2014年5月 9日 (金)

「どうする!公共放送の危機」6.21関西集会

NHK問題を考える会(兵庫)  HPより (http://nhkwatchers.web.fc2.com/
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皆さま
 関西の大阪・京都・兵庫の視聴者団体と放送を語る会、ジャーナリスト会議関西支部によるNHK問題を討論する関西集会を下記ビラの通り企画しました。
 安倍首相が送り込んだ経営委員とNHK会長によって公共放送NHKの国策放送化が進んでいます。  
 籾井会長は「慰安婦問題はどこの国にもあった」「政府が右と言うものを左とは言えない」などど発言し、「権力を監視する使命を持つジャ―ナリズム」の見識がなくNHKの番組制作のトップにふさわしく ないことがわかりました。
6月21日、大阪中之島公会堂でのメディアを考えるつどいにぜひ、お越し下さい。


「どうする!公共放送の危機」6・21関西集会実行委員会-----------------------------------------
NHK支配をたくらむ安倍政権
日本をアメリカと共に戦争できる国をめざす安倍政権は、NHKを支配し国策宣伝の放送局にしようとしています。最高意思決定機関である経営委員会に側近の4人を送り込み、番組に影響を与えるNHK会長に財界出身の籾井氏を選任させました。NHKのニュース報道は安倍政権の悪政に追随し、美化する役割を果たしています。

籾井会長、百田、長谷川氏の罷免を求める理由
●籾井会長は「政府が右ということを左と言えない」「慰安婦はどこの国にもあった」などと発言。放送の自主・自立、・ジャーナリズムの役割に対する無知と暴言。「放送法」に違反。
●百田経営委員は「憲法を変えて軍隊を作れ!」都知事選応援で他候補を「人間のクズ」などと発言。長谷川経営委員は報道機関を威嚇した右翼幹部を礼讃。「安倍首相の応援団長です」と市民集会で公言。二人の言動は公平・公正、不偏不党を定めた「放送法」と「経営委員服務準則」に違反。

「どうする!公共放送の危機」6・21関西集会実行委員会
実行委員長  隅井孝雄(日本ジャーナリスト会議代表委員・ノートルダム女子大学客員教授)
◆NHK問題大阪連絡会
◆NHK問題京都連絡会
◆NHK問題を考える会(兵庫)
◆放送を語る会(大阪)
◆日本ジャーナリスト会議関西支部
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6.21関西集会のお知らせビラ→ダウンロード
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H125
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2014年5月 8日 (木)

籾井会長の辞任を求める受信料凍結呼びかけチラシ

籾井会長の辞任を求める受信料凍結呼びかけチラシが出来上がりました。 宣伝にご活用ください。

Pdficonsmall11 No1籾井リコールチラシ→ダウンロード

Pdficonsmall11_2 No2籾井リコールチラシ→ダウンロード
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No1籾井リコールチラシ
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No2籾井リコールチラシ
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2014年5月 1日 (木)

籾井勝人氏のNHK会長辞任を停止条件として本日より受信料支払い凍結運動を開始しました。受信料支払い凍結の手続きについてのQ&Aを御覧ください。

本日、NHK視聴者部に問い合わせ、会長秘書室に確かめてもらったところ、籾井勝 人氏は今現在もNHK会長職にとどまっているとのことでした。そこで当会は、ただちに下記の受信料凍結運動開始の通知文をNHKに送付し、籾井勝人氏の NHK会長辞任を停止条件として本日より受信料支払い凍結運動を開始しました。具体的行動は下記の受信料支払い凍結の手続き:Q&Aを参考にしてください。
(Q&AのURL=http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/nhk-933f.html#qa
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                                                                             2014年5月1日
NHK経営委員会 御中
NHK会長 籾井勝人様
NHK副会長 堂本 光様
NHK理事 各位
                                                 ご通知
         籾井勝人氏のNHK会長辞任を停止条件として
         本日より受信料支払い凍結運動を開始しました
                NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                   共同代表 湯山哲守・醍醐 聰 

  去る4月21日、当会は貴委員会ならびに貴職宛に、4月末日までに、経営委員会が籾井勝人氏をNHK会長から罷免するか、籾井氏が自ら会長職辞任を決断さ れるよう申し入れをし、期日までにこの申し入れが受け入れられない場合は、受信料の支払いを向う半年間、凍結する運動を起こすことをご通知しました。
 しかし、本日、NHK視聴者部に問い合わせたところ、4月末日に至っても、籾井氏がなおNHK会長職にとどまっておられることを確認しました。
  4月21日以降も、籾井会長は2人の専務理事に辞任を求めたものの拒否されたと報道されたり、本年度の新人入局式で、会長を罷免させる手続きを定めた放送 法の条項は読まなくてもよいという趣旨の発言をされ、その真意を経営委員会で質されたりするといった異常な事態が続いています。

 会長就 任会見での数々の暴言以来、収まる気配がない籾井氏のNHK会長としてあるまじき言動を見るにつけ、いまや籾井氏が会長職にとどまられること自体が、 NHKにとって害あって益なしになっていると言って過言でありません。そのため、当会と同様に、受信料の支払いを一時凍結してでも、籾井氏がNHK会長職 を一刻も早く辞されるよう望む声がNHK内外で急速に広がっています。
 こうした声に連携し、それをさらに広めるために、当会は、先に予告させていただいたとおり、本日(2014年5月1日)から、受信料の支払いを凍結する運動を開始するとともに、この運動への参加を視聴者各位に呼びかけることにしたことをご通知いたします。

  この運動は、先に予告しましたとおり、期間を半年と定めた運動ですが(かりに半年後に至っても籾井氏が会長職にとどまっておられる場合、凍結をさらに続け るかどうかは参加者の判断に委ねることとしています)、今後、半年を待たず、籾井氏が会長職を辞される場合は、その時点で凍結分も含め、受信料の支払いを 再開することにしています。
 もとより、私たちは、視聴者の受信料で運営財源を支えられていることがNHKにとって政治権力や商業的圧力から自立 した公正公平な放送を行うための強固な基盤になっていることを十分承知しています。そのため、現在の受信料制度を大枠として堅持することを支持しており、 当会が提起する受信料支払い凍結運動は、「受信料不払い」運動とは明確に一線を画するものです。

 しかし、視聴者がNHKと結ぶ受信契約 は税金のような片務性の公契約ではなく、視聴者とNHKの相互の信頼関係の上に成り立つ双務契約です。この点で、「政府が右といったら左とは言えない」な どと公共放送の自立性を端から理解しない籾井氏が会長職に居座り続けたのでは、視聴者は、NHKが公共放送にふさわしい自主自律の放送を提供するという信 頼を保てません。このような場合、籾井氏が会長を辞任されることが、視聴者からの信頼を回復するのに必要な最低限の措置であり、そのような措置が講じられ るまで視聴者が受信料支払い義務の履行を停止する抗弁の権利を行使するのは条理にかなったことです。

 また、オバマ大統領も先日、従軍慰 安婦は女性の人権をはなはだしく侵害するものだと発言しました。そうした従軍慰安婦を「どこの国にもあったこと」などと平然と発言した籾井氏は公共放送の 会長として失格です。そのような人物に私たち視聴者が支払う受信料から年額3,092万円もの報酬が支払われることをとうてい、納得できません。
  経営委員会ならびに籾井会長におかれましては、こうした多くの視聴者の意思を代弁する当会の受信料凍結運動の趣旨を重く受けとめていただき、籾井氏の会長 罷免または自主的な辞職を一日も早く、決断されるよう、強く要望いたします。                        以上

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                           2014年5月
受信料支払い凍結の手続きについて:Q&A
            NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ・運営委員会
  当会が呼びかけた受信料支払い凍結(4月末日までに籾井氏が会長を辞めない時)の具体的な手順について、会の内外から問い合わせをいただきました。そこ で、当会としての考え方を以下のとおり、お知らせいたします。これをご参照いただき、凍結運動に多数の皆様のご参加を期待するものです。

Q1. 預金口座からの引き落としを止めて受信料の支払いを凍結する方法を教えて下さい。
A1. 3つのステップに分けて説明します。
STEP 1 銀行の窓口で受信料の口座引き落としを停止したいと伝えます。(この先の手続きは行員が説明してくれますので、それにしたがって手続きを済ませます。)
STEP 2 次のいずれかの方法で 「籾井会長が罷免されるか、自ら辞職するまでは当面、半年間、受信料の支払いを凍結する」と通知します。あわせて、なぜ凍結するのか、皆様それぞれのお考えをぜひとも伝えて下さい。
(1)電話で:NHKふれあいセンターの「受信契約問い合わせ先」(☎0570-077-077)へ
(2)FAXで:03-5453-4000へ
(3)E・メールで:https://cgi2.nhk.or.jp/css/mailform/mail_form.cgi
(4)手紙で:〒150—8001 NHK放送センター 「受信料」係
      (住所の記入は不要です。)
STEP 3 (銀行から口座引き落とし停止の連絡を受けたNHKから)「放送受信料払込用紙在中」という封書が届きます。開くと「放送受信料振込取扱票」が同封されています。受信料を凍結しようという方は、これを使わず手元に留めておきます。
Q2. 4月末までに籾井氏が会長を辞めなかったら、当面、5月以降半年間、受信料を凍結しようと呼びかけがされています。しかし、私は今年の2月に向う1年分の受信料を支払いました。私は今回の受信料凍結運動に参加できないのでしょうか?       
A2. 4月末までに籾井氏が会長を辞めなかったら、ひとまず、受信料の 口座引き落としを解約して下さい。その上で、NHKに電話して(0570—077—077)、「口座引き落としを止めました。来年2月になっても籾井さん が会長にとどまっていたら、払込用紙が届いても受信料の支払いを凍結します」と通知して下さい。
このような形で、あなたも受信料凍結運動に参加していただけます。
Q3. 受信料を凍結すると伝えた時、NHKから、「受信契約を締結している皆様は受信料をお支払いいただく義務があります。凍結はやめてください」と言われたら、どう答えればよいのですか?
A3. 応答例を2つ挙げておきます
(例1) 「受信料の支払いは税金と違って視聴者の一方的な義務ではありません。受信契約は視聴者とNHKの相互の信頼関係の上に成り立つ双務契約です。『政府が右 という時、NHKは左とは言えない』などと言った籾井さんが会長に居座っているかぎり、NHKが政治から自立した公正公平な放送をすると信頼できませんか ら、視聴者はそういう籾井さんが会長を辞めるまで受信料の支払いを凍結する抗弁の権利があります。
籾井さんが会長を辞め、政府が右と言おうが左と言おうが、NHKは自主自律の放送を貫くという信頼が取り戻せたら、凍結した分も含めて受信料の支払いを再開します。」
(例2) 「オバマ大統領も従軍慰安婦は女性の人権を侵害するものだと発言しました。そんな従軍慰安婦を『どこの国にもあったこと』などと平然と発言した籾井さんは 公共放送の会長として失格です。そんなNHK会長に受信料から年額3,092万円もの報酬が支払われるなんて、とても納得できません。
今すぐ、籾井さんに会長を辞めてもらうよう、抗議のつもりで向う半年間、受信料を凍結します。籾井さんが会長を辞めたら、その時から、凍結した分も含めて受信料の支払いを再開します。」
Q4. 受信料を6ヶ月間、滞納しても延滞利息を取られないというのは本当ですか?
A4. 正確にいうと、「放送受信契約者が放送受信料の支払いを3期分以上延滞したときは・・・・、1期あたり2.0%の割合で計算した延滞利息を支払わなくては ならない」(受信規約第12条の2)ということです。ですから、月数で言いますと、滞納が5ヶ月(3期)以上になると延滞利息が生じることになります。こ の点、これまでの説明が不正確だったことをおわびします。 
しかし、NHKに確かめると、現在、3期(5ヶ月分)以上滞納しても延滞利息は請求していないとのことです。ですから、実際上は、延滞利息のことを気にする必要はありません。
Q5. 私はケーブルテレビに加入し、NHK受信料も一緒に口座引き落としで支払っています。この場合、受信料を凍結することはできるのでしょうか? できるとした ら、どういう手続きになるのでしょうか?
A5. お尋ねのような方も、次の手順でNHKの受信料を凍結することができます。
(1) 加入されているケーブルテレビに電話して、名前と住所を告げ、「NHKの団体一括」を解約したいと伝えます。
(2) NHK へはケーブルテレビから連絡がされます。(加入者からNHKに通知する必要はありませんが、前記のA1を参照いただき、口座引き落としを解約したこととそ の理由をNHKに通知して下さい。)
(3) しばらくすると、NHKから「放送受信料払込用紙在中」という封書が届きます。開くと「放送受信料振込取扱票」が同封されています。受信料を凍結する間はこ れを使わず手元に留めておきます。(以上は通常の口座引き落としを停止する場合と同じです。)
(4) ただし、ケーブルテレビの団体一括を解約すると、受信料が多少、増えます。
      (事例)あるケーブルテレビでNHK受信料を年払いしている場合
              団体一括の時:    22,920円
              団体一括を解約した時 24,770円
(5) 念のため、加入されているケーブルテレビに団体一括の解約について直接確認してください。
                  以上
   (注)今後、皆様からいただいた質問・疑問に応じて、このQ&Aを増補・改訂していく予定です。

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2014年4月23日 (水)

第四次署名提出と”受信料支払い凍結運動の「ご通知」”をNHKに提出しました。

 4月21日 午後「籾井勝人NHK会長、百田尚樹、長谷川三千子両NHK経営委員の辞任・罷免を求める署名運動」推進7団体の代表はNHKを訪問し署名第4次集約分を提出しました。(署名簿6,669筆、ネット署名237筆、これまでの合計33,802筆)
参加したのは、VAWW RAC、JCJ、NHK問題を考える会(兵庫)、放送を語る会、視聴者コミュニティ

 その後、予定時間を超えて二団体(NHK問題を考える会(兵庫)、視聴者コミュニティ)の「受信料凍結についての通知」の説明を行い、他の団体は同席しオブザーブしました。
応対は、NHK視聴者部山本健一副部長、NHK経営委員会事務局菅沼明彦副部長。

≪署名提出に関する主なやりとり≫
●署名を送ってくる郵便には手紙やメモが同封されたものが多く、視聴者の怒りが現れている。署名を頼まれた人が自ら署名集めをすると言う運動の広がりが特徴で、受信料についても言及している。
この動きをリアルに受け止め、経営委員が間違いのない判断をするよう求める。
Q )13日放送、会長出演・謝罪の「とっておきサンデー」に対する視聴者の反響は?
検証する番組の予定は?
A)およそ270件、うち批判的なものが200件NHKに寄せられた。特別番組の予定は聞いていない。NHKへの籾井会長の言動に関する意見が4万件を超えた。受信料に関する意見は、いろいろ温度差はあるがそのうち30%だった。
Q )週刊新潮の記事(局内で迷子になったNHK「籾井会長」の危ない「まだらボケ」)についてのNHKの対応は?
A)検討中。どう対応するかは決まっていない。
Q )佐賀での「経営委員と語る会」での批判意見が多かったとの報道だが件数は?
A)データとしてまとめてない。
Q )石原委員がその佐賀の語る会の際、「会長は辞める必要ない」と発言したとの報道だが?
A)会場内での発言ではなく、会の後でのブラ下がり取材での発言と思う。
Q )経営委員会としては、委員長が二度も問題提起し、現在は「会長の言動を見守っている」状況と思うが、石原委員の発言は経営委員会認識と異なるのではないか?個々の委員が勝手に発言するのは、経営委員としての問題認識が薄いのではないか?
A)石原委員の発言が委員会の認識と異なるかどうか、許可があればお答えする。
Q )経営委員会の許可の有無を含めて返答を求める。
Q )先日の放送で会長は何を謝罪したのか?誤った個人的見解を変えていないのでは資質の問題であり辞めるべきだ。
Q )死亡した人の受信料を死亡後にも徴収した例の相談を受けた。返さないのか?
A)一般論としてどうしているか、調べて後日お知らせします。

  その後「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」の「ご通知 籾井勝人氏のNHK会長辞任を停止条件として受信料支払い凍結運動に踏み切ります」と 「NHK問題を考える会(兵庫)」の「NHK籾井会長の辞任を求める受信料凍結を会員・視聴者へよびかけることを決定しました。」の2つの文書を提出しました。
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                         2014年4月21日
NHK経営委員会 御中
NHK会長 籾井勝人様
NHK理事 各位
               ご通知
       籾井勝人氏のNHK会長辞任を停止条件として
         受信料支払い凍結運動に踏み切ります
            NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表
                       湯山哲守・醍醐 聰 

  籾井勝人氏のNHK会長就任会見での妄言、百田尚樹、長谷川三千子両氏のNHK経営委員としてあるまじき言動に対してNHKに多くの視聴者から抗議の声が 寄せられています。当会が他の6つの市民団体と共同で2月末から始めた3氏の罷免、辞任を求める署名も4月18日現在の集計で3万筆を超えました。また、 この間、当会には、「今のNHKには受信料を払う気になれない」、「口座の引き落としを止めたいがどうしたらよいか」という問い合わせが多数届いていま す。
 当会は3氏の罷免、辞任を求める署名運動に取り組むとともに、3氏が経営委員会や国会でどのような釈明・答弁をされるのか、それらに対する視聴者・世論の動向はどうか、などを慎重に見極めてきました。
 しかし、籾井氏は前例のない抗議の声も意に介さないかのように、「無理やり言わされた」、「不慣れだった」と釈明する一方、「どこか間違っていたでしょうか」と開き直る有様です。
ま た、籾井氏はご自身こそ辞表を提出すべき状況にありながら、会長就任早々、全理事から日付のない辞表を取りつけ、いまだにそれを理事に返却せず、会長の人 事権を盾に専決体制を敷こうとする態度を改めていません。そのうえで、個人としての見解と会長としての見解を整理しないまま発言したことは反省すると語ってきました。百田、長谷川両氏も問題にされた言動は経営委員の職務外のもので、個人としての言論の自由に属するものだという反論を繰り返しています。つまり、3氏は問題とされた一連の「個人的見解」それ自体を今もって撤回も改めもしていないのです。
 しかし、今回の一連の発言で問われているのは、 放送に携わる者の職責と定められた「健全な民主主義の発達に資するよう」(放送法第1条第3項)放送を規律するのに適した資質を3氏が備えていたのかどうかです。特に、「国際放送では政府が右というものを左というわけにはいかない」、「従軍慰安婦はどの国にもあった、それをいいとか悪いとかいう立場にはない」という個人的見解を持つ人物を敢えて NHKの会長に選任した経営委員会の判断の可否が問われているのです。

 当会はこれまで3度にわたって、他の市民団体と共同で、署名簿を添えて籾井氏ら3人の罷免、辞任を求める申し入れを籾井氏ご本人及びNHK経営委員会、さらには経営委員の任命権者である安倍首相に提出してきました。しかし、さる4月13日に放送された籾井会長の釈明会見でも、市民団体の申し入れを意に介さず、前例のない多くの視聴者からの批判も顧みず、棒読み同然の幕引き談話で会長職に居座り続けようとしています。私たちはこうした籾井氏の対応を放置するわけにはいきません。
  そこで、当会の運営委員会は約2か月にわたる慎重な協議を経て、以下のとおり、NHK経営委員会が籾井勝人氏をNHK会長から罷免するか、籾井氏が自ら辞任を決断するよう、再度の申し入れをし、この要望が受け入れられない場合は、受信料の支払いを向う半年間、凍結する運動を起こすことにしました。
籾井氏に絞って辞任を求めるのは、同氏が会長職にとどまると、当面する放送業務、人事編成などにおいて、会長の権限が濫用され、NHKは「ボルトとナットで 締め直され」て、公共放送にふさわしい理事会の民主的合議体制が機能しなくなる恐れがあるからです。それはNHKをいっそう混乱に陥れ、「民主主義の発達に資する」放送を提供すべきNHKがトップダウン型の専決組織に変質させられる危険性ともいえます。そこで、私たちは籾井氏に一刻も早く会長職から退いて いただくことを焦眉の課題と考え、以下の行動を提起することとしました。
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     「受信料支払い凍結運動」の要点
1.



