2014J1リーグ第13節徳島ヴォルティスvsFC東京@ポカスタ20140510
ゴールデンウイーク5連戦の最終戦は、ゴールデンウイーク明け最初の週末でございます。
行きがけのJALのフライトで、サプライズがありました。先行の便で青赤サポに向けた機内アナウンスがあって盛り上がっていたって聞いて、自分の便はどうかなって思ってたら、到着前にCAさんの粋なアナウンスがありました。JAL1433便のCAさん。「サポーターの皆様の熱い声援が届き、チームの勝利に結びつきますことを心よりお祈りいたします」。
J1の舞台に初登場。阿波徳島にやってまいりました。海を越えるので遥々感がありますけど、飛行機ならわが実家岡山とほとんど変わりません。
といいつつ、2011年に来てないので、徳島は子どもの頃以来。てか、当時の記憶ゼロなので、実質初上陸です。お邪魔します。
鳴門に来ました。100円商店街ってお祭りやってました。
事務椅子レースw。カマタマーレサポさんチームが出場してました。
なるちゃん。
スタジアムまで徒歩30分弱なんですけど、ちょうど鳴門駅前にコミュニティバスが来てたので乗りました。運動公園バス停まで10分もかかりません。200円。他にお客さんいなくて貸切でした。ドライバーさんとサッカー談義しました。
「今年サッカー盛り上がってますか?」
「まぁJ1やからね。でも勝てんといけんねー」
「ですかw。有名なチームが来るから楽しみでしょ?」
「そやねー。日本を代表する選手が見れるけんね。徳島にはなかなかね、おらんからね」
「徳島にもそういう選手が出るといいですね。とくに地元出身で」
「せやねー。そういうようになって欲しいですわ」
「あ、でも柿谷いたじゃないですか」
「ちょっとね。でも、やっぱり柿谷おるとおらんでは全然違うわ。柿谷おる時は、ぜーっと勝っとったからね」
「やっぱそうすか」
「今年はいい経験をしとる思います。やっぱりJ1を知ると知らんでは将来が違う思うし、選手のモチベーションにもなるんやないかな?。今年の残留はあかん思うけど、J1がわかったから、それを目標に、今度はちゃんと残留できるようなチームになればええんやと思います」
「なるほど」
「いまFC東京さん、調子よくないねー。3連敗やったっけ?」
「よくご存知で(^^;;」
「FC東京みたいな日本を代表するチームがそういうことではあかんで。しっかりせな」
「はい(^^;;。がんばります」
「でもまあ、ヴォルティスが昇格して、良いこともあるんちゃう?。こういうことでもないと徳島に来ることないやろ?」
「いやいや。でもまぁそうっすねー。自分は岡山出身なんす。だから徳島は割と馴染みが」
「そうかな。それじゃあ東京やのーてファジ応援せなあかんやん」
「う(^^;;。心で応援してます」
「あははは。それじゃあ、楽しんで来てください」
「ありがとうございました」
J1初登場の徳島です。
ポカリスエットスタジアムは改装中です。
今日のカップを奪い取れ♪。
今日の第九♪。
ガッツリ守りにきた徳島相手にシュート22本を見舞いましたけど、脱力感漂うスコアレスドロー。
東京は河野がスターターに復帰してシフトを4-3-1-2に戻します。GKは権田。CBはモリゲとカズ。SBは徳永と宏介。3CHは右からヨネ、秀人、慶悟。トップ下に河野が戻り、2トップは相太と千真。河野の復帰が攻撃活性化のキーになると思っていたので、注目です。
徳島は初見です。シフトは5-3-2。ちょっと最近見た記憶がない特徴的なシフトです。予備知識がないのですけど、徳島の基本シフトなのでしょうか?。バックスは右から大崎、広太朗、福元、おっさん、リ・ヨンジ。3CHは右から小島、斉藤、濱田。2トップは高崎と一輝。もしかすると伸二さんとクラブは、ある程度今年は経験を積む年として割り切りしている部分があるのかもしれません。試合ごとに選手を入れ替えたり、若手を積極的に使ったりしているのは、そのためかもしれませんね。
互いに受動的なチームですけど、個人の技量が上回る東京が、自然にイニシアチブを握ります。ただ、徳島は意図して攻撃の主導権を東京に渡したので、オーガナイザーは東京とは限りません。試合の主旨はいきなり、徳島の堅城を東京がいかに攻略するかにポイントが絞られました。
