中国漁船が韓国領海で不法操業　海洋警察、沈没事故で手が回らず

　韓国南西部、珍島沖の旅客船セウォル号沈没事故の処理に追われる韓国の海洋警察が最近、領海に押し寄せ、不法操業する中国漁船団に手を焼いていると、１１日付の朝鮮日報電子版などが報じた。

　朝鮮日報によれば、仁川海洋警察署が管轄する延坪島付近では中国漁船が約１００隻で、違法操業をしているという。８日朝には、黒山島の北西沖で、群山海洋警察署の巡視船が、中国国旗がはためく漁船団３０～４０隻を確認している。底引き網漁でマダイ、マナガツオ、ワタリガニなどが根こそぎ取られたとみられる。

　例年のこの時期は、領海侵犯で木浦海洋警察署に拿捕（だほ）される中国漁船が平均で５、６隻あるというが、今年はまだ検挙できていない。沈没事故で、管轄する木浦署の警備艇２０隻が全て事故現場に投入されており、不法操業船の取り締まりに手が回らないためだという。

　ただ一方で、沈没事故後、韓国国内で政府への不信感が高まっている背景から、「不法漁がクローズアップされたのは、怒りの矛先を変える狙いがあるのではないか」という声も上がっている。