2.
目的
「今のままでは受信料を払う気になれない」という多くの視聴者の意思を汲み上げ、 当面、籾井会長を辞任に追い込む。

支払い凍結運動の方法
①4月末日までに籾井氏が会長職を辞するよう再度、要求する。
②期日までに籾井氏が会長を辞任しない場合は、向う半年間、受信料の支払いを凍結する。(本年5月から10月の間に納期が来る受信料の口座引き落とし等を停止し、振り込み票による支払いも行わない。) 
③上記②を実行するにあたっては、凍結したことをNHKに通告するよう呼びかける。 
④半年経過するまでに籾井氏が会長を辞任した場合は、その時点で支払いの凍結を解除し、受信料の支払いを再開する。 
⑤半年が経過した時点で籾井氏がなお会長職にとどまっている場合は、凍結を継続するか解除するかは、凍結を始めた各視聴者の判断に委ねる。 
⑥どの時点で凍結を解除するにせよ、凍結分も含め、受信料を支払うものとする。

 当会は、NHKが国からの出資や助成、営利企業からの広告料に頼らず、視聴者の受信料で財源を賄う公共放送の体制を堅持することを強く支持することに変わりはありません。今回、提起する受信料支払い凍結運動は、このような立場を踏まえ、「受信料不払い」運動とは明確に一線を画するものであることを申し添えます。それは、上記の「支払い凍結運動の方法」の②、④~⑥で明確に示されています。
 と同時に、私たちは、視聴者がNHKと結ぶ受信契約は税金や国民健康保険料のような片務性の公契約ではなく、視聴者とNHKが相互に権利 と義務を分かち合う双務契約だという点を重視しています。過去、何度も受信料の支払い義務を法制化しようとする放送法改定法案が国会に上程されながら廃案 となったのは、NHKの人事、運営等に関して視聴者にまったくと言ってよいほど権利が与えられていない現在の受信契約の下で、支払い義務化によって今以上 に強い受信料徴収権をNHKに与えると、特権的・徴税的な意識がNHK内に生まれ、視聴者との相互信頼関係が損なわれるとの危惧があったからです(資料 ①②参照)。
 私たちは、受信料の支払いは視聴者の片務的な義務ではなく、NHKが放送法ならびにNHK放送ガイドライン等の定めに沿って、民主主義の発達に資する番組を国民に提供するという、視聴者とNHKの間の相互信頼関係の上に成り立つ義務であると理解しています(資料②③参照)。
  だとすれば、「政府が右といったら左とは言えない」などと公共放送の自立性を端から理解しない一方で、会長職の権限にはことのほか執着する人物がNHK会 長職に居座り続けたのでは、視聴者は、NHKが公共放送にふさわしい民主的な組織運営に徹し、自主自律の放送を提供する責務を誠実に履行するという信頼を 保てないと言わざるを得ません。
このような場合、視聴者は、NHKが公共放送の事業者にふさわしい信頼を回復するのに必要な措置を講じるまで ―――今回の場合は籾井会長が辞任するまで―――民法第533条で明記された「同時履行の抗弁権」を準用して、自己の義務の履行を停止する権利を行使できると考えるのが至当です。
ただし、この場合の視聴者の権利は「相手方〔ここではNHK〕の債権を絶対的に否認する抗弁権ではなく、相手方の債権の存在を認めるけれどもその行使を一時的に制限する延期的抗弁権である」(島谷部茂「同時履行の抗弁権」『法学教室』1999年12月、26ページ)ことを 私たちは十分理解しています。今回、私たちが「受信料支払い凍結運動」を籾井氏の会長辞任を停止条件として実施に踏み切ることにしたのも、支払い凍結を解 除する際には凍結分も含めて受信料を支払うものとしたのも、このような理解を前提にしているからです。
貴委員会ならびに貴職におかれましては、こうした当会の見地を十分ご理解の上、籾井氏の会長罷免または自主的な辞職を一日も早く、決断されるよう、強く要望いたします。                                                                                                                    以上
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【資料】
① 1980(昭和55)年4月9日、衆議院逓信委員会における武部文委員の質問(抜粋)
「武部委員 今度の義務制の問題あるいは料金値上げの問題等をめぐってマスコミに登場してきた国民の声を私なりにいろいろと調べてみました。それを見ますと、 放送の内容あるいは経営の姿勢、大体どこで選ばれるかわからない会長や経営委員などの組織が云々というような主張がありますね。これは事実であります。
  また、払わぬ一つの理屈として、現在のNHKは支持できない、それはNHKを見ないから払わぬのではなくて、NHKを見ておるから払わぬのだ、こういう奇妙な理屈がございました。それは、いま申し上げたような、放送の内容がどこで決まって、NHKを経営する経営委員なるものが一体だれで、どこでどういう方 法で選ばれたのか皆目わからぬということで、NHKの受信料を払わぬよ、こういう理屈になっておるようですね。そういう声があります。
 それから、支払い義務があるというならば、それに対応するところの視聴者側の権利を明確にしなければならぬはずだ、それはNHKの人事とか予算あるいは放送内容 について、視聴者側の権利を明確にする必要があるのではないかという意見が出ておるようであります。これももっともなことだと思うのです。たとえば、監査 の問題等をとってみてもそうですが、監査の決定権は視聴者が持つべきだ、自分たちが払っておるのだから自分たちの代表がそれを決定する権利を持つべきだと いう意見もあります。NHKの経営あるいは番組制作などについてチェックしていくためにも、現在の経営委員――自民党の皆さんの発言を見ますと、国民の声 の代表である経営委員に対してもっと発言権を持つべきだというような意見がきょうの新聞報道にございますが、この経営委員は視聴者の公選制にすべきではな いかという意見もあるようです。これは言うはやすくなかなかむずかしいことだと思うのです。二千八百万の視聴者から経営委員を公選制にしろと言ったって、 なかなかできっこないと思うのです。しかし、それはまた考えようによっては、各県ごとに視聴者会議というものもあるわけですから、そういうものを通じて推 薦を得た者を、たとえば中国本部あるいは近畿本部というものの中から選択をし、選び、そうしてできるだけ公選制に近いような形で経営委員を選ぶべきではな いかという意見が出てくるのは私は当然だと思います。
 ここに十二名の方の経歴の一覧表もございますし、今度また任期切れの方もあるようですけれ ども、確かにわれわれは、この人たちが果たしてNHKの放送についてどういう見識をお持ちだろう、どんな発言をせられただろうか、先般当委員会でも同僚委 員から発言もございましたけれども、皆目見当がつかぬ。一体どうして選ばれておるのだろうか、見たこともなければ聞いたこともないような人だということに なってくる。あるいはまた、この中には新聞界の方がいま二名、この次また一名予定されているようでありますが、この十二名の中に三人の全国大新聞の代表の 方が入られる、これは一体どういうこと、だろうか。いろいろな点についての疑問がある。したがって、公選制をやれという意見が出てくるのも私は当然だと思 うのですが、こういうことについてNHKはどういう見解をお持ちでしょうか。」
(「衆議院逓信委員会会議録」より)

② 河野弘矩「NHK受信契約」(遠藤浩・林良平・水本浩監修『現代契約法大系』第7巻、サービス・労務供給契約、1984年有斐閣、241ページ)
  「思うに、国民的支援にささえられた番組編成、経営基盤(財源)の自主独立性を堅持し、国民の総意に沿ったサービスの提供に努めうる諸環境を存続させるた めにも、NHKに完全な特権的、徴税的な心理を育成する方向には絶対に進むべきではなく、そのためにも、NHKと受信者が受信契約の締結という行為を介し て形成され、育成された相互信頼関係はその範囲で価値あるものであり、現行放送法32条は、それなりに評価に値する規定であるといえよう。」

③ 1999(平成11)年3月15日、衆議院逓信委員会における海老沢勝二NHK会長(当時)の発言(抜粋)
「海老沢参考人 この受信料の公正負担ということで、私ども日ごろいろいろな形で我々の公共放送の意義なり存在というものを御説明しているわけであります。そ ういう中で、私は、広告放送なりあるいはNHKが有料放送をやりますれば、根本的に放送のやり方が変わっていかざるを得ないだろうと思っております。
  先ほど申しましたように、やはり、イギリスにBBCというのがあります、これは受信料だけで広告放送をやらないでやっておりますが、イギリスの方は御承知 のように罰則規定がありますし、強制的に徴収される。それで、NHKは罰則規定、いわゆる公権力が働かなくて、NHKと国民との信頼に基づいて受信料をいただいているという全く世界に例のない理想的な公共放送であります。
 そういう面では、我々日本人は、私は、性善説をとっているというのですけれども、性善説の中で、国民の理解と信頼で成り立っているわけであります。この組織というものを私は大事にし、やはり、日本人の心の優しさといいますか、そ れを信じながらいい番組をつくっていくことが我々の使命だろうと思っております。そういう面で、私は、多メディア・多チャンネルになっても、NHKは受信 料を堅持し、これを我々はさらに発展させていくように努力するのが我々の使命だろうと思っております。」
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                         2014年4月21日
NHK経営委員会 御中
NHK会長 籾井勝人様           
NHK理事 各位                 
NHK神戸放送局 局長様                                       
                                                     NHK問題を考える会(兵庫)
                                 代表 貫名 初子

NHK籾井会長の辞任を求める受信料凍結を会員・視聴者へよびかけることを決定しました。

「NHK 問題を考える会(兵庫)」は、籾井NHK会長の就任後の会見から、その言動を注視してきました。公共放送に対する不見識と「『慰安婦』はどこの国にもあっ た」などという、偏った歴史認識の発言からもNHKのトップにふさわしくない人物ということが明らかになりました。
国内外の批判が沸き起こり日本の国際的信用と国益に大きな損失を与えたと思われますが、「お詫び会見」を見る限り、何が批判を受けているか理解されていないように思います。
私 たちは、籾井会長と百田・長谷川経営委員の辞任を求める署名運動を行っていますが、その訴えは多くの共感を呼び、NHKに対する視聴者の批判の声はますま す高まり続けています。受信料を払いながらも、「NHKは見たくない、見ない」という人が増えています。私たちは受信料凍結運動には慎重な態度を取ってき ました。視聴者が直接、意見をNHKに届けるという民主主義を発揮することが大事だと呼びかけてきました。その声を受けて経営委員会が賢明な判断を行い、 籾井会長の自主的な辞任が促されることを願ってきました
ところが、3か月経過するも、一向に解決の方向が見えてきません。
私たちは討論の末、これ以上、籾井氏がNHK会長の座に居座るならば、NHKの自主・自立は望めないという判断から、視聴者の異議申し立ての手段として、受信料凍結運動を会員によびかけることを決定しました。
「視聴者コミュニティ」が掲げる目的と凍結運動の方法は、全く大義と道義にかなったものと考え協賛します。
放送には場違いな人物を選任した経営委員会の見識と責任が問われています。5月からの受信料凍結運動が広がる前に、経営委員会が放送法の原点に立ち返った賢明な判断によって会長を解任するか、籾井会長が4月末までに自主的に辞任されることを求めます。
「NHKを監視・激励する視聴者コミュティ」が掲げる目的と凍結運動の方法に協賛し、同一行動をとりますので、以下の「受信料支払い凍結運動の要点」を紹介します。(略)
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≪受信料支払い凍結の通知関連Q&A≫
Q )視聴者コミュニティの通知文書と兵庫の文書を提出。
 4月末までに会長が辞めるよう期限を切った。辞めない場合は、受信料を5月から半年間の支払いを凍結する。これは未払いを意図したものではない。最近、12名の新会員があった。
Q )「兵庫」も協賛する。危機感を持っている。
Q )全理事宛てにもしている。経営委員には、明日の会議を控え今日中に届けられたい。
A)検討する。
Q )経営委員会は、会長を決めるに当たり個人的資質を確認したハズだが、最近の籾井会長の言動からして、経営委員会は資質見誤った責任がある。裏切られたにも拘らず、その自覚に欠ける。
Q )2005年に「受信料支払い停止」運動を起こした時、営業本部の担当者が対応されたが、面会の場では何も言わなかったにも拘らず、マスコミの取材に「営業妨害」と言っていた。反論があるならこの場でキチンと言うべきだ。
A)受信料は支払っていただきたい。
Q )受信契約義務と受信料の支払い義務は、法的にはハッキリ別になっている。
Q )今日までに会長の言動に関する意見などの件数は?
A)約4万件を超えた。その内約3割は受信料に言及している。
Q )明日の経営委員会の議題に、会長の言動と関連した受信料関係のものはあるか?
A)国会等色々な反応に関する議題はある。「経営委員の当事者意識が希薄だ」等の意見は沢山来ている。次回の経営委員会は5月13日です。
Q )経営委員会は、問題のある人を会長に選んだ責任を自覚して対応すべきだ。
面談の終了を待っていた記者(朝日、共同、赤旗)に対して、醍醐共同代表が約30分対応した。
                                                                                      以上
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4月22日の経営委員会に向けて緊急質問を提出しました。

 視 聴者コミュニティは4月21日 のNHKとの面会の折に口頭で質したことを確実に経営委員会に伝え、回答を確実にもらうよう、今朝から急きょ、以下のような経営委員宛の質問書を視聴者部 の山本副部長に送り、今日の経営委員会の場で経営委員に届くよう依頼、了解を得ました。
その後、マスコミ関係者に緊急質問を送った旨、文書と一緒にリリースしました。
質問は次の3項目です。 

1.4月13日のテレビ出演での釈明で籾井氏の一連の発言をめぐる視聴者の疑念は払しょくされたと経営委員会は考えているか。 
2.19日に佐賀
で開かれた経営委員と視聴者の語る会の終了後、語る会に出席した石原経営委員は記者団に対して、「籾井会長は辞任する必要はない」と語ったと伝えられているが、この発言は現在の経営委員会の総意と合致するのか?
3.籾井会長は、個人としての見解と会長としての見解を整理しないまま発言したことを反省していると繰り返しているが、経営委員会は、「政府が右というとき (NHKは)左とはいえない」、「従軍慰安婦はどこの国にもあったこと」などという個人的見解の持ち主は、委員会が会長選考の折にまとめた選考基準に適合 すると考えているのか?
当会は、会長選考時の基準(公共放送の使命を理解しているなど)は、選考時点での個人的資質・見解を対象にした基準にほかならないと理解しているが。
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                                                                                2014年4月22日
NHK経営委員会御中
 前略 緊急に以下の質問を提出いたします。4月25日までに書面でご回答くださるよう、お願いいたします。
                                                  NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                                                        共同府代表 湯山哲守・醍醐 聰
【質問1】
籾井勝人NHK会長はさる4月13日、NHK総合テレビ情報番組「とっておきサンデー」に出演され、就任会見時およびそれ以降の一連の発言について釈明をさ れました。しかし、報道後、翌14日夕方までに約270件の意見がNHKに寄せられ、そのうち、肯定的な内容は約1割で、4分の3にあたる約200件が批 判的な内容だったと伝えられています。
 経営委員会は、13日の籾井会長の釈明放送で、自らの一連の発言により問われた籾井氏の会長としての資質に係る疑念、籾井氏の発言が引き起こしたNHKの不偏不党、公正公平の立場に関する視聴者の不信感は払しょくされたとお考えかどうか、お聞かせください。

【質問2】
  さる4月19日にNHK佐賀放送局で開かれた「経営委員らと視聴者の語る会」で、籾井勝人会長の就任会見時の発言などに対し、参加者から、「各地で会長の 釈明をして回るのは情けない。早くけじめをつけてほしい」、「(籾井会長は)放送人としての適性を欠く」など批判的な意見が相次いだと伝えられています。 また、籾井会長がNHK理事に辞表を提出させたことにも「非民主的だ」などの意見が出されたとのことです(以上『佐賀新聞』2014年4月20日)。    
 これに対し、出席した石原進経営委員(JR九州会長)は「(一連の発言について)籾井会長も謝罪している。経営委員会としても監督してい く」などと説明したものの、語る会終了後、石原氏は記者団に対し、籾井会長は辞任する必要はないとの考えを述べたと伝えられています(『佐賀新聞』同 上)。
 2-1 「籾井会長は辞任する必要はない」という石原経営委員の発言は現在の経営委員会の
総意と合致するものなのかどうか、お答えください。 
 2-2  当会は、経営委員会は引き続き、籾井会長の言動を注視・監督されている状況にあ
り、会長を辞任する必要はないなどと判断されたわけではないと理解していますが、
これは、誤解でしょうか?

