ドイツ:脱原発…進む石炭依存 電気代1.7倍に

毎日新聞 2014年05月10日 08時49分

大規模停電を防ぐため、24時間態勢で電力需給をチェックする送電会社「50ヘルツ」の職員たち=2014年3月25日、篠田航一撮影
大規模停電を防ぐため、24時間態勢で電力需給をチェックする送電会社「50ヘルツ」の職員たち=2014年3月25日、篠田航一撮影

 ドイツ経済研究所のクラウディア・ケンフェルト教授は「ドイツ北部は褐炭や風力発電が過剰だが、西部は再生エネが少ない。南部は太陽光は多いが風力が足りない。ドイツの地図を見れば、(エネルギーの需給バランスは)見事にバラバラ」と現状を説明する。地域差を是正する送電網の整備が急務だ。

 再生エネ普及のコストは電気代に上乗せされるため、消費者の負担も増加している。標準世帯(3人家族)の電気料金は03年に月額平均50.1ユーロ(約7000円)だったが、10年後の13年には83.8ユーロ(約1万1800円)と約1.7倍に上昇した。メルケル政権は電気代の上昇抑制策にも頭を悩ませている。【ベルリン篠田航一】

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