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himaginaryの日記

2014-05-10

経済学にパラダイムシフトは訪れるのか?

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ジャスティン・フォックスが、経済学における新たなパラダイムを訴えた本を紹介しつつ、パラダイムについて概ね以下のようなことを書いている(H/T クルーグマン)。

  • クーンのパラダイムとは、前提の集合。そのパラダイムのお蔭で、基礎的な部分の議論で時間を無駄にすることなく、問題の解決に取り組むことができる。ただし、科学的前提は現実を完全に反映したものではないため、パラダイムに矛盾する証拠が積み上がった時、科学はパラダイムシフトという苦しい過程を経ることになる。

クルーグマンは、経済学における最大化と均衡はあくまでも第一次近似であり、それに実証結果を反映する形でアドホック的に様々な修正を加えていくのが通常の手法である、と述べている。それは何世代も続いてきた手法なので、パラダイムとして新しいとは言えない、と彼は言う。そして、すべてを最大化と均衡で説明しようとする試みの方がむしろ新たなパラダイムだったが、それは失敗した、と指摘している。真に新たなパラダイムは未だ姿が見えない、というのが彼の認識である。

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