法律:電気工事士法によると、第二種電気工事士の施工できる工事の範囲は「一般用電気工作物にかかわる電気工事の作業」とされています。
具体的な工事内容としては電気工事士法施工規則のなかで下記のように列挙されています。
- 電線相互を接続する作業(電気さくの電線を接続するものを除く。)
- がいしに電線(電気さくの電線及びそれに接続する電線を除く。)を取り付け、又はこれを取り外す作業
- 電線を直接造営材その他の物件(がいしを除く。)に取り付け、又はこれを取り外す作業
- 電線管、線樋、ダクトその他これらに類する物に電線を収める作業
- 配線器具を造営材その他の物件に取り付け、若しくはこれを取り外し、又はこれに電線を接続する作業(露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く。)
- 電線管を曲げ、若しくはねじ切りし、又は電線管相互若しくは電線管とボックスその他の附属品とを接続する作業
- 金属製のボックスを造営材その他の物件に取り付け、又はこれを取り外す作業
- 電線、電線管、線樋、ダクトその他これらに類する物が造営材を貫通する部分に金属製の防護装置を取り付け、又はこれを取り外す作業
- 金属製の電線管、線樋、ダクトその他これらに類する物又はこれらの附属品を、建造物のメタルラス張り、ワイヤラス張り又は金属板張りの部分に取り付け、又はこれらを取り外す作業
- 配電盤を造営材に取り付け、又はこれを取り外す作業
- 電圧六百ボルトを超えて使用する電気機器(電気さく用電源装置を除く。)に電線を接続する作業
- 接地線を一般用電気工作物(電圧六百ボルト以下で使用する電気機器を除く。)に取り付け、若しくはこれを取り外し、接地線相互若しくは接地線と接地極とを接続し、又は接地極を地面に埋設する作業
たくさんの項目がありますが、一つずつ見ていきましょう。
あくまで簡単にザックリと紹介しますが、目を通していただければ、第二種電気工事士資格を取得することによって施工できる工事の概要をつかむことができると思います。
電線相互を接続する作業
IV線をはじめとした電線同士などを相互接続することができます。
例えばリングスリーブや差し込み式のコネクタなどでの接続などがありますね。
がいしに電線を取り付け、又はこれを取り外す作業
「がいし」というのは、電線と支持物を絶縁するために使用する器具です。
(その多くは磁器製です)
電柱などを見ていると、白い磁器製のデコボコした物体があると思うんですけど、あれが「がいし」で、電柱以外にも建物などでも使われることがあります。
そのがいしに電線を取り付けたり、取り外しをしたりすることができます。
電線を直接造営材その他の物件に取り付け、又はこれを取り外す作業
これは露出配線を想像してもらえばいいと思います。
例えば、壁や柱などにサドルやステップルを使って電線を配線する作業がこれにあたります。
電線管、線樋、ダクトその他これらに類する物に電線を収める作業
配管に配線することができるということです。
電線管・ダクトはご存知ですかね?
線樋というのは「せんぴ」と読み、小型のダクトのことを言います。
ちなみに幅が5cm未満なら「線樋」で、5cm以上なら「ダクト」と名前が変わりますが、どちらも似たようなものだと思ってください。
そこに配線することができるということです。
配線器具を造営材その他の物件に取り付け、若しくはこれを取り外し、又はこれに電線を接続する作業
ここでいう「配線器具」とはスイッチとかコンセントをさします。
電線を配線して、埋め込み型や露出型のコンセントボックスなどを設置して接続することができるということです。
電線管を曲げ、若しくはねじ切りし、又は電線管相互若しくは電線管とボックスその他の附属品とを接続する作業
配管を曲げたり切ったりして、又ボックス等を接続することができます。
実際の第二種電気工事士の試験(実技)でも、配管を曲げる作業は出ませんが、ボックスに配管を接続してケーブルを通す問題も出題されることがあります。
金属製のボックスを造営材その他の物件に取り付け、又はこれを取り外す作業
金属製の露出型もしくは埋め込み型ボックスを取り付け、取り外しをすることができます。
電線、電線管、線樋、ダクトその他これらに類する物が造営材を貫通する部分に金属製の防護装置を取り付け、又はこれを取り外す作業
金属製の防護装置というのは、金属管などのことです。
それを取り付け、取り外しの作業を行います。
金属製の電線管、線樋、ダクトその他これらに類する物又はこれらの附属品を、建造物のメタルラス張り、ワイヤラス張り又は金属板張りの部分に取り付け、又はこれらを取り外す作業
メタルラスやワイヤラスは主に、壁などにモルタルを塗るときに付着性を高めるために使われるメッシュ状のもので、メタルラスは金属製の板に切れ目が入っていて、引っ張って編み状にしたもので、ワイヤラスは鉄線を編みこんで作ったものです。
そのメタルラスやワイヤラスは当然のことながら電気を通す素材ですので、電線や鉄管を通過させる・取り付けるといった場合には絶縁性を保持した工法で作業しなければなりません。
電気工事士ではその作業を行うことができます。
配電盤を造営材に取り付け、又はこれを取り外す作業
一般的に受電点にある盤が配電盤と言われます。
(分電盤は分岐点に使われる盤です)
その配電盤を取り付けることができるということです。
電圧六百ボルトを超えて使用する電気機器に電線を接続する作業
例外はありますが電圧六百ボルトを超えて使用する電気機器に電線を接続することができます。
「接続」ね
接地線を一般用電気工作物に取り付け、若しくはこれを取り外し、接地線相互若しくは接地線と接地極とを接続し、又は接地極を地面に埋設する作業
アース線を取り扱う工事ができます。
アースをコンセントボックスにとりつけたり、アース線同士の接続、またアース棒を地面に打ち込んだりする作業をすることができます。
最後に・・・
意外に第二種電気工事士が行うことができる電気工事の工事内容は多いものです。
電気工事というと、まず配線などが頭に思い浮かぶと思いますけど、実は様々な作業内容があるということです。
また有資格者が自分の区分に見合った工事に従事し、安全性を順守することによって安定した電気の恩恵を受けることができるということも忘れてはいけませんね。
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