徳島は5+3+2の3ラインを自陣にはり、東京が攻撃権を持つと文字通り引きこもります。まずゴール前の数的優位を常に保つこと。CB3人を並べます。サイドの局面もWBと左右のCBの2枚でケアします。バイタルエリア中央に斉藤を置き、ポストプレーの基点を消します。ここまでが守備布陣のセットです。
東京はサイドに基点を作ります。徳島はこれを見越した守備の作戦を用意していました。東京のビルドアップ時にSBにボールが渡ると、徳島は濱田と小島がそれを合図にプレスを仕掛けます。目的は二つ。東京に攻撃のリズムを作らせないことと、あわよくば高い位置でターンオーバーすること。左右のハーフがプレスを突破されることを想定して、WBが縦をケアし、斉藤が内を見ます。序盤の東京はまず、ここに手を焼きます。
序盤から徳島がサポーターにメッセージを送ります。今日のリトリートは守備しかしない宣言ではなく、東京相手に攻撃するための作戦ということです。攻撃パターンはサイドアタック。とくに左サイドにストロングポイントを置いていたと思います。徳島は右サイドに基点を作ります。攻撃になると大崎が高く位置取ります。大崎、小島、一輝が大きめのトライアングルを作り、パスを回しながら東京の守備陣形を動かします。大崎が縦に抜けられる状況ができれば、大崎を走らせパスを集め、クロスをゴール前に供給します。でもこれは主目的ではないと思います。本来は、右で作って左にスペースを生み、一気のサイドチェンジでヨンジを走らせてからのクロスに期待していたと思います。これは不発でした。肝心のヨンジが守備に追われ、攻撃への切り替えができません。
はじめの10分は互いに今日の戦いかたを披露する時間でした。やがて東京のワンサイドになります。東京はサイドにこだわります。河野が絡んでフォローすることで、徳島のプレスをかいくぐり、SBが縦に突破できるようになります。東京の両SBは1on1を征すクオリティがありますから、チャンスメークが増えます。クロスをゴール前に供給します。惜しむらくは、この時間帯に先制できなかったことです。
何度か惜しいシュートがありましたけど、枠に飛ばず決めきれません。次第に徳島のCB、とりわけ福元とおっさんがコンタクトを担当しましたけど、クロスのタイミングと相太、千真との間合いをつかんできたようです。
いまの東京の攻撃は、単調です。クロス一辺倒。これではせっかくトップ下を置いてもそのメリットを活かしきれません。今年の東京はショートカウンターを志向するチームです。縦に速い流れを作り、トップ下はつなぎ役に加わるとともにセカンドアタッカーとしても貢献します。いまのようなクロスから一発ヘッドどかん作戦であれば、ゴール前にデカイアタッカーを並べたほうが合理的です。
偶然かもしれませんけど、4試合未勝利の相手は、浦和を除くと不調に苦しんでいました。リトリートする意味があるチームです。東京はイニシアチブを持たされても、現状ではクロス以外に攻撃の術がありません。この単調さが、元々守りの意識が高い相手守備陣にとっては、与し易さの要因になっているような気がします。
攻撃のバリエーション、とくに遅攻のメソッドをチームに植え付ける必要があります。ただそうすると守りかたも変えないといけないところが出てきます。ハーフのフォアチェックは不要だし、そもそも3CHである必要もありません。SBのポジションをもっと高くしないといけないし、ハーフの動きかたも変わります。いずれ、時間が必要ですから、辛抱の時期でしょう。
前節は8本のCKをゴールに結びつけることができませんでしたけど、今日は倍増しました。結果的に15本でノーゴール。残念感も倍増です。どうもCKのやり方も単調のように見えます。お団子になったり一列横に並んだり縦に並んだり。でも結局シュートの局面はスタンディングジャンプになっているような気がします。後方から飛び込んだり、スクリーンを使ったり、もう少し工夫が欲しいです。
東京が猛攻した前半でしたけど、その割りには期待感のある攻撃は少なく、前半はスコアレスのまま終了。
