北朝鮮、オバマ大統領に「黒いサル」挑発に米激怒

2014年5月10日6時0分  スポーツ報知

 北朝鮮最大の国営メディア、朝鮮中央通信が、オバマ米大統領を「卑劣な黒いサル」などと人種差別的な表現で批判する記事を配信し、米国務長官のハーフ副報道官が8日、「最低だ」と強く非難した。記事は2日に朝鮮語版のみでアップされた。英語版や日本語版などでは閲覧できないため、発覚が遅くなったようだ。

 これが本当に国営メディアの記事なのか、と目を疑うような内容だ。題して「世界で一人しかいない不良、オバマに天罰を!」。市民や軍関係者らの署名入りで、罵詈(ばり)雑言の声を集めた体裁になっている。

 書き出しは「オバマを見ていると吐き気を催し、はらわたが煮えくりかえる」。さらに「浅黒いツラに腫れぼったい唇…。アフリカの原生林に生息するサルの顔そのものだ」「人類は進化しているのにサルのまま」「人間の基本的な外見すらない」など政府公認のヘイトスピーチで、オバマ氏をののしっている。

 オバマ氏が4月下旬に日本、韓国などアジア4か国を歴訪したことが、北朝鮮を刺激しているとみられ、非難の矛先はオバマ氏と同調する韓国の朴槿恵大統領に向けられている。記事は「我々は獣にも劣るお前らを人間の世界から永遠に投げ飛ばしてやる。地球の外へ追い出すぞ!」と威勢よく締めくくっている。

 ハーフ副報道官は記者会見で「侮辱的で、常軌を逸している。ばかげている。どんな言葉を使っても表現しきれない(ほどひどい記事)」と憤慨。北朝鮮市民の生活が困窮している実情を指摘し「注力すべきことは自国民の生活向上だ」と批判した。

 米メディアによると、国家安全保障会議(NSC)のヘイデン報道官も「非常に醜悪で無礼」と北朝鮮を非難する声明を発表した。米朝関係の一層の悪化につながりかねない。

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