【質問3】
こ の間、籾井会長は、4月13日の番組出演の折も含め、個人としての見解と会長としての見解を整理しないまま発言したことを反省していると繰り返し、「政府 が右というとき(NHKは)左とはいえない」、「従軍慰安婦はどこの国にもあったこと」などと語った個人の見解は取り消さず、撤回もされていません。
経営委員会は、このような個人的見解の持ち主は、貴委員会が会長選考の折にまとめられた選考基準に適合するとお考えかどうか、お聞かせください。ちなみに、 私たちは、会長選考時の基準(公共放送の使命を理解しているなど)は、選考時点での個人的資質・見解を対象にした基準にほかならないと理解しています。
                                                                                      以上
書面でのご回答は4月25日(金)までに下記宛てにお送りくださるよう、お願いいたします。
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朝日新聞2014年4月22日05時00分
「会長辞めねば、受信料支払い凍結」 NHKに7市民団体要求
就 任会見などでの一連の発言が問題になっているNHKの籾井勝人会長と、個人的な発言や見解などが一部で問題視されているNHK経営委員の百田尚樹、長谷川 三千子両氏の辞任・罷免(ひめん)を求め、「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」など七つの市民団体は21日、共同で集めた3万3802筆の署名 を同局に提出した。4月末までに辞任や罷免が実現しない場合、受信料支払いの凍結運動を始めるという。

 同団体の共同代表で東京大名誉教 授の醍醐聰氏は「籾井氏は13日にあった視聴者への説明番組に出演したことで会長に居座り続けようとしているが、視聴者との信頼関係は既に壊れている」な どと話した。同団体は2005年、NHKと政治の関係を問題視して「NHK受信料支払い停止運動の会」として発足し、07年に改称。今年2月下旬から籾井 氏らに辞任を求める申し入れを行っており、今回で4度目という。
 21日には「日本ジャーナリスト会議」なども同様の申し入れをした。

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2014年4月18日 (金)

籾井勝人氏のNHK会長辞任を求める受信料支払い凍結運動を起こします

                          2014年4月18日
籾井勝人氏のNHK会長辞任を求める受信料支払い凍結運動を起こします
                NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ 
                             運営委員会
 
「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」4月末日を期限とした籾井会長の辞任を求め、期日までに辞任しない場合は、向う半年間、受信料の支払いを停止する、「籾井氏の会長辞任を停止条件とする受信料支払い凍結運動」を起こすことにし、昨日報道関係者に発信しました。
 具体的には、今月21日、当会代表がNHKを訪ね、13時半から、他の団体と共同で取り組んできた籾井氏ほか3名の辞任を求める署名簿を提出する面会に参加したあと、引き続き14時から視聴者部ならびに経営委員会事務局と面会して、 
1.4月末までに籾井氏が会長を辞任する、又は罷免するよう求め、
2.この要望が受け入れられない時は当面、半年間の受信料支払い凍結運動を起こすことをを通知する、
ことにしました。
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 籾井氏の会長就任会見での妄言、百田尚樹、長谷川三千子両氏のNHK経営委員としてあるまじき言動に対してNHKに多くの視聴者から抗議の声が寄せられています。当会が他の6つの市民団体と共同で始めた3氏の罷免、辞任を求める署名も
4/15日現在の集計で3万筆を超えました。
(4/15日 19:30 現在)
署名簿    24,483筆
ネット署名      7,006筆
合計     31,489筆
ネット署名のサイト→http://chn.ge/1eySG24
 また、この間、当会には、「今のNHKには受信料を払う気になれない」、「口座の引き落としを止めたいがどうしたらよいか」という問い合わせが多数届いています。

 私たち運営委員会は3名の罷免、辞任を求める署名運動に取り組むとともに、籾井氏ら3名が経営委員会や国会でどのような釈明・答弁をしたか、それらに対する視聴者・世論の動向はどうか、などを慎重に見極めてきました。
 しかし、籾井氏は前例のない抗議の声も意に介さないかのように、「無理やり言わされた」、「不慣れだった」と釈明する一方、「どこか間違っていたでしょうか」と開き直る有様です。
また、自分こそ辞表を提出すべき状況にありながら、会長就任早々、全理事から日付のない辞表を取りつけ、いまだにそれを理事に返却しようとせず、会長の人事権を盾に専決体制を敷こうとする態度を改めていません。そのうえで、個人としての見解と会長としての見解を整理しないまま発言したことは反省すると言っています。百田、長谷川両氏も問題にされた言動は経営委員の職務外のもので、個人としての言論の自由に属するものだという反論を繰り返しています。つまり、3氏は問題とされた一連の「個人的見解」それ自体を今もって撤回も改めもしていないのです。

 しかし、今回の一連の発言で問われているのは、放送に携わる者の職責と定められた「健全な民主主義の発達に資するよう」(放送法第1条第3項)放送を規律するのに適した資質を3氏が備えていたのかどうかです。個人的見解であれ、否、そもそも、「国際放送では政府が右というものを左というわけにはいかない」、「従軍慰安婦はどの国にもあった、それをいいとか悪いとかいう立場にはない」という個人的見解の持ち主を敢えて NHKの役員候補者に挙げた経営委員会の判断が問われているのです。

 当会はこれまで3度にわたって、他の市民団体と共同で、署名簿を添えて籾井氏ら3人の罷免、辞任を求める申し入れを籾井氏本人及びNHK経営委員会、さらには経営委員の任命権者である安倍首相に提出してきました。しかし、これを意に介さず、前例のない多くの視聴者からの批判も顧みず、棒読み同然の幕引き会見で会長職に居座り続けようとする籾井氏の言動を放置するわけにはいきません。
そこで、当会の運営委員会は約2か月にわたる慎重な協議の結果、次のような籾井勝人氏のNHK会長辞任を求める受信料支払い凍結運動を起こすことにしました。
 籾井氏に絞って辞任を求めるのは、緊急の課題としてNHKの理事会運営の危機があるからです。籾井氏を会長職にとどまらせては、当面する放送業務、人事編成などにおいて、会長権限を横暴に奮う危険があります。それはNHKをいっそう混乱に陥れ、「民主主義に資する」べきNHKが変質させられるものと危惧されます。したがって籾井氏の会長職停止を実現することを焦眉のことと考え、以下の行動を提起するものです。 

                                       
     「受信料支払い凍結運動」の要点
1.



2.
目的
「今のままでは受信料を払う気になれない」という多くの視聴者の意思を汲み上げ、 当面、籾井会長を辞任に追い込む。

支払い凍結運動の方法
①4月末日までに籾井氏が会長職を辞するよう再度、要求する。
②期日までに籾井氏が会長を辞任しない場合は、向う半年間、受信料の支払いを凍結する。(本年5月から10月の間に納期が来る受信料の口座引き落とし等を停止し、振り込み票による支払いも行わない。) 
③上記②を実行するにあたっては、凍結したことをNHKに通告するよう呼びかける。 
④半年経過するまでに籾井氏が会長を辞任した場合は、その時点で支払いの凍結を解除し、受信料の支払いを再開する。 
⑤半年が経過した時点で籾井氏がなお会長職にとどまっている場合は、凍結を継続するか解除するかは、凍結を始めた各視聴者の判断に委ねる。 
⑥どの時点で凍結を解除するにせよ、凍結分も含め、受信料を支払うものとする。

 来る21日(月)当会はNHKに出向き、上記のような停止条件付の受信料支払い凍結運動を起こすことを籾井会長と全NHK理事ならびに経営委員会に通知することになりました。

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2014年3月27日 (木)

籾井、百田、長谷川3氏の辞任・罷免を求める署名運動経過報告

2月28日から始まった7つの市民団体による
「籾井勝人NHK会長、百田尚樹、長谷川三千子両NHK経営委員の辞任・罷免を求める署名運動」の経過はネット署名のサイト→http://chn.ge/1eySG24 の「進捗状況・お知らせ」
で見ることができます(集計の取りまとめを放送を語る会にお願いしています)。
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3月25日 24:00現在
署名 累計      13,147筆
ネット署名    6,822筆 
合計             19,969筆
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3月10日に第一次集約分、3月24日に第二次集約分をNHKに提出しています。

3月10日の申入れ行動はレイバーネットで詳報されています。
NHK会長らの罷免要求の署名で申入れ行動
http://www.labornetjp.org/news/2014/0310nhk
 3月10日午後、NHK会長・経営委員の罷免を求める署名に取り組んでいる7団体は、署名行動の途中で集まった署名を安倍首相とNHK経営員会に届けました。
引き続き署名に取り組んでいる7団体のうち、在京4団体から参加13人で内閣府とNHKに出向き、8575筆の署名を積みあげ、視聴者の要求を示し罷免を求めました。

031001
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(参考)
NHKの自主・自立の危機に際して訴え ―NHK門前でのリーフ配布活動に参加して―(放送を語る会)
NO NEKE SDAY会場で署名活動・内閣府、NHKに署名簿提出 (放送を語る会)

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2014年3月12日 (水)

ニューズレター号外1403を発行しました。

籾井会長、百田/長谷川両経営委員の辞任/罷免を求める
署名運動のためのニューズレター号外1403を発行しました。
PDFダウンロード→こちら

Cap61

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  目次   特集 籾井会長、百田/長谷川両経営委員の辞任/罷免を求める 
1頁:   会員の皆様 
2頁:   籾井勝人NHK会長、百田尚樹、長谷川三千子両NHK経営委員の辞任・罷免
   を求める署名運動へのご協力のお願い
   百田尚樹氏、長谷川三千子氏をNHK経営委員から罷免するよう求める申し入れ

3-4頁: 籾井NHK会長の解任を求める申し入れ

 


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2014年2月28日 (金)

籾井勝人NHK会長、百田尚樹、長谷川三千子両NHK経営委員の辞任・罷免を求める署名運動へのご協力のお願い

                           2014年2月28日
籾井勝人NHK会長、百田尚樹、長谷川三千子両NHK経営委員の辞任・罷免を求める署名運動へのご協力のお願い

              NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ

皆様
 新聞報道でもご承知のように、今、NHKでは、本来なら自主自律の公共放送の先頭に立つべき会長、経営委員が公共放送のイロハをわきまえない言動を繰り返し、国内外からNHKに対する信頼を失墜させる張本人になるという異常な事態が起こっています。
 こうした事態を一日も早く克服するには、問題発言を批判されても一向に改めようとしない籾井勝人会長と百田尚樹・長谷川三千子両経営委員を辞任させるしかないと考え、本日から、下記署名用紙に記載した7つの市民団体の呼びかけで、これら3名の罷免、自主的辞任を求める署名運動を始めることにしました。
最終的には10万筆を目標にし、当面、
第一次集約日  3月15日(土)
目標数 5,000筆
として、それまでに5,000筆を集めることを目標に運動を行うことにしました。
皆様のご賛同とご協力をお願いいたします。

署名用紙ダウンロード(NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ用)
以下はネット署名のサイトですが、できるだけ上記署名用紙をダウンロードして自筆署名の上郵送(郵送先は署名用紙末尾にありますが 〒134-0083 江戸川中葛西五郵便局局留 視聴者コミュニティ 渡邉 力 宛 にお願いします。)してくださるようお願いいたします。
『紙署名』は住所・氏名を全て書いて戴きます。安倍首相とそのコピーをNHK経営委員会に届けます。『ネット署名』は郵便番号と氏名を記して戴きます。署名者数の発表に使います。どちらか一つを選択して下さい。可能な限り『紙署名』をご利用下さい。

ネット署名のサイトhttp://chn.ge/1eySG24
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(参考まで)7つの市民団体が同一の署名運動に取り組んでいます。
以下日本ジャーナリスト会議のHPからの転載です。
【緊急署名要請】私たちは、籾井勝人NHK会長、百田尚樹、長谷川三千子両NHK経営委員の罷免を求めます
http://jcj-daily.seesaa.net/article/389963384.html#more

 NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ、NHK問題大阪連絡会、NHK問題京都連絡会、NHK問題を考える会(兵庫)、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)、日本ジャーナリスト会議、放送を語る会の7団体は共同で、籾井会長、百田・長谷川両経営委員の罷免、辞任を求める署名運動を開始しました。
 趣旨と宛先は下記のとおりです。趣旨をご理解の上、ご賛同をお願いします。

 署名方法は、ネット署名とプリントして使用する署名簿の活用の二種類があります。いずれも提出されます。なお、ネット署名はリンクをクリックして賛同してください。

◇ネット署名
 下記URLをクリックして、署名サイトを開いて署名して下さい。氏名、メルアド(捨てアドで問題ありません)、郵便番号の入力で署名できます。(フェイスブック、ツイッターでの拡散もお願いします)
http://t.co/9ZLbb2H7DA

◇署名簿
 また、署名簿は、下記からダウンロードし、プリントして使用してください。
 記入された署名簿は、郵送料などのご負担とお手数をおかけしますが、下記あてお送りください。5人分記入できる用紙ですが、すべて埋まっていない場合でも、かまわずお送りください。(署名簿は事務局でコピーし、一方へはコピーを提出します)
 <署名簿用紙> http://www.geocities.jp/hoso_katarukai/224syomei.pdf
 <送付先> 〒196-0015 昭島市昭和町3-3-6 小滝 宛

───────────────────────────────────────────────
内閣総理大臣 安倍晋三 様          年   月   日
NHK経営委員会委員 各位

私たちは、籾井勝人NHK会長、百田尚樹、長谷川三千子両NHK経営委員の罷免を求めます。

NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ NHK問題大阪連絡会 NHK問題京都連絡会 NHK問題を考える会(兵庫)「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWWRAC) 日本ジャーナリスト会議 放送を語る会

 NHK籾井会長は、就任記者会見で、「従軍慰安婦は戦争地域にはどこにでもあった」、国際放送について「政府が右ということを左とは言えない」、特定秘密保護法は「とりあえず受けて様子をみるしかない」などと発言し、政権寄りの姿勢だとして、視聴者の厳しい批判を浴びました。
 とくに日本軍「慰安婦」に関する発言は、歴史的事実に反するばかりか、過去の戦争への反省を欠き、国際問題に発展しかねないものです。このような考えを持つ人物は、政府から自立し、不偏不党の精神を守るべき公共的な放送機関のトップにはまったくふさわしくありません。 NHK経営委員会に、籾井会長を放送法第55条に従って罷免するよう強く求めます。

 経営委員の百田尚樹氏は、先の都知事選挙で、自衛隊出身の田母神俊雄氏を応援し、田母神候補以外の候補を「人間のクズ」などと攻撃しました。長谷川三千子氏は、朝日新聞本社でピストル自殺した右翼運動家を礼賛する追悼文を書いたことが明らかになりました。暴力によって言論報道機関を威嚇した人物を褒めたたえる姿勢は異様と言わざるを得ません。
 経営委員は「公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者」から選ぶ、とする放送法の規定からいっても、両氏が経営委員失格であることは明らかです。放送法の規定に従い、両氏を罷免するよう、総理大臣に強く要求します。

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2.22 緊急集会「NHKの危機、今、何が必要か」の動画

録画:緊急集会『NHKの危機,今、何が必要か』(2月22日)

2月22日、東京代々木区民館で緊急集会『NHKの危機,今、何が必要か』が開かれた。主催は「放送を語る会」。会場は詰め掛けた人の熱気であふれた。発言者は池田恵理子、醍醐聡、田島泰彦、小田桐誠、松田浩の各氏、司会は戸崎賢二氏。
【前・後編】収録:FmA
http://jcj-daily.seesaa.net/article/389930900.html

【前編】

(1:05:18)
http://www.youtube.com/watch?list=UU5jY7j2KhfExalJU37kMfZg&v=eN0TLz5o0fI

【後編】

(1:45:27)
http://www.youtube.com/watch?v=GoavOaT3Npc&list=UU5jY7j2KhfExalJU37kMfZg

-------------------------------------------------------------------
http://www.geocities.jp/hoso_katarukai/news.html

緊急集会
NHKの危機、今、何が必要か~籾井会長発言の問いかけるもの~
「従軍慰安婦は戦争地域にはどこの国にもあった」、(国際放送で)「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」。1月末の新会長就任会見でこのような不見識きわまりない発言をしたNHK会長・籾井勝人氏。
 放送法を逸脱し、公共放送のトップとして不適格であることを自らさらけ出した籾井氏の発言に対して、視聴者や各界から厳しい批判や、会長辞任を求める声が沸き上がっています。
 NHKは安倍内閣の意向に沿う経営委員の任命や今回の籾井氏発言などで、公共放送としての存立の危機にあります。この状況に私たちはどう立ち向かったらいいのか、メディアに詳しい識者の方々のご意見を基に討論を深めます。