ヴォルタくんのバク転。徳島サポさんが「いっつもアウェイ側でやるんゃで。いつもは5回くらいやんねんけど、今日は時間がなかったんかな」って教えてくれました。2011年には来てないので、はじめて生で見てヴォルタくんの機敏さにびっくりしました。
先に伸二さんが動きました。後半頭からヨンジに代えてアレックスを投入します。これがはまります。守から攻の切り替えがうまくいかなかったヨンジに対し、アレックスは基本的に攻撃を志向しますから、左サイドのチャンスメークが増えます。徳永との1on1も辞さず、時に突破します。アレックスの優位性を感じ取り、アレックスにボールが預けられるようになります。これがチームに好循環を生みます。アレックス経由という攻撃ルートをひとつ見つけたことが、チームのコンセンサスとなります。一気に徳島は危険な香りがするチームになりました。
ミステルも動きます。この連戦ではついぞなかった相太を下げます。エドゥーを投入。そろそろエドゥーも長い時間出られるコンディションが戻ってきたのでしょうか。今日のエドゥーは動けてました。脳で描くイメージに体がついてきているんでしょう。パスを受けるときのエドゥーは、1度フェイクで相手をかわしてます。単にパワーだけじゃなく、身のこなしのテクニックもあります。ただエドゥーが孤軍奮闘してゴールできるほどには仕上がってないようです。試合に出てないので、周囲との連携はまだまだですね。
さらにミステルが動きます。徳永に代えて陸を投入します。このサイドはアレックスにやられはじめていたので、対処の意味もあったと思いますけど、経験を積ませているところもあるんでしょう。今日の陸は良くなかったです。アレックスとの一発目の1on1であっさりボールを奪われ、以降流れをつかもうともがいた印象です。チームの流れを変える期待を負って入った矢先のワンプレーの失敗が、チームに与える影響は大きいと思います。いい経験になったでしょう。
陸が不発だったので、ミステルが動かざるを得ません。河野に代えてよっちを投入。攻め手はゴール前のパワー勝負だけになってきたので、河野がフィニッシュで活きるシーンがほとんど無くなりました。コンディションの問題もあったと思います。
伸二さんの打ち手はコンサバティブでした。小島に代えて宮崎を投入。同ポジションに入ります。小島は前半から積極的に動き回っていたのでコンディションを考慮したのでしょう。
ところがここで試合の様相が変わります。後半30分を過ぎると東京の前線と中盤が間延びして、徳島が中盤でボールを奪えるようになります。徳島がようやくイニシアチブを握ります。攻撃が活性化します。試合をトータルでみたら、徳島がオーガナイズしていたと言えるでしょう。
この流れを受け。濱田が高い位置を取って前線で基点になります。これが機能し、徳島の攻撃がいっそうスムーズになります。高崎と権田の1on1などもあり、徳島サポのボルテージは上がります。
伸二さんの最後の仕掛けは積極的でした。高崎に代えてドゥグラスを投入。勝ち点3に向け、色気を出してきました。
東京はもはや打ち手がなく、それでも再三訪れるセットプレーのチャンスしか活路はありません。徳島に流れが傾きましたけど、押し切るだけのパワーは、やはりまだ徳島にはありませんでした。スコアレスのまま試合終了。
脱力感の漂う試合でした。相手が1勝11敗3得点32失点の最下位徳島だからということもありますし、22本のシュートと15本のCKがあったにも関わらずノーゴールということもあります。それにも増して、マリノス戦を入れて5試合連続単調な試合で、見るのが精神的に来るってことも大きいです。
それでも、やるべきことはひとつ。シュートに至る攻撃プロセスを作ること。ミステルがやりたいサッカーができるまで時間がかかることは最初から覚悟してましたけど、いっ時の連勝で浮かれてしまいました。もう一度堪忍袋を締め直します。
まだ時間がかかると思います。面白くて強いサッカーが見られるようになるまで、もうちょっと待ちましょう。
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