけでなく、結果を求められる。ただ、よいパフォーマンスをすれば、よい結果がついてくると、私たちは思っています。
――監督は以前からベストなコンディションの選手を連れて行くという話をしていたが、けが明けの長谷部選手や、まだ試合に出ていなかった内田選手などを連れて行くのは、コンディションが戻ると思って選んだのか?
ザッケローニ監督 それにあたり考えたのは、6月14日の初戦まで1カ月ほどある。メディカルスタッフ、コンディショニングスタッフから話を聞いて、この選手を選んできた。彼らのスタッフから100パーセントのコンディションに戻ると言われている。また3試合の練習試合もあるので、そこでコンディションを戻していく。イタリアでは『水が半分しか入っていないか、半分も入っているか』という話になるが、今回は水が半分以上入っていると思い、しっかり休めていると思っている。
――大久保選手を抜てきした理由は?
ザッケローニ監督 逆に今までどうして呼んでこなかったかを説明したい。経験があり、嗅覚があり、どこに行けばチャンスが生まれるかを知っている選手だと思う。そういう意味で、今まではそれ以外の選手を成長させることが大切だと思っていた。またぎりぎりのタイミングまで待っても、期待に応えてくれる選手でもあると思っている。
――今回の選考で最も悩んだ点は?
ザッケローニ監督 やはり23人しか呼べないということが大前提にあり、これまでの4年間で貢献してくれたメンバーをリストに入れられないということは苦しかったし、またフレッシュな若い選手も入れられなかったことも残念だった。それでFIFAのブラッター会長に23人以上呼べないかと電話をしたが、だめだった。
――どんなW杯にしたいかという監督の夢を教えてください。
ザッケローニ監督 まず私に課せられたノルマは、W杯に行くことと、日本のサッカー界を成長させること。夢に関しては、選手には具体的な目標を掲げたり、宣言するつもりはない。私が伝えたいのは、W杯の舞台に立って、自分たちのやりたいサッカー、自分たちのことを気にして、最善のことをして、自分たちのサッカーに集中して勝利を目指そうと伝えたい。当然対戦相手をリスペクトしないといけないですが、おびえる必要はない。チームが臆することなく、W杯に臨むことが私の願いだ。基本コンセプトや戦術は選手に浸透していると思っている。注意を払いたいのは最高のフィジカルコンディションで臨むこと。うちの調子が良くなかったときというのは、コンディションにいくつかの問題を抱えていた。そういう意味では、コンディションのところだけで、選手のポテンシャルなどには最大の信頼を持っている。チームに私が求めるサッカーはフィジカルコンディションによって左右されるので、そこを整えていきたい。
――この1カ月でやりたいことはどんなことか? どうやってチームの力をもっと上げたいと思っているか?
ザッケローニ監督 23人そろうのが23日になる。準備期間も3つの場所で進めるスケジュールになる。どのタイミングでフィジカルや戦術や技術を高めていくかのプランを考えている。ここ半年で3日間しか集まれていない。全員集めてこのチームのやり方をおさらいしたいと思う。
――日本はこの4年間で東日本大震災に見舞われた。そういうことを踏まえて、ザッケローニ監督から一言いただきたい。
ザッケローニ監督 代表選手も3月11日を忘れていない。私も日本にいたし、どのくらい大変なことがあったかを分かっているつもりだ。それを踏まえて選手たちはピッチに降りてくれると思うし、熱いものを持ってプレーしてくれると思っている。
――香川選手は今季ゴールなしで終わったが、どう捉えている? もう1つ、これまで攻撃的なサッカーを掲げてきたが、結果がどうしてもほしいときは引いて守る選択肢もあるのか?
ザッケローニ監督 個人の話をするときにはチームの話を同時にしなければいけない。今季はチームが想像通りに作れなかった。その影響を受けて香川も結果が昨年と比べて落ちただけだと思っている。なので監督としての思いは、チーム作りを進めていくうえで彼の力を最大限引き出せるようにしていきたいと思っている。2つ目の質問に関しては、主導権を握って戦うことが大前提だが、そうできないこともある。自分たちがこれまでやってきた戦術的準備は進めてきたつもりだ。
――今回はアジアの優勝チームとしてW杯に出場する。韓国やオーストラリアとは対戦しないと思うが、アジア1位の気持ちを持って臨むか?
ザッケローニ監督 そういう比較は個人的にはしていない。頭にあるのはこのチームのクオリティーを最大限引き出すことを考えている。こういう力を出すにはフィジカルコンディションが大事になる。グループの相手を見てもタフだと思うし、最大限の力を出して戦いたいと思う。
――選んだ23名にはどういう気持ちで臨んでほしいか? また監督にとってW杯はどういう舞台になるか?
ザッケローニ監督 いち監督としては、W杯がどんな大会か把握していかないといけないと思っている。選手に持ってほしい気持ちは、常にポジティブでいてほしい。これまでの4年間はコンフェデ杯以外は結果を残している。時にいわゆる格上と呼ばれている相手にもいい戦いをしたことがある。そういったことを考えるとこれまで信じてきた戦いを今後もやっていきたいと思う。私としては最高のチームが手元にあると考えている。フィジカルコンディションが整えば最高のプレーができると思っているし、こういうチームを与えてくれたサッカー協会に感謝したいと思う。
――ボランチの選考で悩んだという事ですが、細貝選手を外して、青山選手を入れた決断の理由は?
ザッケローニ監督 その決断は難しく、先ほども言いましたが、ボランチを4枚か5枚かに悩みました。青山選手が入ったから、細貝選手を外したのではなく、どこまでユーティリティーに使えるかを考え、最終的にこのメンバーを選びました。
――大久保選手を選出した理由は?
ザッケローニ監督 今回選んだ選手全員には、それぞれの特徴を出して欲しいと思っており、大久保選手にもそれを出して欲しく思っています。大久保選手と言うと経験があり、クオリティーが高く、30歳を越えているけれど、フィジカルも衰えていない。また相手に読まれない動きという、意外性も持っていると思います。
就任当初はけがに悩まされていたというイメージがありますが、ここ1年半の彼のプレーはすばらしいものでした。ですので、質問の回答としては、彼の持っている能力を本大会で出して欲しい。それは、彼の経験、クオリティー、意外性です。