発言者 (アイウエオ順)
池田恵理子氏 元NHKディレクター、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」<wam)館長
小田桐 誠氏 ジャーナリスト
醍醐 聰氏 東京大学名誉教授、NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表
田島 泰彦氏 上智大学教授
松田 浩氏メディア研究者
日時 2014年2月22日(土)13:30~16:30会場 代々木区民会館・集会場
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2/22日に開催した、放送を語る会主催の緊急集会「NHKの危機、今、何が必要か」には、座りきれない多数の参加者で埋まり、熱い討議が繰り広げられ、NHK会長の公選制を求める運動、籾井会長解任要求、百田・長谷川両経営委員を罷免の署名運動など、今後の具体的な行動も提起された。

 これを受けて、NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ、NHK問題大阪連絡会、NHK問題京都連絡会、NHK問題を考える会(兵庫)、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)、日本ジャーナリスト会議、放送を語る会の7団体共同で、籾井会長、百田・長谷川両経営委員の罷免、辞任を求める署名運動を始めることにした。

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2014年2月23日 (日)

'14.2.21 7つの市民団体の共同行動日/安倍総理に「百田尚樹氏、長谷川三千子氏をNHK経営委員から罷免するよう」申し入れました。

2014年2月21日を 7つの市民団体の共同行動日として下記の行動を実施しました。
13時30分 内閣府総務課と面会 
*安倍首相宛ての提出文書(百田尚樹氏、長谷川三千子氏をNHK経営委員から罷免するよう求める申し入れ)
申し入れ団体
 ・放送を語る会
 ・NHK問題大阪連絡会
 ・NHK問題京都連絡会
 ・NHK問題を考える会(兵庫)
 ・NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
 ・「戦争と女性への暴力」リサ-チ・アクションセンタ-
 ・日本消費者連盟  
● 16時より NHK経営委員会事務局との面会
 *NHK経営委員会宛の提出文書
 ・日本消費者連盟「籾井勝人NHK会長の解任とNHK会長選考のシステムの抜本的改革を求めます」
● 17時より
  7団体共同記者会見
  場所:NHK記者クラブ 


内閣総理大臣安倍晋三 様              2014年2月21日

百田尚樹氏、長谷川三千子氏をNHK経営委員から罷免するよう求める申し入れ
        NHK問題大阪連絡会 代表 河野安士
        NHK問題京都連絡会 代表 倉本頼一
        NHK問題を考える会(兵庫)代表 貫名初子
        NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表
                      湯山哲守・醍醐 聰

 拝啓 私たちはNHKが「健全な民主主義の発達に資するよう」(放送法第1条第3項)放送の充実を図ることを願う立場から、NHKの番組を注視し、公共放送にふさわしい優れた番組は激励し、ふさわしくないと判断した番組には率直な意見、批判を発信する運動を続けている市民団体です。
 昨年11月の国会同意人事を経て貴職名でNHK経営委員に任命された百田尚樹氏、長谷川三千子氏の昨今の言動がNHK経営委員としての立場を逸脱したものではないかとの指摘が各方面からなされています。この件についての私たちの見解をお伝えしたうえで、貴職に対し、後掲のような申し入れをいたします。

 百田尚樹氏は東京都知事選の選挙期間中のさる2月3日、都内3か所で田母神俊雄候補の応援演説を行い、公衆の面前で、日本はアジア諸国を侵略したというのも南京大虐殺も嘘である、世界の国々は日本を非難しているというのも嘘である、誰が非難しているかというと、中国、韓国だけだ、と発言しました。また、百田氏は応援演説の中で田母神氏以外の候補は「人間のクズだ」と公言したほか、個人用のツイッターで国会議員や他のNHK経営委員を攻撃する品位のない書き込みをしたり、女性を蔑視する下品な書き込みを繰り返したりしています。
 長谷川三千子氏は、本年1月22日に参議院議員会館講堂で開かれた女性のつどいで、「私は安倍首相の応援団で、経営委員になりました」と自己紹介したほか、朝日新聞社で拳銃自殺した右翼団体の元幹部を礼賛する追悼文を寄せていたことも報じられました。

 そもそも、NHK経営委員にも思想・言論の自由が保障されているとはいえ、経営委員は不偏不党、政治的公平・公正を基本原則とするNHKの執行機関を監督する経営委員会の構成員です。そのような個別具体的な職務・権限を考慮すれば、経営委員の言論の自由に一定の制約が加わるのは当然です。現に、「経営委員会委員の服務に関する準則」は、「経営委員会委員は、放送が公正、不偏不党な立場に立って国民文化の向上と健全な民主主義の発達に資するとともに、国民に最大の効用と福祉とをもたらすべき使命を負うものであることを自覚し、誠実にその職責を果たさなければならない」(第2条)と定めています。

 こうした準則は経営委員の職務外の言動には及ばないとの議論があります(経営委員長2月12日記者ブリーフリング「経営委員の言動についての経営委員会見解」)。しかし、NHK経営委員という職にあることが周知された人物が特定の政治家を応援する演説をしたり、経営委員を名乗って自らを「安倍首相の応援団」と公言したりするとなれば、そうした言動がNHKを監督する経営委員の職務の遂行にも及ぶのではないかと受け取られ、NHKの不偏不党、自主自律に対する国民の信頼を揺るがすのは必至です。現に、百田氏やこの後で述べる長谷川氏の「職務外」の言動に対して内外から多くの批判的意見が寄せられていることは、経営委員の政治的言動には職務内・外の使い分けが通用しないことを意味しています。
 また、アジア諸国に対するわが国の侵略の事実と責任を認め、謝罪した村山談話はわが国の歴代政権が踏襲してきた立場であり、アジア諸国と善隣友好の関係を築くために不可欠の歴史認識として多くの国民に支持されてきたものです。いかに言論の自由といっても、何の根拠も示さず、こうした歴史認識を否定し、被侵略国であるアジア諸国民の尊厳を逆なでする発言を繰り返す百田氏の言動は、NHKに対する諸外国の信頼を損なう信用失墜行為と言って過言ではありません。

 長谷川三千子氏は一貫して男女共同参画事業に反対してきた人物として知られていますが、それにとどまらず同氏は、民主主義を「難病」ととらえ(『正論』2009年9月号)、「臣民からの、命を惜しまぬ忠君武勇」を引き寄せる「国体の回復」を求める(『伝統と革新』2012年9月)立場から、「すべての国民は、個人として尊重される」という日本国憲法第13条冒頭の一文を敵視する異様な思想の持ち主です(『月刊日本』2013年6月)。一人の研究者として言論・思想の自由が保障されるとしても、このような言説の持ち主が、放送を「健全な民主主義の発達に資するようにする」職務を担うのに不適格であることは明らかです。

 以上から、私たちは、百田尚樹、長谷川三千子の両氏は放送法第31条で定められた経営委員としての適格要件である「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者」とは到底いえず、両氏の言動は前記の「経営委員会委員の服務に関する準則」第2条に違反するとともに、百田氏の言動は同準則第5条が禁じた「信用失墜行為」に当たるものと考えます。
よって、私たちは、百田、長谷川両氏にはNHK経営委員としての職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められることから、貴職に対して、放送法第36条の規定に従って両氏をNHK経営委員から罷免するよう、衆参両院に同意を求める手続きを採られることを申し入れます。

 ところで、百田尚樹氏は「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の発起人の一人であり、長谷川三千子氏は同会の代表幹事です。このような事実に照らすだけでも両氏が貴職の親密関係者であることは明らかであり、社会的にもそのように受け取られています。この意味でも、百田、長谷川両氏がもともとNHKの経営委員たる資質に著しく欠けることを十分認識できたにもかかわらず、両氏を経営委員候補として衆参両院に推挙した貴職の責任は極めて重大であり、私たちはこれに強く抗議し、深い謝罪を求めるものです。
 これを機に私たちは、メディアによって監視されるべき政権が、メディアを監視するNHKの監督機関の構成員候補を選考する権限を持つ現行の仕組みを抜本的に改革し、NHKの自主自律を強固なものとする制度改革の運動を推進していく所存です。              以上
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17時からNHK記者クラブで開いた記者会見の模様を伝えた報道記事
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http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20140221-OHT1T00145.htm
市民団体が百田、長谷川氏の罷免要請
 NHK経営委員の百田尚樹氏と長谷川三千子氏の言動は委員に不適格だとして、市民団体「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」(醍醐聡・共同代表)などが21日、東京都内で記者会見し、両氏を罷免するよう安倍晋三首相に求める文書を内閣府に提出したと発表した。
 市民団体側は申し入れ書で、百田氏が都知事選の立候補者の応援演説で他候補を「人間のくず」と批判したことや、長谷川氏が拳銃自殺した右翼活動家をたたえる文章を寄稿したことを問題視。「国民のNHKに対する信頼を損なう行為」として、安倍首相に放送法に基づき両氏を罷免するよう要請した。
 会見に出席した元NHK経営委員の小林緑・国立音大名誉教授は「(両氏が)選任された経緯は時の首相と親しく、後ろ盾があるからだろう。経営委員にこんな方がいることに驚き、黙っていられない」と述べた。
(2014年2月21日20時49分  スポーツ報知)
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市民団体が百田尚樹氏らの罷免要求/芸能速報/デイリースポーツ online  http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2014/02/22/0006726497.shtml
市民団体が百田尚樹氏らの罷免要求
2014年2月22日
 市民団体「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」などが21日、百田尚樹氏(57)、長谷川三千子氏(67)の罷免を安倍晋三首相(59)に求める申し入れを提出した。
 市民団体側はこの日、内閣府に申し入れを提出後、NHK経営委員会事務局と面会。言動が委員に不適格だとして、放送法に基づき、両氏を罷免するよう訴えたといい、経営委は回答を控えたという。
 百田氏は東京都知事選の応援演説で旧日本軍による南京大虐殺を「そんなことはなかった」と否定したほか、都知事選の立候補者の応援演説で、他候補を「人間のくず」と批判。長谷川氏は就任前に拳銃自殺した右翼活動家をたたえる文章を追悼パンフレットに寄稿していた。
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NHK:2経営委員の罷免求め要望書-----7市民団体 - 毎日新聞  http://mainichi.jp/shimen/news/20140222ddm041020108000c.html
NHK:2経営委員の罷免求め要望書----7市民団体
毎日新聞 2014年02月22日 東京朝刊
 「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」など7市民団体が21日、東京都内で記者会見し、共にNHKの経営委員で、都知事選で応援演説した百田(ひゃくた)尚樹氏と、就任前に右翼の自殺を礼賛する追悼文を寄せた長谷川三千子氏の罷免を求める要望書を、安倍晋三首相に提出したと発表した。
 申し入れ書では、2人の罷免を求める理由は、「公正、不偏不党の立場に立って、誠実にその職責を果たす」とした服務準則などに違反しているためとしている。また、「慰安婦はどこの国にもあった」などと就任会見で発言した籾井勝人(もみい・かつと)会長についても、すでに辞任を求めている。
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 NHK経営委の2氏罷免を要請--7つの市民団体  ('14.2.22東京新聞)
 NHK経営委員の百田尚樹、長谷川三千子の両氏の言動が、NHKの不偏不党・自主自立に対する国民の信頼を揺るがしている─などとして、七つの市民団体が二十一日、安倍晋三首相に両氏の罷免を、経営委には辞職の勧告をそれぞれ文書で要請した。
 要請したのは、「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」「放送を語る会」など。NHKで記者会見した代表らは、「二人は経営委員を名乗って問題行動をしており、(職務以外の場で自らの思想信条に基づいて行動することは妨げられないとした)経営委の申し合わせは意味がない」などと指摘した。同席した元経営委員の小林緑・国立音大名誉教授は「二人の言動に驚き、恐ろしくなった」などと話した。百田氏は今月三日の東京都知事候補の応援演説で、南京虐殺についてに「そんなことはなかった。どこの国でも残虐行為はあった」などと発言。長谷川氏は朝日新聞社内で拳銃自殺した政治団体元幹部をたたえる追悼文を発表していた。
写真=記者会見する市民団体の代表ら=東京・渋谷のNHKで

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2014年2月 6日 (木)

改めて「籾井NHK会長の罷免を求める」申し入れと「最近のNHKの放送番組に関する質問書」を提出しました。

 本日(2月6日)13時30分にNHK放送センターへ出向き、2名の視聴者部副部長と面会して、2件の文書を提出しました。
① ● NHK経営委員会宛て「改めて籾井NHK会長の罷免を求める申し入れ(回答要望付き)」
② ● 籾井NHK会長/石田研一放送総局長宛て「最近のNHKの放送番組に関する質問書」
(①、②へのNHK回答は末尾にあります。)
面会は約45分間。最初15分は醍醐より提出文書の要点を説明しました。以下は、その後のやりとりのメモです。

Q:昨日の国会質疑でNHKの役員は、NHKに1万2千件ほどの意見が寄せられたと答弁されたが、それは東京の放送センターに寄せられた分だけか?
A:各地の放送局に寄せられた分も集計したもの。
Q:それらの意見とは籾井会長発言に関するものだけか? 百田・長谷川両経営委員の言動に関する意見も含まれているのか?
A:NHKとして、まずトップについて寄せられた意見を集計した。経営委員に関する意見は含んでいない。
Q:2日ほど前からこれら2人の経営委員の言動についても大きく報道されているが、それについての意見はどれほど来ているのか?
A:・・・・・
Q:当会は2人の経営委員の言動についても文書を提出する準備をしている。その際の参考資料として反響を知りたいので、今現在の集計を教えてほしい。
A:・・・・ふつう、意見を寄せるのは批判や不満がある人がほとんど。満足している人はあえて意見を届けたりしないようだ。
Q:そういう面があることは否定しないが、私たちに届く意見の中には、「何を言っても通じない」、「もうNHKは見ない」「受信料を払いたくない」、「テレビはいらない」という声も多い。こいう視聴者に受信料の支払い督促をするだけではNHK離れ、テレビ離れを増やすだけではないか?
A:私たちも意見を言わない人たちはどういう状況なのかを把握する必要があると思っている。
Q:2人の経営委員の言動について寄せられた意見も集計して公表してほしい。
Q:今朝の新聞報道では上の2人の経営委員を国会に参考人として招致しようという動きがあるとのことだが、本決まりなのか?
A:そういう動きがあることは承知しているが、本決まりかどうかはわからない。
Q:新聞報道によると、百田、長谷川両経営委員の言動について、経営委員会事務局は、「個々の委員がどんな信条を持っていたとしても、経営委員会全体が偏らない判断をするならば問題ない」(注:「朝日新聞デジタル」2月4日13:05)と説明したとされている。
事務局がこういう発言をしたのは重要な意味を持つと思うが、何かの内規を根拠にしたものなのか? それとも取材に応じた事務局メンバーの解釈なのか?
A:この場ではわからない。
Q:重要な問題なので調べて教えてほしい。
A:経営委員会事務局の発言はどんな根拠によるのか、ということですね?
Q:そうです。追って、電話で確かめさせてもらうので調べておいてほしい。
                                                                          (記:醍醐 聰)
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NHK経営委員会御中                                            2014年2月6日

    改めて籾井NHK会長の罷免を求める申し入れ(回答要望付き)

              NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                 共同代表 湯山哲守・醍醐 聰

 貴委員会におかれましては、日頃より、NHKの公共放送として充実をはかるためご尽力されていることと存じます。
 当会は1月27日に貴委員会宛に文書を提出し、その中で次の3点を申し入れました。
1. 1月25日に開かれた会長就任の記者会見の場で一連の発言によって、NHK会長の職に不適格な人物であることが明瞭になった籾井勝人氏をNHK会長職から解任するか、籾井氏に辞職を勧告していただくこと。
2. 会長就任早々、言論・報道機関の責任者としての自覚のなさをさらけ出す発言をするような人物を選任した貴委員会の任命責任を十分に協議され、その議事録を全面的に公開していただくこと。
3. 現在のNHK会長選考のシステムを、視聴者に開かれた、より透明なものにするよう抜本的に改革するための第一歩として、NHK会長選考のあるべき仕組みについて、広く視聴者から意見を求める機会(パブリックコメントや公聴会の開催)を近々に設けていただくこと。

 以上のような申し入れをして以降、1月28日に開催された貴委員会での籾井会長発言をめぐる審議の模様が報道され、さらに1月31日には衆議院予算委員会に籾井会長が招致されて、質疑が交わされました。これらの新たな情報にもとづいて、改めて後掲の申し入れをいたします。これらについて、27日付けの上記の3点の申し入れと併せ、2月15日までに別紙宛に文書で回答をお送りくださるようお願いいたします(先日の申し入れでは2月10日までに回答をいただくようお願いしましたが、上記2,3の申し入れと今回の申し入れに対するご回答を2月15日までと変更させていただきます)。

 籾井会長は1月25日の記者会見で、NHKが行う国際放送に関し、「領土問題については明確に日本の立場を主張するのは当然のこと。政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」と発言されました。こうした発言は「放送法」第65条で定められた、NHKが実施する国際放送は、明文にあるとおり、総務大臣からNHKに対する要請であって、NHKから言えば、それに応じるよう努める努力目標であって義務ではないこと、応じる場合も、放送番組の編集の自由に配慮すべきことをまったく理解しないものでした。
ところが籾井氏は1月31日の国会での質疑において、この点を質された場面でも、国際放送はNHKの義務かのように答弁し、「右」「左」を「赤」「白」に訂正するという意味不明の答弁をしました。
また、25日の会見での発言のどの部分を撤回したのかについても、「従軍慰安婦」に関する部分だけだったのかのような答弁をする一方、「全部取り消した」とも発言し、正確な真意はいまだ不明のままです。
 国会での籾井会長の答弁は終始、背後に控えたNHK職員から差し出されるメモを頼りにしたもので、「放送法」はもとより、公共放送に関する同氏の理解の欠落が露呈したものでした。  
 これらの発言に接したNHK幹部からは「あの従軍慰安婦発言は無知すぎる。同じ組織の人間として恥ずかしい」という感想が出され、ある経営委員は「個人的な発言なので今回は支える。だが、2度目はない」と発言したと伝えられています(『西日本新聞』2014年1月28日)。
 しかし、NHK会長に「見習い期間」や「試行期間」があるわけではありません。就任後は即、その言動にNHKのトップとしての責任が問われるのです。
 貴委員会はひとまず個人的見解として収拾するとされましたが、貴委員会内の指名部会で同意された「会長資格要件」は選考時点での籾井氏の個人的見識なり資質なりを問うたものですから、「従軍慰安婦はどこの国でもあった」と述べて当時の政府や軍が関与した戦時性暴力を是認するかのような籾井氏の個人的見解こそが問われなければならないのです。当会は、そのような人権意識の持ち主が「放送を公共の福祉に適合するように規律し」、「放送が健全な民主主義の発達に資するようにする」(「放送法」第1条)職責を担えるとは到底、判断できません。

