謙さん感激!「GODZILLA」ワールドプレミアで米国初見参
【ロサンゼルス8日(日本時間9日)=安室朝雄】俳優の渡辺謙(54)が出演する「ゴジラ」のハリウッド版「GODZILLA」(ギャレス・エドワーズ監督、7月25日公開)のワールドプレミアが8日、当地のドルビーシアター(旧コダックシアター)で行われた。体長108メートルという史上最大のゴジラの全貌が明らかになり、渡辺は「ゴジラには国境はない。世界中に愛されていると実感した」と興奮しきりだった。
アカデミー賞の授賞式でおなじみのドルビーシアターにGODZILLAが“上陸”した。上映開始から約1時間、ハワイの海からついにその姿を見せると、会場は歓声と拍手に包まれた。好リアクションに、渡辺は「僕も興奮した」と声を弾ませた。
04年公開の「ゴジラ FINAL WARS」以来、10年ぶりの新作は、昨年3月に製作が発表されたが、詳細はベールに包まれていた。54年公開の第1作「ゴジラ」の体長が約50メートルだったのに対し、今作は倍以上の約108メートル。史上最大のゴジラが最新のCG技術を使って暴れ回る姿は迫力満点だ。
98年に「GODZILLA」のタイトルで公開されたハリウッド版は、日本のゴジラよりも恐竜に近い外見で描かれ、賛否両論あった。今作はゴジラの生みの親である「東宝」が造形をチェック。オリジナルのイメージを損ねない姿で描かれた。咆哮(ほうこう)はもちろん、口から放射熱線も吐く。新たな巨大生命体も登場し、原発崩壊など社会的なメッセージも盛り込まれた。
劇場前のハリウッド大通りには、ゴジラをイメージしたという約120メートルの“ブラックカーペット”が敷かれた。主要キャストの科学者を演じる渡辺は、妻で女優の南果歩(50)を伴って登場。ハリウッド作品は8作目とあって、ワールドプレミアも慣れたもの。世界各国のメディアの取材に堂々と英語で応じ、「楽天戦の始球式(4月5日)に比べたら緊張しなかったね」と笑わせた。撮影中、英語の発音の「ガッジーラ」ではなく「ゴジラ」にこだわり、監督に直訴したというエピソードを披露した。
米国では5月16日に3800スクリーン以上で封切られ、世界の63の国と地域で公開が決まっている。「ゴジラには国境も国籍もない。世界中に愛されているんだと実感した。この仕事に参加してよかった」と大きな手応えをつかんでいた。
◆映画「ゴジラ」 第1弾は54年に公開。主演は宝田明(80)。同年に発生した第五福竜丸事件にヒントを得た。「ゴジラ」は水爆実験により出現したとされている。日本では28作、海外版は2作目。今回の主演はアーロン・テイラー=ジョンソン(23)。04年にはハリウッドの「Walk of Fame」に「GODZILLA」の名前が刻まれた。名前の由来はゴリラと鯨を合わせたものといわれている。