安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が首相に提出する報告書の内容が明らかになった。この報告書の中核部分であり、政府に集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更については、実際の行使にあたっては六つの条件を設けるよう提言する。報告書は米艦船の防護やミサイルの迎撃といった集団的自衛権行使などが必要だとする10以上の具体的な事例も挙げる。

 安保法制懇の座長代理で、報告書の取りまとめ役の北岡伸一国際大学長が、報告書の内容を朝日新聞の取材に明らかにした。政府・与党は当初、報告書の提出を13日にする考えだったが、調整がつかず14日以降に先送りされる見通しだ。

 首相は報告書の内容を踏まえ、与党への検討事項をまとめた「政府方針」を来週中に示し、与党協議が始まる。首相と9日に会談した自民党の高村正彦副総裁によると、首相は報告書が提出された日に記者会見を開く予定という。