               申し入れ

 「放送法」は第55条で、「経営委員会は、会長、監査委員若しくは会計監査人が職務の執行の任に堪えないと認めるとき、又は会長、監査委員若しくは会計監査人に職務上の義務違反その他会長、監査委員若しくは会計監査人たるに適しない非行があると認めるときは、これを罷免することができる」と定めています。
 当会は上記のような理由から、籾井勝人氏はNHK会長の「職務の執行の任に堪えない」人物であると判断し、同氏をNHK会長職からすみやかに罷免するよう求めます。        以上 
                               
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NHK会長                                          2014年2月6日
 籾井勝人様
NHK放送総局長
 石田研一様

        最近のNHKの放送番組に関する質問書

              NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                 共同代表 湯山哲守・醍醐 聰

 貴職におかれましてはNHKの放送番組の充実のためにご尽力いただき、お礼を申し上げます。
私たちはNHKが国内外の諸問題について、様々な政治・経済勢力、とりわけ時の政権から自立した立場で、視聴者に多様な情報や意見を公平・公正に伝え、それを通じて視聴者が理性的な判断力を持って参政権を行使するのを支援する役割を果たすことを願っています。
 しかし、最近放送された番組のなかで、こうしたNHKの使命にもとる問題が起こっています。以下、これらについて質問をしますので、ご多忙のこととは存じますが、2月14日(金)までにご回答を別紙宛先まで文書でお送りくださるよう、お願いいたします。

1.籾井勝人会長の就任記者会見での発言問題を28日まで自局のニュース番組で伝えなかったのはなぜなのか。

 1月25日の会長就任会見で籾井会長は「従軍慰安婦」問題、靖国神社参拝問題、領土問題に関する国際放送、特定秘密保護法などについて言及されましたが、それらはすべて「放送法」に定められた公平・公平、不偏不党、多様な意見の反映に真っ向から反するものでした。特に、「領土問題については明確に日本の立場を主張するのは当然のこと。政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」という発言は、「国際的な紛争や各国間の利害が対立する問題などを取り上げる場合は、関係国の主張や国情などを客観的に伝えるとともに、日本の立場や世論の動向などを考慮して取り扱う」と定めた「NHK放送ガイドライン」にもとる暴言でした。
 そのため、NHKには1,800件(1月29日現在)を超える意見が寄せられ、全国紙も26日朝刊以降、連日、多くの紙面を割いて籾井会長の発言の重大性を報道しました。
ところが、当会がNHK視聴者センターに問い合わせて確認したところでは、NHKは28日の19時と21時のニュース番組で、それも国会の質疑で籾井発言が取り上げられたのを短く伝えただけで、それ以前はこの問題をまったく伝えませんでした。
 この問題を考えるに当たって当会は、NHKが取材する側とされる側の双方当事者となる場合の放送のあり方を厳しく問いかけなければならないと考えます。
「NHK放送ガイドライン」の末尾に添付された「BPOの主な決定(NHK関連)」の中で、2001年にNHKが4回シリーズで放送した「ETV2001 戦争をどう裁くか」の第2回「問われる戦時性暴力」を巡って、取材対象となった「女性国際戦犯法廷」を企画した市民団体がNHKに対して訴えを起こした裁判の報道を巡ってBPOが示した2つの意見・見解が掲載されています。2つは個別の内容に違いはありますが、NHKが報道する側とされる側の双方当事者となった点では共通しています。
 1つ目は、「ETV2001」をめぐる東京高裁判決を伝えた「ニュースウオッチ9」がNHK側の言い分だけを伝え、訴えを起こした市民団体側の見解をまったく伝えなかった点について、BPOの放送人権委員会は、「NHK自身が、裁判の当事者だという特殊性を考えると、一般の裁判報道よりも公平・公正の点でより慎重な取り扱いが求められる」と指摘し、「相手方の見解になんら触れることなく、自らの解釈や番組への介入が疑われた政治家のコメントだけを放送したことは、公平・公正な取り扱いを欠き、放送倫理に違反する」とする見解を示したものです。
 もう一つは、同じく「ETV2001」シリーズの第2回目の番組は放送倫理に反するとする市民の提訴に対して、BPOの放送倫理検証委員会が意見を表明したものです。この中で放送倫理検証委員会は、「国会担当の局長が制作現場の責任者に〔番組の〕改編を指示したことは公共放送にとって最も重要な自主・自律を危うくし視聴者に重大な疑念を抱かせる行為だった」と厳しく指摘しました。
                                                 

【質問Ⅰ】
Ⅰ-1   NHKに対する国民の信頼を根底から揺るがす今回の籾井会長の発言を、国会で取り上げられるまで自局の放送で一切、報道しなかった理由をわかりやすく具体的にご説明ください。
Ⅰ-2   NHK が報道する側とされる側の双方当事者となった場合、自局の放送で当該問題の報道を抑制するバイアスがからないようにするには、番組制作部門と経営 部門に利益相反が生じないようなファイアーウオール措置が必要です。これについて、NHKはどのような措置を講じているのかご説明ください。例えば、政治 部の記者などが取材で接触した政治家の意向を番組編集部門に公式・非公式に伝えるといった関与をさせない措置をどのように講じているのか、ご説明くださ い。

2.原発問題をテーマにしたラジオ番組の放送をなぜ中止したのか?

 1月30日の午前5~8時のラジオ第1放送「ラジオあさいちばん」で出演予定の中北徹・東洋大教授が「原発の再稼働のコストと事故リスク」をテーマに取り上げようとしたところ、番組担当のディレクターに「都知事選中は原発問題はやめてほしい」とテーマ自体の変更を求められ、中北教授がこれを断ったため放送が中止になったと伝えられています。
 これについて、NHK広報部は「都知事選では原発をめぐる問題が争点の一つになっており、選挙期間中はより公平性を期す必要がある。今回は出演上、そうした対応を取ることが困難だったため、テーマの変更を求めた」(『毎日新聞』2014年1月31日)と説明しています。
 しかし、当会が入手したこの番組の原稿メモによれば、中北氏は、①事前の安全確保の対策、保険料などといった原発稼働のコストが世界的にアップしていること。②万が一の際、巨大事故がもたらす損害が膨大化していること。③日本の場合、廃炉の費用が発生しているが、それが企業の費用に明示的に計上されていないこと、などを根拠に挙げ、それぞれを裏付けるデータを解説した上で、原発(稼働)ゼロでも、経済成長が実現できることを論じようとしたものでした。
その上で、中北氏は解説の最後で、原発事故発生のリスクと巨大事故が起きた際の損害額との関係に触れ、原発発生のリスクである積(事故の発生確率と、その事故がもたらす損害賠償料との両者の掛け算)の値を確実に減らし、ゼロにできるのは、原発を止めることになるだろうと説き、安倍首相も呼びかけた国民的議論の活性化を望む、と述べて解説を結ぶ予定だったといわれています。
「NHK放送ガイドライン」は、「意見が対立する問題を取り扱う場合には、原則として個々のニュースや番組の中で双方の意見を伝える。仮に双方の意見を紹介できないときでも、異なる意見があることを伝え、同一のシリーズ内で紹介するなど、放送全体で公平性を確保するように伝える」と定めています。
 この点でいえば、中北氏は番組の中で、即時脱原発路線を支持するのか、それとも、時間をかけながら、緩やかに原発依存を減らしていくのか、という費用の選択の問題になる、それは国民がどう選択するのか、という政治的な課題である、と説明する予定だったと言われ、都知事選で特定の候補者の支持・不支持を促すものではありませんでした。
 このように反証可能な実証的データに裏付けられた問題提起的な論説までも、「不偏不党」の原則を盾に抑制するのはあまりに過剰反応であり、重要な政治経済問題について国民の間で議論を喚起するという公共放送の使命に逆行するものです。かりに、上記の「NHK放送ガイドライン」に沿って、中北氏の見解と異なる意見を紹介しようと思うなら、NHK側の番組出演者が別の見解を紹介するなり、別の意見を取り上げる番組を企画すればよいのであり、個々の番組の中で対立する意見を紹介しない番組はまかりならないなどといった判断は成り立ちません。
                                                        

【質問Ⅱ】
Ⅱ-1   NHKは原発問題を取り上げる予定だった中北徹氏の出演予定の上記番組を、中北氏の不同意にもかかわらず、放送中止とした理由をわかりやすく、ご説明ください。
Ⅱ-2   NHKは個々の番組の中で異なる意見を反映させない番組は常に放送しないという基準を採用しているのか、ケースバイケースで判断するのかどうかをお聞かせください。後者の場合は、どのような基準で採否を判断するのか、ご説明ください。

                                                                                  以上
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①へのNHKからの回答書
                        平成26年2月14日 
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ

共同代表 湯山哲守 様、醍醐 聰 様                                            経営委員会事務局
 貴会より1月27日付けおよび2月6日付けで、経営委員会宛てに頂いた申し入れにつきまして、以下のとおりお答えいたします。

 このたびの、籾井会長の就任会見における発言については、視聴者の皆さまから、さまざまなご意見、申し入れなどをいただいており、各方面にご迷惑をおかけしたものであると認識しております。
 一連の動きに関する経営委員会としての考え方につきましては、現在行われている国会審議における答弁、ならびに経営委員会終了後の記者ブリーフィングや議事録などにより公表させていただいております。

 したがいまして、ご意見、申し入れに関する個別のご回答は、現段階では、差し控えさせていただきます。
 何卒、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
───────────────────────────────────
②へのNHKからの回答書
                         平成26年2月14日
NHKを監視・激励する視聴者コミュニテイ
共同代表 湯山哲守・醍醐 聰様
                                                   日本放送協会   編成局
                                                     計画管理部長  黄木紀之
 貴コミュニテイ共同代表、湯山哲守様、醍醐聰様より当協会会長及び放送総局長宛てにいただきましたご質問につきまして、会長、放送総局長に代わり小職より回答いたします。

【ご質問I-1について】
 1月25日(土)の会長の記者会見での発言については、当日のニュースで、就任にあたって放送法の順守に努めるとともに、国際放送の充実に取り組む考えを示したことを伝えました。また、28日(火)には、衆議院本会議の代表質問で、民主党の海江田代表が取り上げた会長発言の質疑の様子をお伝えしました。さらに、2月7日(金)には、参議院総務委員会での質疑や、質問主意書に対する政府の答弁書の内容について放送しています。
 就任会見における会長の個人的な見解については、質問を受けたため、会長が個人的なコメントと断った上で述べたもので、同じ会見での記者とのやりとりのなかで、「全部取り消す」と発言する経過をたどりました。また、会長は、個人的な見解を放送に反映させることはないと発言しています。
 就任会見の報道にあたっては、こうした点をふまえてお伝えしました。

【ご質問I-2について】
 NHKの番組の編集権と編集責任は、最終的には業務の執行を総理する会長にありますが、具体的な運用の権限は番組制作部門の各番組責任者に段階をおって授権されています。これに対し、経営部門には、番組編集権は授権されておらず、経営部門が番組編集に関与することはありません。各番組の責任者は、その責任範囲について、放送法や国内番組基準(国際番組基準)、放送ガイドラインの基準に基づき、それぞれが主体的に編集判断を行っていますので、そこに経営部門の意向が反映されることはありません。
 また、NHKは放送法にもとづき、国内放送に関わる「中央放送番組審議会」と「地方放送番組審議会」、国際放送に関わる「国際放送番組審議会」を設け、放送番組の内容について学識経験のある方々の意見をうかがうこととしており、こうした制度上の仕組みも番組制作部門の自律を保障する役割を果たしていると考えています。
 公共放送として、不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、また、報道機関として国民の知る権利に奉仕する観点から、何人からも干渉されず、ニュースや番組が外からの圧力や働きかけによって左右されてはならないとする放送の自主・自律の姿勢を堅持して、今後も国民の負託に応えていく所存です。

【ご質問Ⅱ-1について】
 原発問題は東京都知事選挙の争点のひとつで、選挙期間中の番組でこの問題を扱う場合、NHKとしてはより公平性を期す必要かおり、中北教授が番組で述べようとした内容については、問題提起的な論説にとどまらないと判断いたしました。
 中北教授の出演を予定していた「ラジオあさいちばん」の「ビジネス展望」は、経済、金融、中小企業などが専門のレギュラー出演者に、自ら設定したテーマについてお話しをしていただく、およそ8分間のコーナーです。キャスターと出演者を電話で結び、収録または生放送で伝えるのが基本スタイルです。
 こうした番組の特性から、仮に異なる意見を紹介するような場合は、数日あるいは週を通じたシリーズを組んでお伝えする方法が考えられます。しかし、今回、中北教授から予定原稿がNHKに送られてきたのは、放送前日になってからのことでした。「ビジネス展望」のレギュラー出演者の方々には、大変多忙な中でご出演の予定を組ませていただいており、すでに年度末までの出演者が決まっておりました。
 放送が翌日に追っている中で、急きよ、原発問題をテーマにしたシリーズに変更し出演者を調整し直すことは、時間的にも物理的にも困難でした。このため、中北教授には今回はテーマを変更していただくようお願いしましたが、理解が得られませんでした。

【ご質問Ⅱ-2について】
 「個々の番組の中で異なる意見を反映させない番組は常に放送しない」というような基準はございません。NHKは、原則として、個々の番組において対立する意見の双方を伝えるよう努め、また企画や番組の演出により複数回にわたる場合は、同一のシリーズの中などで公平に取り扱うよう努めています。
 このようにNHKの放送全体として、公平性を確保するようにしています。

何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
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2014年1月27日 (月)

籾井NHK会長の解任と、会長の自主的辞任を求めます。

視聴者コミュニティは本日(1月27日)の午後、NHK視聴者部を通じて、下記の2つの申し入れ文書をNHK経営委員会と籾井(もみい)NHK会長に提出しました。
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NHK経営委員会御中                                    2014年1月27日
       籾井NHK会長の解任を求める申し入れ
                 NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                  共同代表 湯山哲守・醍醐 聰

 貴委員会におかれましては、日頃より、NHKの公共放送として充実をはかるためご尽力されていることと存じます。
籾井会長発言の要旨
 1月26日の全国紙各紙朝刊によれば、籾井勝人・NHK会長は25日に開催された会長就任の記者会見で、放送法を順守すると発言する一方で、次の様な発言をしたとのことです。
 第一に、NHKが行う国際放送に関し、「領土問題については明確に日本の立場を主張するのは当然のこと。政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない。」
  第二に、「従軍慰安婦」問題について、「戦時中だからいいとか悪いとは言うつもりは毛頭ないが、この問題はどこの国にもあったこと」、「韓国は日本だけが 強制連行をしたみたいなことを言うからややこしい。お金をよこせ、補償しろと言っているわけだが、日韓条約ですべて解決していることをなぜむし返すのか。 おかしい。」
 第三に、安倍首相らの靖国神社参拝について、「総理の信念で行かれた。それをいい悪いという立場に私はない。昔の人は戦争に行くときに『死んで靖国に帰る』と送り出した。こう言う人たちが大勢いる」
 第四に、特定秘密保護法の取扱いについて、「一応決まったことをああだこうだ言ってもしょうがないんじゃないか。必要ならやる。あまりかっかすることはない。」

当会の評価
 こうした籾井会長の発言は、以下に述べる三重の意味で、同氏がNHK会長職に不適格な人物であることを示したものと考えます。

1. 「放送法」に照らして
  「放送法」は第1条3項で、本法の目的を「放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」と定 め、第4条で「放送事業者は、・・・・放送番組の編集に当たつては、政治的に公平であること」を求めています。今回の籾井会長の、現政権の見解を代弁する に等しい一連の発言は、これら放送法の条項に反するものであり、放送法を率先して遵守すべき立場にあるNHK会長としてあるまじき発言です。

2. 「NHK放送ガイドライン」に照らして
  2011年に定められた「NHK放送ガイドライン」は冒頭で「報道機関として不偏不党の立場を守る」とし、「放送とは直接関係のない業務にあたっても、こ の基本的立場は揺るがない」と定めています。NHKの全役職員の先頭に立って、この不偏不党の立場を堅持すべき会長が、こともあろうに会長就任の記者会見 という職務遂行の場で時の政権の立場に寄り添うような発言をすることは、「NHK放送ガイドライン」に真っ向から反する暴言を吐いたものというほかありま せん。

