沢伸也、月舘彩子
2014年5月11日09時24分
厚生労働省が毎年、診療報酬を不適切に請求した疑いがあるとして調査対象に選んでいる全国約8千の医療機関のうち、実際には半数程度しか調査せず、残りは放置していることが朝日新聞の調べで分かった。大阪府など調査実施率が1~2割にとどまる府県もある。年40兆円超の税や保険料などが投入される医療費について、行政のチェックは極めてずさんだ。
日本の診療報酬制度は複雑で、不正の発見が難しいと言われる。刑事事件で立件されることもほとんどなく、実態は不透明だ。
厚労省は全国8カ所の厚生局を通じて①不正請求の情報がある②前年に指導したが、改善が認められない③患者1人あたりの診療報酬請求書が高額で過剰診療の可能性がある――などの基準をもとに不適切な請求をした疑いのある医療機関を抽出。作業が膨大になるため、疑いが高い順に全医療機関の4%にあたる約8千機関を毎年、調査対象に選んでいる。
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朝日新聞社会部
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