簡単に抑えていたと思ったら、あっさりと連打を食らってしまう。
5月8日のヤクルト戦、広島の大瀬良大地の投球は、そんな両極端な内容だった。
5回までの大瀬良は、落ち着いたマウンド捌きで相手を翻弄していた。
初回の2死一、二塁、4回の1死一、二塁のピンチでは、前回登板まで26打数で被安打ゼロという得点圏での無類の安定感を誇示。4安打、6奪三振で無失点、球数は64球と、理想的な試合運びを演じていた。
ところが6回、それまでの投球が嘘だったかのように激変する。
先頭の比屋根渉に二塁打、川端慎吾には今季初めて得点圏でタイムリーを許してしまうと、バレンティン、雄平には2者連続本塁打を浴びてしまう。たったの6球で4失点。1死後、荒木貴裕に安打されたところで無念の降板となった。
5回まで味方打線が爆発し7点の大量援護、中継ぎ陣の踏ん張りもあって4勝目を手にできた。それでも、試合後の大瀬良は、新人らしく笑みを浮かべて記者の質問には答えてはいたものの、その笑顔はどこか冴えなかった。
「5回まではしっかり役割を果たせていましたけど6回が……。『少しでも長く投げたかった』とか悔しい思いもありましたけど、リリーフ陣がいい仕事をしてくれたので嫌な気持ちを消してくれました」
野村監督が示した「ギアチェンジ」というキーワード。
それまで5試合に先発し防御率はリーグ3位の1.89。全ての登板で6回自責点3以内のクオリティ・スタートを果たすなど、前評判を裏切らないパフォーマンスを披露してきたゴールデンルーキーは、この試合を「良くも悪くもなく」と総括した。
勝利投手になったことを踏まえれば、最低限の投球ではある。だが、首脳陣はそれでは決して納得してくれないのだ。
「先発を任せている以上、プロでのキャリアは関係ない」と言わんばかりに、試合後の野村謙二郎監督の表情は厳しかった。
「あそこまで打たれるとは思わなかったけど、6回は完全に(球種を)狙われていたね。隙が出たのかもしれないけど、それはよくないこと。あそこはギアチェンジしないといけないところだったかな。もう少し、大地が粘って投げてくれないと困る」
指揮官のコメントには、今の大瀬良の課題とも受け取れるキーワードが含まれていた。
ギアチェンジ――。
これこそ、今後、大瀬良がひと皮むけるために必要な技術になるかもしれないのだ。
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