 さらに、領土問題、靖国神社参拝問題の報道に関する籾井会長の発言は、「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」という言葉に代 表されるように、政府の見解を追認し、代弁するものです。しかし、「NHK放送ガイドライン」は国際報道の基本姿勢として、「各国の利害が対立する問題に ついては、一方に偏ることなく、関係国の主張や国情、背景などを公平かつ客観的に伝える」と定めています。この点で、籾井会長の発言はアジア諸国に対する 日本の侵略責任を認めた村山談話を無視する一方で、国内でも異論が多い現政権の歴史認識を代弁するものであり、上記の「NHK放送ガイドライン」に背くも のです。また、「従軍慰安婦」問題についての発言は、河野談話によって日本政府の公式見解となり歴代内閣が踏襲してきた立場を真っ向から否定するもので す。
加えて、籾井会長の発言は、昨今、日韓・日中両国はもとより、アメリカや欧州諸国からも厳しく警告・批判されている日本政府の偏狭な歴史認識 を代弁するものですが、それは「NHK放送ガイドライン」が定めた「国際平和や、各国国民との相互理解、友好・親善の促進に貢献する」という規定にも逆行 するものです。

 次に、特定秘密保護法について、籾井氏は、通ったものをどうこういってもしょうがないと発言しましたが、同法案が成立した後に行 われた世論調査でも、法案の国会審議が「十分でない」という回答が76%、法案自体に「反対」が51%を占め、「賛成」の24%の2倍以上となっています (「朝日新聞」2013年12月7日調査)。また、同法の修正・廃止を求める意見が合せて82.3%に達しています(「共同通信」2013年12月8・9 日調査)。現に、複数の政党は今国会に同法の廃案法案を提出する準備をしています。
 このような世論および政治の状況に照らせば、今回の籾井会長の発言は、「政治上の諸問題の扱いは、あくまでも公平・公正、自主・自律を貫き、・・・・視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝える」と定めた「NHK放送ガイドライン」に真っ向から反しています。

3. 指名部会が合意した次期会長の資格要件に照らして
  経営員会内に設置された指名部会の第8回部会(2013年11月26日開催)会議録によれば、次期会長の資格要件として6点が合意されたと記され、その第 1に「NHKの公共放送としての使命を十分に理解している」こと、第3に「政治的に中立である」ことが挙げられています。籾井会長の会長就任会見での一連 の発言はこれら両項に背反することは明らかであり、経営委員会が合意した資格要件に照らしても籾井氏はNHK会長に不適格な人物と言わなければなりませ ん。

当会の申し入れ
1. 以上3つのどの観点から検討しても、籾井氏がNHK会長の職に不適格な人物であること、NHKに対する視聴者・国民の信頼を著しく損ねたことは明らかです。よって、当会は、会長任命機関としての貴委員会に対し、すみやかに籾井氏をNHK会長職から解任するか、籾井氏に辞職を勧告されるよう申し入れます。
2. 会長就任早々、言論・報道機関の責任者としての自覚のなさをさらけ出す発言をするような人物を選任した貴委員会の責任は極めて重大です。なぜ、そのような選任になったのかを徹底的に検証し、審議の模様をそのまま議事録として公開するよう求めます。
3.  ここ数年、NHK会長選考が混迷したり、選任された会長が問題発言をしたりすることによってNHK会長の威信が著しく低下しています。こうした事態を改 めるには、現在のNHK会長選考のシステムを、視聴者に開かれた、より透明なものにするよう抜本的に改革する必要があると考えます。その第一歩として、当 会はNHK会長選考のあるべき仕組みについて、広く視聴者から意見を求める機会(パブリックコメントや公聴会の開催)を近々に設けるよう求めます。
 以上3点の申し入れに関する貴委員会の対応なりご見解を、2月10日までに別紙掲載宛てに書面でご回答くださるようお願いします。  以上
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NHK会長                                          2014年1月27日
籾井勝人 様
          会長職の自主的辞任を求める申し入れ
                NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                 共同代表 湯山哲守・醍醐 聰
 貴職におかれましては、日頃より、NHKの公共放送として充実をはかるためご尽力されていることと存じます。
 しかし、1月26日の全国紙各紙朝刊によれば、貴職は25日に開催された会長就任の記者会見で、放送法を順守すると発言される一方で、次の様な発言をされたとのことです。
 第一に、NHKが行う国際放送に関し、「領土問題については明確に日本の立場を主張するのは当然のこと。政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない。」
  第二に、「従軍慰安婦」問題について、「戦時中だからいいとか悪いとは言うつもりは毛頭ないが、この問題はどこの国にもあったこと」、「韓国は日本だけが 強制連行をしたみたいなことを言うからややこしい。お金をよこせ、補償しろと言っているわけだが、日韓条約ですべて解決していることをなぜむし返すのか。 おかしい。」
 第三に、安倍首相らの靖国神社参拝について、「総理の信念で行かれた。それをいい悪いという立場に私はない。昔の人は戦争に行くときに『死んで靖国に帰る』と送り出した。こう言う人たちが大勢いる」
 第四に、特定秘密保護法の取扱いについて、「一応決まったことをああだこうだ言ってもしょうがないんじゃないか。必要ならやる。あまりかっかすることはない。」
 こうした貴職の発言は、以下に述べる三重の意味で、貴職がNHK会長職に不適格な方であることを示したものと考えます。

1. 「放送法」に照らして
  「放送法」は第1条3項で、本法の目的を「放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」と定 め、第4条で「放送事業者は、・・・・放送番組の編集に当つては、政治的に公平であること」を求めています。現政権の見解を代弁するに等しい今回の貴職の 発言は、これら放送法の条項に反するものであり、放送法を率先して遵守すべき立場にあるNHK会長としてあるまじき発言です。

2. 「NHK放送ガイドライン」に照らして
  2011年に定められた「NHK放送ガイドライン」は冒頭で「報道機関として不偏不党の立場を守る」とし、「放送とは直接関係のない業務にあたっても、こ の基本的立場は揺るがない」と定めています。NHKの全役職員の先頭に立って、この不偏不党の立場を堅持すべき会長が、こともあろうに会長就任の記者会見 という職務遂行の場で、時の政権の立場に寄り添うような発言をすることは、「NHK放送ガイドライン」に真っ向から反する暴言を吐いたものと言うほかあり ません。
 さらに、領土問題、靖国神社参拝問題の報道に関する貴職の発言は、「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」という言葉に代表 されるように、政府の見解を追認し、代弁するものです。しかし、「NHK放送ガイドライン」は国際報道の基本姿勢として、「各国の利害が対立する問題につ いては、一方に偏ることなく、関係国の主張や国情、背景などを公平かつ客観的に伝える」と定めています。この点で、貴職の発言はアジア諸国に対する日本の 侵略責任を認めた村山談話を無視する一方で、国内でも異論が多い現政権の歴史認識を代弁するものであり、上記の「NHK放送ガイドライン」に背くもので す。また、「従軍慰安婦」問題についての発言は、河野談話によって日本政府の公式見解となり歴代内閣が踏襲してきた立場を真っ向から否定するものです。
加 えて、貴職の発言は、昨今、日韓・日中両国はもとより、アメリカや欧州諸国からも厳しく警告・批判されている日本政府の偏狭な歴史認識を代弁するものです が、それは「NHK放送ガイドライン」が定めた「国際平和や、各国国民との相互理解、友好・親善の促進に貢献する」という規定にも逆行するものです。

  次に、特定秘密保護法について貴職は、上記第4のような発言をされましたが、同法案が成立した後に行われた世論調査でも、法案の国会審議が「十分でない」 という回答が76%、法案自体に「反対」が51%を占め、「賛成」の24%の2倍以上となっています(「朝日新聞」2013年12月7日調査)。また、同 法の修正・廃止を求める意見が合せて82.3%に達しています(「共同通信」2013年12月8・9日調査)。現に、複数の政党は今国会に同法の廃案法案 を提出する準備をしています。
 このような世論および政治の状況に照らせば、今回の貴職の発言は、「政治上の諸問題の扱いは、あくまでも公平・公正、自主・自律を貫き、・・・・視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝える」と定めた「NHK放送ガイドライン」に真っ向から反しています。

3. 指名部会が合意した次期会長の資格要件に照らして
  経営員会内に設置された指名部会の第8回部会(2013年11月26日開催)会議録によれば、次期会長の資格要件として6点が合意されたと記され、その第 1に「NHKの公共放送としての使命を十分に理解している」こと、第3に「政治的に中立である」ことが挙げられています。貴職の会長就任会見での一連の発 言はこれら両項に背反することは明らかであり、経営委員会が合意した資格要件に照らしてもNHK会長に不適格だと言わなければなりません。
以上3 つのどの観点から検討しても、貴職がNHK会長の職に不適格であること、今回の発言によりNHKに対する視聴者・国民の信頼を著しく損ねたことは明らかで す。よって、当会は、貴職がこれらの責任を自覚され、自らのご判断ですみやかにNHK会長職を辞されるよう申し入れます。                以上
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2013年11月23日 (土)

昨日 経営委員会あてに「NHK会長選考に関する申し入れ」書を手交してきました。

 NHK経営委員各位                       2013年11月22日
                NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                    共同代表 醍醐聰・湯山哲守

           NHK会長選考に関する申し入れ

 当会は日頃より、NHKが公共放送充実のためにどのように尽力されているかを注視しています。そして政治権力がNHKを支配しようとするいかなる試みにも厳しい監視を行っております。
 去る8日、欠員5人の経営委員に対して、安倍内閣が国会に提出した再任1人、新任4人が承認され、早速12日に新委員を含む経営委員会が開催されたということです。新委員会の当面の最大課題は会長人事です。来年1月25日に任期を迎える松本正之会長の「続投」か「更迭」かがメディアでも注目されています。

 今回の経営委員人事は異常なものでした。新任の4人の方々が全て安倍首相と直接接触を持ってきた「縁故者」だったことは、歴史的に見て異例でかつ公的機関の公正性に疑念を抱かせる汚点を残しました。しかし、経営委員になられた以上は、「縁故」を引きずらずに放送法に準拠して日本のジャーナリズムの重要な一翼を担う「公共放送」の経営にあたって頂きたいと切に願うものです。特に放送法第一条に定められているように「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」、「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」に尽力して頂きたい。また、同第三条(放送番組編集の自由)にかかわっては、くれぐれも政治権力から自立して、放送番組が「何人からも干渉されない」ように、そして自らも決して干渉することのない(放送法32条)ように、心がけて頂きたいと思います。

 さて、現在、「特定秘密保護法案」が国会で審議されていることに関して、当会は11月6日付で松本正之NHK会長あてに、NHKも加盟している新聞協会が表明している4つの危惧について、NHKが報道機関として見識ある態度表明を行うべきではないか、放送の中でも「国民の知る権利のために」「健全な民主主義の発達に資する」立場で解説を行ってほしいと要望しました。しかし、その要望は拒否され、よる7時と9時のニュースでは、もっぱら「政府与党の法案に対する修正が行われるか否かの報道」に終始し、結局政府与党の「野党からの賛成を得て裁決」の路線に協力する報道に偏っています。ドキュメンタリーやドラマで「健全な民主主義の発達に資する」番組が精力的に制作・放送されていることと対照的に、ニュース番組が「政府の公報放送」に堕している印象が強いのは残念なことです。

 NHK会長の選出をめぐっては、当会は2010年11月次のような基準で行うよう要望しました。
① 会長の選出基準については、ジャーナリズムと放送の文化的役割についての高い見識を持ち、言論・報道機関の責任者として、放送の自主・自立の姿勢を貫ける人物であるかどうかを判断の柱にすえること。
② 会長選出の審議経過の議事録を公開し、説明責任を果たすこと。
③ 経営委員会が公募した会長候補の中から会長を任命する公募制を採用すること。
④ 会長候補について、指名委員会で「候補者」が絞られたあと、経営委員会で即決しないこと(少なくとも1週間をおくこと)。およびその間に「候補者」に「ジャーナリズムと放送の文化的役割についておよびNHK会長就任への抱負」等の所信を表明する機会を設けること
 これらの基準は現在でも極めて有効なものと考えます。経営委員会の議論が疑念の目で見られている今日、むしろ益々意義あるものと言うことができます。塾考の上でのご高配を要望します。
 くれぐれも、財界から安倍首相の意を汲んだ会長の招聘を行うなどの愚行は犯さないでもらいたいと切に願うものです。       以上申し入れます。

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2013年11月16日 (土)

NHKに「特定秘密保護法案に対する意見書提出のお願い」を出しました。

                         2013年11月15日
日本放送協会会長
松本正之 様
               NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                    共同代表 醍醐聰・湯山哲守

      特定秘密保護法案に対する意見書提出のお願い

 平素から厳正な取材に基づく、放送の提供に厚く御礼申し上げます。
 私たちNHKを監視・激励する視聴者コミュニティは、NHKが自由な取材に基づく、中立、公正な報道をなしているかに常に関心を抱き、時には苦言を、時には激励の言葉を発して参りました。

 ところが過日、安倍政権が特定秘密保護法案という、憲法で保障された言論の自由を圧迫する極めて深刻な法案が提出されるという事態が判明し、大いに危惧しているところであります。
 既に報道機関の集合組織でかつ貴局もその一員である新聞協会は10月2日、これに対する危惧の念を示した意見書を提出しました。特に報道機関の正当な取材に対する罰則は、取材、報道の自由によって成り立っている中立、公正な報道に多大な影響を与えるとして、(一)秘密の範囲・対象の明確化、(二)厳罰化による公務員の情報公開への萎縮、(三) 取材・報道の自由は侵害しないとの明文規定の明示、(四) 何が特定秘密に当たるかをチェックする仕組みの設定、などを求めました。

 この様な点が曖昧なままに法案が成立すれば、民主主義の根幹である「国民の知る権利」が損なわれる恐れがあると、強い危惧を表明しています。
 新聞と共に国民の知る権利の一翼を担うNHKにおいても、同様の危惧は横たわっていると思われます。迅速克つ明確に本法案の提出に危惧の念を表明し、かつ放送の中でもその危険性についての解説を視聴者に提供して戴くようお願い申し上げます。          以上

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2013年11月 5日 (火)

「NHK経営委員補充人事案件に不同意を!」の要請書を提出しました。

NHK経営委員の補充人事について5人とも不同意されるように衆参議長および各政党の総務委員(総務委員がいない場合は議員)あてに要請書を提出しました。
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衆議院議長 伊吹文明様                2013年11月1日
同総務委員会委員各位
参議院議長 山崎正昭様
同総務委員会委員各位
                NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                      共同代表 醍醐聰・湯山哲守

側近を大量にNHK経営委員会に送り込む安倍首相の専断的手法を許さないために同意人事の否決を!

 当会は日頃より、NHKが公共放送充実のためにどのように尽力されているかを注視しています。そして政治権力がNHKを支配しようとするいかなる試みにも厳しい監視を行っております。
 報じられるところによれば、安倍内閣は10月25日、国会に同意人事案件であるNHK経営委員の補充(4人新任、1人再任)案を提示したということです。新任4人とは作家・百田尚樹、埼玉大学名誉教授・長谷川三千子、海陽中等教育学校校長・中島尚正、日本たばこ産業顧問・本田勝彦の四氏で、再任はJR九州会長・石原進氏です。12人の経営委員定数の内の4人ともなれば、NHK会長人事を行う経営委員会の大勢に重大な影響を及ぼすものです。第2次安倍内閣になって2度目の経営委員人事です。発表記者会見で菅官房長官はこの人事案件が「自らが信頼し、評価している方にお願いするのはある意味では当然だ」として、首相主導で練られたことを隠そうとしなかったと報じられています。その言葉通り、その新任の候補者は全て安倍首相に極めて近い、いわば「お友達」ばかりです。まさに安倍氏がNHK経営委員会の私物化を図ろうとしていると言わざるをえません。「お友達」だけを集めた「安保法制懇」(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)から「集団的自衛権発動の合憲解釈」のお墨付きを得たときと同じような危惧を抱かせる手法です。しかし、NHK経営委員会は私的懇談会とは違います。しかも「報道の公正性」は権力の恣意的な「コントロール下」に決して置いてはならないものです。NHK会長人事は勿論のこと、2001年にNHKに番組改変を迫って実現させた実績を持つ安倍氏が首相であることを考えると、政権の放送内容への干渉などが極めて憂慮される事態です。

 まず、石原進JR九州会長を再任させようとすることは「原発推進」を狙う安倍内閣の強い意思を表わしています。石原氏は昨年末の衆議院選挙に先立ち、選挙戦の重大争点であった「原発再稼働」を声高に様々な場所で叫んで、NHK経営委員としての立場をわきまえない言動を行ったことから、当会として、厳重に抗議を行った人物です。この「政治的」働きが買われて再任されたとすれば由々しきことです。
 そして何よりも問題なのは、安倍氏が「信頼する」新任の4人の経歴や発言語録です。まず、本田勝彦氏は、さる6月の経営委員人事で政府が「委員長候補」として押し付けようとした際に、「安倍氏の学生時代の家庭教師」だった経歴が問題となり、内外の批判をあび、「欠員」のまま見送った経緯があります。この「委員長送り込み」報道に対して当会は、声明「NHK経営委員及び経営委員長の選任報道について」(5月20日付)を発表して、①委員長は経営委員の互選という放送法に違反すること、②第1次安倍内閣時に「安倍氏の財界人懇談会(四季の会)」メンバーの古森重隆氏を経営委員長として強引に送り込んでNHK経営委員会を撹乱させたことなどを指摘・喚起して、本田氏の就任に異議を申し立てました。
 百田尚樹氏は自らのツイッターで、「日本人の命が他国の軍隊によって奪われようとしている時に、それを防ぐ自衛隊員の戦いが、『自衛のための正当防衛』か『それとも正当業務行為』かを議論するという行為が、いかにむなしくバカバカしいものか」などと憲法9条の厳格な運用を敵視する見解を数限りなく披露しています。また、長谷川氏はインターネット・桜チャンネルで自らの憲法観を詳しく披露し、「第9条の神話を一回、突き崩す必要がある」などと、百田氏と同様、憲法9条に対して強烈に敵意をいだいていることをあからさまにしています。百田氏と長谷川氏はともに、「昨年9月の自民党総裁選挙において安倍氏を応援した」と言われます(「毎日」10月26日付)。また、中島氏は安倍氏の私的懇談会「四季の会」の幹事・葛西敬之JR東海会長の肝煎りで創られた海陽中等教育学校の校長という肩書きです(同上)。

 以上をまとめると、国会が今回の人事を承認すれば、第一に公共放送のトップ組織が安倍晋三首相の私的組織に変質させられる危険を孕んでいること、第二にそのことによって、NHK会長をはじめ公共放送が安倍首相の画策する改憲路線の一翼を担う組織に変貌させられる入り口に立ってしまう危険があるということです。

 3年前、2010年の経営委員選任にあたって、当会も参加する「開かれたNHKをめざす全国連絡会」は、衆参両院の全総務委員宛に「申し入れ」を行いましたが、その中で「多くのメディア研究者やジャーナリスト、各地の市民団体の再三にわたる申し入れにもかかわらず、特定の経営委員ポストを財界人の指定席かのようにたらい回しする悪弊が続いています。」と指摘し、「NHKが担うべきジャーナリズムとしての機能とゆたかな文化をはぐくむ役割を深く理解し、NHKを権力から自立したメディアとする砦としての役割」を担える経営委員の選任を要望しました。
 国会が、新経営委員は財界人や「安倍首相の近親者」で占めるのではなく、その使命にふさわしい人材を登用する立場に立ち、当人事案件を否決することを切に望むものです。-----------------------------------------------------------------

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2013年5月30日 (木)

NHK経営委員及び経営委員長の選任報道についての声明

声明                                                          2013年5月28日
NHK経営委員及び経営委員長の選任報道について
             NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表
                              醍醐  聰
                              湯山哲守
 
 一連の報道によれば、5月21日、政府は衆参両院の議院運営委員会理事会に、6月19日に任期切れを迎えるNHK経営委員長の浜田健一郎氏(ANA総合研究所会長)と室伏きみ子氏(お茶の水女子大教授)の再任と上田良一(三菱商事副社長)、宮田亮平(東京芸術大学長)、美馬のゆり(公立はこだて未来大教授)の3氏の新任案を提示したとのことです。
 この問題をめぐって、この間一部の報道には不可解かつ重大な問題を含んだものがありました。報道は5月13日付の「日本経済新聞」、「時事通信」から始まりました。それは「NHK、浜田経営委員長退任へ 後任はJT本田氏軸に」人事案を国会に提示するというものでした(「日経」)。他のほとんどの報道機関が「沈黙」する中、19日付で「朝日新聞」が「JTの本田氏NHK経営委員長就任へ」という見出しで「浜田委員長の退任と本田勝彦氏の委員長就任」を断定的に報じる一方、他の経営委員候補の氏名には触れませんでした。
上記朝日新聞の報道は、「安倍内閣はNHK経営委員に日本たばこ産業(JT)の本田勝彦顧問(71)を起用し、・・・国会同意が得られれば、本田氏は委員による互選で経営委員長に就任する見通し。」というものでした。この「朝日」の報道姿勢自体には重大な疑義があるのであとで問題にしますが、とりあえず本田氏の紹介を次のようにしていました。「本田氏は東大卒、JTで2000年に生え抜きとして初めての社長に就任。06年までトップを務めた。学生時代に安倍首相の家庭教師をしていたことでも知られる。」この段階でのこの報道には看過できない問題がありました。その後の報道によれば、21日に政府が提出した経営委員候補名簿に本田勝彦氏の名前はなく、再任拒否を予定していた浜田健一氏を急遽再任するとされました。名簿提出を受けて他の報道機関も簡単な「顛末」を添えて「本田氏を断念し、浜田氏の再任」の報道を行いました。

 一連の報道において看過できない問題は以下の通りです。
 第一は、これらの情報は「政府・総務省」筋からのリークによるものと考えられますが、その政府筋から示された「意向・方針」は「放送法のNHK経営委員長選出を定める条項」に抵触する越権行為です。放送法の精神は12人の経営委員全員が揃った状態で「互選」をして委員長を選出するということであり、政府が予め委員長を指定して選出することは違法であるのみならず現職経営委員を侮辱するものです。安倍第一次内閣が「委員長指名」人事報道によって「古森経営委員長」を強引に押しつけたことを想起させます。
 第二は、「財界人の『たらい回し』人事」をまたもや行おうとしていたことです。1989年〜90年在任したジャーナリスト出身の天野歓三氏を最後にその後の歴代8人が「財界人」で、しかもその多くが財界トップだった人々です。
3年前、2010年の経営委員選任にあたって、当会も参加する「開かれたNHKをめざす全国連絡会」は、衆参両院の全総務委員宛に「申し入れ」を行いましたが、その中で「多くのメディア研究者やジャーナリスト、各地の市民団体の再三にわたる申し入れにもかかわらず、特定の経営委員ポストを財界人の指定席かのようにたらい回しする悪弊が続いています。」と指摘し、「NHKが担うべきジャーナリズムとしての機能とゆたかな文化をはぐくむ役割を深く理解し、NHKを権力からの自立したメディアとする砦としての役割」を担える経営委員の選任を要望しました。今回も新経営委員がその使命にふさわしい人材であることを望みます。
 第三は、安倍首相の悪癖である、「お友達人事」です。先の古森重隆氏は当時の安倍首相の財界人懇談会である「四季の会」メンバーでした。その古森氏が経営委員長在任中、さまざまな問題を引き起こし、事実上の「不再任」となったことは記憶に新しいことです。今回「指名」を取りざたされている本田勝彦氏は安倍首相の「学生時代の」家庭教師だったという、極めて密接な「知己の人」です。このような「お友達人事」を繰り返すことは噴飯ものといわなければなりません。権力を監視する使命を持つメディアのトップに「知人」を当てる無神経さは糾弾されなければなりません。
 最後に朝日新聞の姿勢についてです。19日付の記事の「国会同意が得られれば、本田氏は委員による互選で経営委員長に就任する見通し。」という表現は放送法をないがしろにするものです。今回の改選は5人ですが、そのうちの1人を特別扱いして「互選で」決まるだろうと予断報道をすることは他の経営委員対する「冒涜」です。
 実は2007年の「古森委員長内定報道」に際し、当会は朝日新聞社と担当記者に質問状を送付しこの点について質しましたが、それへの「回答」は「取材によって得られた証言や資料に基づき、政府が方針を決めたという事実を報道し、・・・必ずしも最終決定を待つのではなく、取材の結果、見通しが固まった段階で、いち早く報じることが読者に対する責務だ」と回答してきました。その際の報道では、断定的に「安倍首相と菅総務相の会談で内定した」となっていました。今回も政府筋の意向をそのまま報じたことに変わりはありません。ちなみに、今回の「報道」では、「日経」、「時事通信」は「経営委員長に就任する見通し」という独断報道はしていません。また、5月20日までは当会の知る限り、07年とは違って、その他のメディアが一切この件について「リーク報道」に加担していなかったことはジャーナリズムの見識を示したものと考えます。
 その後の朝日新聞報道は、「本田案」が自らの報道などで事前に公になったことによって「頓挫」したことをあれこれ釈明しています。しかし、顛末はどうであれ、経営委員長は経営委員が互選するという「放送法」の定めをわきまえず、政府が特定の人物を経営委員長に指名するかのような「新聞辞令」を相も変わらず報道したことは、政府からのNHKの自立をメディア自らが放擲するに等しい行為と断じざるを得ません。         以上。

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2012年12月16日 (日)

経営委員会宛て質問書と石原委員の辞任要求をNHKに提出しました。

石原委員の発言と數戸前経営委員長の献金問題の質問書(報告)
                    2012年12月14日
日時:12月14日 10時半から約45分間
NHK対応:経営委員会事務局   調 弘誓副部長
視聴者事業部 視聴者部       山本健一副部長
         〃     〃 米森公二副部長
参加者:醍醐共同代表、渡邉運営委員

【経緯】
 経営委員の石原進氏(JR九州会長)が原発問題について極めて重大な発言を幾度もしており、財界人として経済界の利害に沿った発言・行動をしたいのなら、政治的にも自主・自立を生命線とするNHKの意思決定・監督機関の委員を退くべきであり、経営委員の職にとどまりながら、原発問題が大きな政治的争点となっている状況の中でこのような発言を繰り返すのは致命的な誤りです。同時に數戸前経営委員長の献金問題も看過できない問題と考え、①経営委員長と委員各位宛の質問状と、②石原委員宛ての辞任要求書を、それぞれ経営委員会事務局に手交しました。面談の日程について10日に申し入れをしましたが、経営委員会事務局の都合で14日の開催となりました。

【面談の様子】
 今回は、何時もの窓口の視聴者部だけでなく経営委員会事務局とも直接面談し、醍醐共同代表から質問状の趣旨説明を行いました。
Q:浜田委員長は最近の記者会見で献金問題について発言しているが趣旨は?
A:自分は国会議員への献金はしていないし、する積りも無い。ただ県知事については高校時代の友人たちと少し出した。
Q:石原発言を問題視する報道は見当たらないが、経営委員会には問題視する声は届いていないか?
A:特に聞いていない。
Q:まず、石原氏の問題意識の有無を確認したい。
近頃、経営委員がNHKの信頼を無くすような足を引っ張る事態が続くなか、経営委員の職務の遂行状況をチェックすべき監査委員が職務をキチンと果たしていないのではないか? 新任の経営委員は放送法、放送ガイドラインについてキチンと説明を受けているのか?
A:私(調氏)が着任して以降は新任の経営委員はいないので、直接、確認はできないが、そういった文書の説明はされていると思う。
Q:今日提出した2通の文書は次回経営委員会(12月18日)までに全経営委員に届けてほしい。
また25日までに質問状の返事を出来ない場合はこれまでのように事前に連絡をお願いします。
A:分かりました。質問状は18日の経営委員会前に各委員に届くようにします。
                           以上
追記:情報公開の問題で、経営委員だけの会の議事録について問題提起しました。
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                      2012年12月14日
NHK経営委員会 委員長・浜田健一郎 様
経営委員各位
            NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                 共同代表 醍醐聰・湯山哲守
放送法違反発言を繰り返す石原経営委員の資質と數土文夫・前経営委員長の献金問題についての質問状

 当会は日頃より、NHKが公共放送の充実のためにどのように尽力されているかを注視しています。以下の2点について貴委員会の見解を質します。

 1.石原進経営委員による放送法違反の一連の発言について

 私たちは、石原進経営委員が昨年来、NHK経営委員の立場にありながら、「原発再稼働促進」の政治的発言を繰り返していることに強い驚きを禁じ得ません。
 報道によれば同委員は、昨年5月唐津市での講演会で「原子力発電所の維持は必要」として、九州電力玄海原発2、3号機の運転再開に触れ、「玄海原発は津波の歴史もない安全な地域の原発」などと述べました(asahi.com 2011年5月19日)。続けて6月、福岡市で記者会見を行い、「代替エネルギーで原子力を補うには相当な時間が必要。国、県、九電で徹底的に安全問題を詰め、安全を確認した上で原子力を活用すべきだ」と語ったと報じられ(佐賀新聞2011年6月1日)ました。
さらに本年9月には、「電気料金は最大2倍になると見込まれ、国内産業が立ちゆかなくなる・・・長期にわたって一定程度の原子力比率を維持する必要がある」と発言し(毎日新聞9月15日)、あろうことかつい先日には、総選挙の大きな争点として「原発政策」が浮上している最中に、福岡市で450人の財界人を前にして、「原発を全廃すれば、電気料金が2倍となり、日本の産業は死ぬ」とまで述べ、原発の早期再稼働を訴え、再生可能エネルギーは原発の代替電源となり得ないとの考えを強調。民主党が掲げる「2030年代の原発ゼロ」について「日本国家が潰れ、失業者だらけになる。」と批判したと報じられ(産経新聞 11月30日)ました。3.11事故以降、電力を原発に依存するのかどうか世論が二分される中で、選挙戦の重大な争点である問題について一方に偏する発言を続けることは異常です。

 このような言動が放送法第1条の「放送の不偏不党、真実及び自律の保障」、第3条の2の「政治的に公平であること」に反することは明白です。もし上記一連の発言が「放送電波に乗せたものではない」という抗弁をされるのであるなら、それは浅薄な解釈と言わなければなりません。3代前の経営委員長・古森重隆氏が必ずしも「放送」そのものに関してだけではなく、「安倍晋三氏を囲む経済人の会」に参加していることおよび、国会議員を励ます会の発起人に名を連ね、挨拶を行ったことが指弾の対象になったことは記憶に新しいことです。「不偏不党」を標榜し、それを厳しく「生命線」と位置づけて「全役職員があらゆる業務にあたって貫くべき」であると謳った「新放送ガイドライン」に照らすなら、同委員の言動がそれに背反することは明らかです。そこで質問します。

 質問1 石原委員の「原発稼働推進」発言は放送法ならびに新放送ガイドラインに抵触するという当会の見解を経営委員会は如何に考えますか?抵触するということであれば「辞任勧告」をされたら如何でしょうか。
 なお、この件に関しては、別途直接、石原委員に「辞任要求」を提出していることを付記します。

2. 数土前経営委員長の在職中の政治献金問題について

 去る11月30日に、2011年の政治資金収支報告書が公表され、NHK前経営委員長・数土文夫氏が経営委員長在任中に、衆議院議員3人に計20万円の献金をしたことが朝日新聞などによって報道されました。民主党の安住淳国対委員長(当時)と古川元久国家戦略担当相(当時)と自民党石原伸晃幹事長(当時)であったということです。12月4日の定例会見で貴職は「数土前委員長は個人の判断でされたと思うので、コメントは差し控えたい。」と不問に付す態度を示されました。しかし、この態度は放送法や自ら定めた「放送ガイドライン」に示される精神を軽んじる安易な行為であったと言うべきです。この問題を放置すればNHKへの信頼性が失われます。まして、数土前委員長は、NHK経営委員長を務めながら、取材対象である東京電力の社外取締役に就任しようとしてNHK内外からその軽率ぶりを指弾されました。今回の献金問題は経営委員を「辞任」することにつながった無定見と無関係ではないと考えられます。

放送法は第49条で、「協会に、役員として、経営委員会の委員のほか、会長1人、副会長1人及び理事7人以上10人以内を置く」と定めています。ここから、NHKの理事等ばかりでなく、経営委員もNHKの役員とされていることは明らかです。「NHK放送ガイドライン」は冒頭に「自主・自律の堅持」を掲げ、具体的に次のように述べています。
「NHK は、公共放送として、憲法で保障された表現の自由のもと、正確で公平・公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発展と文化の向上に寄与する。この役割を果たすため、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されない。ニュースや番組が、外からの圧力や働きかけによって左右されてはならない。・・・全役職員は、放送の自主・自律の堅持が信頼される公共放送の生命線であるとの認識に基づき、すべての業務にあたる。」 と。
 つまり、NHKの経営委員(長)には一般的な意味での政治的中立性にとどまらず、NHKの役員という立場上、「不偏不党の立場を守り」、公共放送としての信頼を維持する生命線として「放送の自主・自律の堅持」が要請されているのです。 こうした具体的な定めに照らして、数土氏が経営委員長に在任中(2010年12月11日~2012年5月24日)に特定の政党の幹部である3名の国会議員に政治献金を行った行為が「NHK放送ガイドライン」に違反することは明らかです。経営委員各位が上記の使命を自覚して二度と今回のような愚挙を引き起こさないように、検証して教訓を明らかにすべきではないでしょうか。
 質問2 当会は経営委員会が率先して、放送の自主自立、不偏不党の立場を堅持するために、在任中は政治献金はもとより、特定の政治的立場に立った言動は慎むことを申し合わせされるよう要請します。この要請に対する見解をお聞かせ下さい。
以上、お忙しいことと存じますが、12月25日までにお返事を頂けると幸いです。
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                     2012年12月14日
NHK経営委員 石原 進 様
          NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                共同代表 醍醐聰・湯山哲守

放送法違反発言を繰り返す貴職の辞任を要求します

 当会は日頃より、NHKが公共放送の充実のためにどのように尽力されているかを注視しています。
 さて私たちは、貴職が昨年来、NHK経営委員の立場にありながら、「原発再稼働促進」の政治的発言を繰り返していることに強い驚きを禁じ得ません。
 報道によれば貴職は、昨年5月唐津市での講演会で「原子力発電所の維持は必要」として、九州電力玄海原発2、3号機の運転再開に触れ、「玄海原発は津波の歴史もない安全な地域の原発」などと述べました(asahi.com 2011年5月19日)。続けて6月、福岡市で記者会見を行い、「代替エネルギーで原子力を補うには相当な時間が必要。国、県、九電で徹底的に安全問題を詰め、安全を確認した上で原子力を活用すべきだ」と語ったと報じられ(佐賀新聞2011年6月1日付)ました。
さらに本年9月には、「電気料金は最大2倍になると見込まれ、国内産業が立ちゆかなくなる・・・長期にわたって一定程度の原子力比率を維持する必要がある」と発言し(毎日新聞9月15日付)、あろうことかつい先日には、総選挙の大きな争点として「原発政策」が浮上している最中に、福岡市で450人の財界人を前にして、「原発を全廃すれば、電気料金が2倍となり、日本の産業は死ぬ」とまで述べ、原発の早期再稼働を訴え、再生可能エネルギーは原発の代替電源となり得ないとの考えを強調。民主党が掲げる「2030年代の原発ゼロ」について「日本国家が潰れ、失業者だらけになる。」と批判したと報じられ(産経新聞11月30日)ました。3.11事故以降、電力を原発に依存するのかどうか世論が二分される中で、選挙戦の重大な争点である問題について一方に偏する発言を続けることは異常です。

 このような言動が放送法第1条の「放送の不偏不党、真実及び自律の保障」、第3条の2の「政治的に公平であること」に反することは明白です。もし上記一連の発言が「放送電波に乗せたものではない」という抗弁をされるのであるなら、それは浅薄な解釈と言わなければなりません。3代前の経営委員長・古森重隆氏が必ずしも「放送」そのものに関してだけではなく、「安倍晋三氏を囲む経済人の会」に参加していることおよび、国会議員を励ます会の発起人に名を連ね、挨拶を行ったことが指弾の対象になったことは十分留意されるべきです。「不偏不党」を標榜し、それを厳しく「生命線」と位置づけて「全役職員があらゆる業務にあたって貫くべき」であると謳った「新放送ガイドライン」に照らすなら、貴職の言動がそれに背反することは明らかです。
 以上、当会は貴職が経営委員として不適格であると断じ、自ら辞任されるよう要求します。

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NHKから回答がありました。

醍醐 聰 様                    平成25年1月18日
湯山 哲守 様
 貴会より経営委員会宛てに頂いた質問状に対し、浜田経営委員長の指示を受け、事務局より以下のとおり回答させていただきます。

1)経営委員会は様々な分野からいろいろな考えを持った方々が選ばれており、それによって国民の広範な意見が反映される仕組みとなっています。  
経営委員会においては、各委員とも放送法などを遵守して職務にあたっております。
なお、ご承知のとおり、放送の編集権は法律上執行部にあり、ご指摘の発言が放送に影響を与えることは一切ありません。

2)各委員が個々の判断で適切に行動されることであり、経営委員会として何らかの申し合わせを行うことは考えておりません。

 ご質問に対する回答は以上ですが、経営委員会として引き続き視聴者の皆さまの信頼が得られますよう努力してまいります。
                   経営委員会事務局

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2012年11月30日 (金)

総選挙報道についての要望を申し入れました。

総選挙にあたっての要望 ”総選挙にあたって争点提示型の公平な放送を要望します”を申し入れました。
日時:2012年11月27日 10時半から約30分間
NHK対応:視聴者事業部 視聴者部 山本健一副部長
                  〃                〃         米森公二副部長
参加者:醍醐共同代表、渡邉運営委員
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NHK会長 松本正之 様
              2012年11月27日
NHK放送総局長 石田研一様
             NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                   共同代表 湯山哲守・醍醐聰

総選挙にあたって争点提示型の公平な放送を要望します

 当会は日頃より、NHKが公共放送の充実のためにどのように尽力されているかを注視しています。
このたび当会は、12月4日告示、16日投票という日程が迫ってきた衆議院選挙に関連するNHKの放送について以下のような申し入れをいたします。有権者が賢明な1票を行使するのに資するための判断材料を提供するという公共放送の使命に照らして、私どもの申し入れを真摯に受け止め、番組制作に反映してくださるよう要望します。

1.政党の離合集散を追う政局報道ではなく政策本位の争点提示型報道を

  今回の衆議院総選挙は原発問題、TPP交渉への参加問題、社会保障改革と消費税増税問題、沖縄を始め全国に配備された米軍基地の安全性、日米地位協定をめぐる問題など、国民にとって死活の課題の方向性を問う極めて重要な選挙です。そこで、有権者が表面的な話題性に流されず、各党の公約を熟知して政策本位で1票を投じることができるよう、上記の各重要課題に関して各政党の政策及びその異同をわかりやすく伝えていただくよう要望します。
その際、特に強調したいのは各党が掲げた公約を単に紹介するだけでは不十分だという点です。各党の公約には、文面を読んだだけでは不明確な点や日ごと週ごとに転変する曖昧模糊とした点があります。それだけに、こうしたあいまいさを質す調査・取材を交えた番組制作が必要です。特に、今回の総選挙にあたって、いくつかの政党が「合流」を急ぐ余りに重要政策の不一致を「小異」と称してうやむやにした点が少なくありません。過去の政権与党が掲げた公約とその後の実際の政策に重要な齟齬が生じ、それが有権者の政治不信、政治離れの原因になりました。こうした愚を繰り返さないためにも、NHKが重要政策をめぐる各党の争点を明確にする主体的な番組制作に注力されるよう強く要望します。                            

2.既存の大政党の動静に過度に焦点を当てた報道を戒めること

 
  最近のNHKの選挙関連放送(ニュース番組や選挙関連の討論会、報道番組など)を見ますと、民放や全国紙と同様、「三つ巴の争い」と称して、民主党・自民党・いわゆる「第三極」の動静、離合集散に焦点を当てた政局報道に大半の時間が当てられています。
こうした放送が繰り返されますと、選挙をめぐる話題が既存の大政党に集中し、有権者の関心をこれら既存の大政党に偏重させ、他の野党の主張、政策に関する有権者の関心、知る権利を阻害することになります。選挙にあたっては、国会での既存の議席数分布を固定化せず、どの政党の政策、公約も対等に扱うことが原則です。
しかも、3つの大政党とはいっても、上記の重要政策をめぐる3党の政策はそれこそ「小異」といってよいほど近似しています。また、既存の大政党とはいってもNHKが行った直近の世論調査(11月26日放送)によりますと、回答者の35.4%が「特に支持する政党なし」でもっとも高い割合を占めています。こうした事実も銘記され、既存の大政党の動静に過度に焦点を当てた報道を戒めて、公平な選挙関連放送に徹していただくよう、強く要望します。
                               以上
                  連絡先:××××

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2012年6月 5日 (火)

ニューズレター第24号を発行しました。

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ニューズレター第24号を発行しました。

Pdf_icon_311 ダウンロード→

http://kan20.atukan.com/index.html#nldown

または こちらで

  目次   特集 數土経営委員長の東電社外取締兼任問題 

1頁:  新経営委員長選出にあたっての要望
2頁:  NHK経営委員の補充人事にあたっての要望
3頁:  2012年5月14日に提出した当会の「東京電力の社外取締役への
   貴殿の就任の撤回を求める質問・要望書」
4頁: 主張: メディアに求められる調査報道とは何か  醍醐 聰

5ー6頁:  当会は昨年秋、TPP問題をめぐる番組報道に要望書を提出し
   回答を得ました。
7ー10頁:  衝撃のNHK 追跡!レポートICRP(国際防護委員会)
  の実態を暴露--
  「追跡 真相ファイル」で「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」

11ー12頁:    この番組に「原子力ムラ」から抗議がきました。
        PDF
13頁:  NHK3ヶ年計画(24−26年度)について  湯山哲守

14頁:7.22民放労連「アナログ停波・地デジ難民阻止」街頭宣伝に参加

 

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2012年6月 1日 (金)

NHKの新経営委員長選出にあたっての要望書を提出しました。

 5月11日、実質国有化される東京電力の社外取締役の一人として、數土(すど)NHK経営委員長を起用する人事方針が発表され、6月下旬に開かれる同社の株主総会後の取締役会でNHK経営委員長の職にとどまったまま、正式に社外取締役に就任される予定と報道されました。

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当会運営委員会は直ちに協議して、數土経営委員長宛に就任撤回を求める「要望書」をまとめ、5/14日、NHKを訪問して提出しました。「開かれたNHKを求める全国連絡会」や近畿の3団体も行動を起こしました。迅速な市民運動による包囲、NHK労組の反対、有力マスコミの批判等を受けて5月24日數土委員長は辞任を表明しました。改めて経営委員の選任方法、財界人による経営委員長が続いている事への批判が議論されていくことになると思われます。數土経営委委員長の辞任を受けて当会は「新経営委員長選出にあたっての要望書」を提出しました。
また川端総務大臣にも「NHK経営委員の補充人事にあたっての要望」を提出しました。
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新経営委員長選出にあたっての要望
NHK経営委員会 御中           2012年5月31日
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ運営委員会

5月24日、數土文夫NHK経営委員長は緊急記者会見で、「内定している東京電力の社外取締役に専念する」としてNHK経営委員長と経営委員の辞任を表明しました。

この問題が明るみになった5月13日の翌日付で私たちは、事の重大性に鑑み直ちに數土委員長に次のような申し入れを行いました。「NHK経営委員長の職と東京電力の社外取締役の職は、それぞれの職責の重さ、時間的精神的な負担の面から両立は不可能だ」ということを指摘した上で、
東京電力の福島原発事故の完全収束に向けた取り組みと、電力の安定供給といった諸問題はNHKの極めて重大な取材・報道対象であり、「NHKの業務執行を監督する立場にある経営委員会の長が、そうした取材先の社外取締役に就任し経営に参加することは、メディアに携わる者の基本というべき非当事者原則に真っ向から反し、経営委員会の職務遂行の公正性に対する視聴者の信頼を根底から覆す」こと、
さらには事実上、国営企業となる東電の経営に関与することは、政府の意志決定に参加することを意味し、政治からの独立を生命線とするNHKを監督する経営委員長の職にとどまることは結局、NHKあるいはNHK経営委員会の政治からの自立に関する視聴者の信頼を大きく損なうことになり、二重に両職の兼任はとうてい許されるものではない。したがって東電の社外取締役就任を断ること、もし断る意志がないのならNHK経営委員長・経営委員を辞職するべきだということです。
數土経営委員長自身は記者会見で、兼職批判には「配慮したが影響は受けていない」と述べ、あくまでも両職の兼任が不適切であることを認めませんでした。
しかしこの辞任は私たち視聴者運動の主張に理があったことで、多くの経営委員が批判の姿勢を強め、少なくないマスコミが批判報道を行うこととなり、結果として多方面からの批判の集中したことが功を奏したものと考えられます。

私たちの緊急の要望は実現しました。しかし、次の経営委員補充、経営委員長の選出にあたっては今回の「辞任劇」から教訓を引き出さなければなりません。

総務省、NHK経営委員会が推進してきた「財界人」委員長はここ4代にわたって続けて、引責または事実上の引責辞任を重ねてきました。
2007年の石原邦夫氏は社長をしていた東京海上日動火災保険が保険金不払いを行った不祥事で引責辞任、
2008年政治的発言や放送内容への容喙などの不見識によって古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)が委員非再選出、
2011年、NHK会長選出をめぐって独断専行を行ったことで小丸成洋委員長(福山通運社長)が引責辞任。
特に、古森、小丸、そして今回の數土の3代の経営委員長は、NHKが公共放送であって「自主自律」の原則が如何に重大なことかを理解していなかったことから破綻してきたことは重要な教訓です。

経営委員長の「財界人たらい回し」の弊は一日も早く改めるべきです。
「経営者」経験ではなく、「視聴者目線を持ち、ジャーナリズム精神に造詣の深い方」が何よりも求められます。
NHKが「放送ガイドライン」の冒頭に掲げる「自主・自律の堅持」の原則は番組編成・放送の現場だけでなく、全ての業務において全ての職員によって貫徹されなければならないとガイドラインの中に書かれています。経営委員長人事や会長人事においても、これは当然貫徹されなければなりません。今回の「社外取締就任」騒動に関して、NHK労組(日放労)を除いては、NHK内部から公式の批判発言がなかったことはこのガイドラインの指針が貫かれていなかったといわざるをえません。

差し迫っての経営委員長人事は、過去しばしばやられたような(衆参両院の承認を受けての)首相任命による外部からの(経営委員長候補の)委員を待つことなく、現在の委員が「互選」をして決定すべきです。
そして委員長候補となる人は「放送の使命」についての見解をきちんと表明して、それに基づいて選出すること、新たな委員の補充にあたっては、政府は拙速を戒め、視聴者に推薦を呼びかけ、「広く」人材を求める方式を採用するよう要望します。たびたび「視聴者のみなさまと語る会ーNHK経営委員とともにー」で意見が出されているように、視聴者は「受信料支払い義務」を強要されるばかりで、何の「権利」もないという状態は脱却しなければなりません。
この際、視聴者にしかるべき「権利」を与え、経営委員候補の推薦、会長候補の推薦などを試み、「NHKを身近に感じる」ことが出来るような方策を検討していくべきではないでしょうか。

數土委員長の辞任を受けて、私たちは政府およびNHK経営委員会に対して次のことを要望します。
、財界人たらい回しの経営委員長人事を行わないこと。
.ジャーナリズムに造詣の深い人を選出すること。
.選考の基準と経過を視聴者にわかりやすく公開すること。

私たちは以上の要望を広く、他の視聴者団体や市民運動団体と合議し、総務省、NHK理事会にも要求していきます。
付記  経営委員長の選出にあたっては過去、経営委員会自ら以下の原則を確認しています。
経営委員長として特に有するべき要件として、

① NHKと特別な利害関係にないこと。② 合議制。
③ 透明性のある運営と国民への説明責任を果たす運営。④ 執行部との緊張関係を維持しつつ良好な関係を保てること等
(平成22年6月、第1121回経営委員会議事録)。
改めて経営委員会がこれらの原則を新経営委員長選出にあたって確認するよう要望します。
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総務大臣
川端達夫 様
NHK経営委員の補充人事にあたっての要望
                       2012年6月1日 
   NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ運営委員会

 5月24日、數土文夫NHK経営委員長は緊急記者会見で、「内定している東京電力の社外取締役に専念する」としてNHK経営委員長と経営委員の辞任を表明しました。
 この問題が明るみになった5月13日の翌日付で私たちは、事の重大性に鑑み直ちに數土委員長に次のような申し入れを行いました。「NHK経営委員長の職と東京電力の社外取締役の職は、それぞれの職責の重さ、時間的精神的な負担の面から両立は不可能だ」ということを指摘した上で、
①東京電力の福島原発事故の完全収束に向けた取り組みと、電力の安定供給といった諸問題はNHKの極めて重大な取材・報道対象であり、「NHKの業務執行を監督する立場にある経営委員会の長が、そうした取材先の社外取締役に就任し経営に参加することは、メディアに携わる者の基本というべき非当事者原則に真っ向から反し、経営委員会の職務遂行の公正性に対する視聴者の信頼を根底から覆す」こと、
②さらには事実上、国営企業となる東電の経営に関与することは、政府の意志決定に参加することを意味し、政治からの独立を生命線とするNHKを監督する経営委員長の職にとどまることは結局、NHKあるいはNHK経営委員会の政治からの自立に関する視聴者の信頼を大きく損なうことになり、二重に両職の兼任はとうてい許されるものではない。したがって東電の社外取締役就任を断ること、もし断る意志がないのならNHK経営委員長・経営委員を辞職するべきだということです。

 數土経営委員長自身は記者会見で、兼職批判には「配慮したが影響は受けていない」と述べ、あくまでも両職の兼任が不適切であることを認めませんでした。しかしこの辞任は私たち視聴者運動の主張に理があったことで、多くの経営委員が批判の姿勢を強め、少なくないマスコミが批判報道を行うこととなり、結果として多方面からの批判の集中したことが功を奏したものと考えられます。

 私たちの緊急の要望は実現しました。しかし、次の経営委員補充、経営委員長の選出にあたっては今回の「辞任劇」から教訓を引き出さなければなりません。総務省、NHK経営委員会が推進してきた「財界人」委員長はここ4代にわたって続けて、引責または事実上の引責辞任を重ねてきました。
2007年の石原邦夫氏は社長をしていた東京海上日動火災保険が保険金不払いを行った不祥事で引責辞任、
2008年政治的発言や放送内容への容喙などの不見識によって古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)が委員非再選出、
2011年、NHK会長選出をめぐって独断専行を行ったことで小丸成洋委員長(福山通運社長)が引責辞任。
特に、古森、小丸、そして今回の數土の3代の経営委員長は、NHKが公共放送であって「自主自律」の原則が如何に重大なことかを理解していなかったことから破綻してきたことは重要な教訓です。経営委員長の「財界人たらい回し」の弊は一日も早く改めるべきです。「経営者」経験ではなく、「視聴者目線を持ち、ジャーナリズム精神に造詣の深い方」が何よりも求められます。

 NHKが「放送ガイドライン」の冒頭に掲げる「自主・自律の堅持」の原則は番組編成・放送の現場だけでなく、全ての業務において全ての職員によって貫徹されなければならないとガイドラインの中に書かれています。経営委員長人事や会長人事においても、これは当然貫徹されなければなりません。今回の「社外取締就任」騒動に関して、NHK労組(日放労)を除いては、NHK内部から公式の批判発言がなかったことはこのガイドラインの指針が貫かれていなかったといわざるをえません。

 以上のような教訓を踏まえ、当会は貴殿ならびに政府に対して、數土氏の後任の経営委員長の選出、ならびに経営委員の補充人事(国会同意人事に向けた候補者選考)にあたり、拙速を戒め、視聴者に推薦を呼びかけ、広く人材を求める方式を採用するよう要望します。また、たびたび「視聴者のみなさまと語る会――NHK経営委員とともに――」で意見が出されているように、視聴者は「受信料支払い義務」を強要されるばかりで、何の「権利」もないという状態は脱却しなければなりません。この際、視聴者にしかるべき「権利」を与え、経営委員候補の推薦、会長候補の推薦などを試み、「NHKを身近に感じる」ことが出来るような方策を検討していくべきと考えます。

 そこで、当会は、貴殿および政府に対し、次のことを要望します。
 .數土氏の辞任を受けた経営委員の補充人事、さらには今後、任期が満了となる経営委員に代わる新委員の候補者選考にあたっては、「経営手腕の実績」に偏重した選考基準を改め、公募・推薦制を採用して、広く人材を募ること。
 .その際には、財界人たらい回しの選考を改め、ジャーナリズムに造詣の深い人物を候補者に選出すること。
 .国会の同意人事に諮られる経営委員候補者には、国会のしかるべき場で所信の表明を求め、それに対する国民の意見も踏まえて、同意人事を行うこと。
 私たちは以上の要望を広く、他の視聴者団体や市民運動団体と合議し、NHK経営委員会、にも要望していきます。      以上

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