猫箱ただひとつ。 

ギャルゲーとアニメをガンガンに味わい尽くします!

管理人の「思考の大本」を説明をしていきます。

f:id:bern-kaste:20140212214808j:plain

このブログでは、管理人が気ままに作った造語がそこそこあります。

これは私の「思考の大本」といって差し支えない言葉ばかりなので、今回はその1つ1つの造語を説明していき、どういう経緯で生まれ、どんなイメージで使用しているかを語っていきます。

本記事は自分の思考整理の意味合いが強いですが、ここを読んで貰えるとどういう文脈で造語を使用しているかわかるので記事の把握に一役買うかもしれません。

それでこの記事8000文字オーバーしているので、ちょいと長めです。タイトルに文字数を明記してないのは、新たな造語が生まれ次第順次アップデートしてく予定の記事なので。

それではどうぞ。

 

・最終更新日_2014年5月10日

 

 

 

1)心象強度

アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている』の雪ノ下雪乃の心のありかた(自分の内側にのみ価値を置いている様子)を見て『心象強度』と名づけました。


心象強度とは、外側の影響(=他者・承認・否定)に振り回されない心の強度を言い表したものです。心象強度が高ければ、友達がいるかいない、集団排斥、他者に非難されようともあまり傷つきません。

なぜなら自分の内側に価値を置くことが出来る人間は、外側にまったく期待していませんからね。自分自身がどう思うかどう感じるかが重要で、肝要なわけです。ゆえに「空気」を読むこともなく、自分がしたいように生きることが可能になります。いわゆる「自己完結型」の人間といってもいいでしょう。


反対に心象強度が低ければ、友達の言葉や、他者の期待に振り回されます。期待に応えようとして怯えたり、他者の奴隷のように生きる在り方になるのが常です。『俺ガイル』の由比ヶ浜のように。


この言葉のイメージとしては、己の内側にある「心象風景」が元になっています。心象風景の密度が濃い、外界との境界線がはっきりしている、世界そのものの強度が高いイメージを持った人物がいたら、「心象強度が高い」と私は表現しています。

 


2)他者廃絶性

心象強度が極めて高くなってしまい、己の内在世界と外界の世界が0・1になってしまった状態のこと。つまり「自分の世界に"他者"という存在がいない」状態を、他者廃絶性と呼んでいます。


世界にぽつんと1人でいる感覚を知っている、あるいはそんな状況の中で生きている人間のことですね。

この言葉が生まれた背景には、『CROSS†CHANNEL』上で問われた「世界でただ1人になっても人間は生きれるか?」から来ています。最果ての荒野で人は1人で生きていけるのか? と。

もちろん答えは否。ある程度自我が発達した人間は、世界にただ1人で生きていけません。なぜなら「孤独」に耐えられないからです。誰とも会話せず、誰とも触れ合わずに、1人ぼっちで1年、7年…11年と過ごしたらいつか必ず狂います。

人は究極的な孤独に耐えらない。

だからこそ他者が廃絶された世界で生きている人間の特徴としては、自我が薄い/人格が破損している/相手に共感することが出来ない/などがあります。当然ですよね。他者という存在がいなければ、自我や感情は発達する必要はありませんから獣のように食べて、寝て、食べてを繰り返すようになります。

ここから「他者がもたらす影響」を勘案し、倫理観についても派生することが結構あります。(Cf.どうして人を殺すのがいけないのか?


他者廃絶性の言葉のイメージは、真白(=ホワイトアウト)な心象風景でぽつんと1人で佇んでいる(最果てのイマの未使用領域&エヴァ最終回など)。あるいは最果ての荒野に1人で立っている風景を思い浮かべます。

また他者廃絶性を、「最果ての荒野」と言い換えるときも多々。


 



3)他者読解性

最果てのイマ PORTABLE (通常版)

最果てのイマ PORTABLE (通常版)

 

人は相手の気持ちを深いレベルで察することのできる共感能力を有しています。隣人が怒っているのか、嬉しいのか、何をして欲しいのか?というレベルまで心を読み解けることができ、かつこの共感能力の延長線上に感情移入という現象をも引き起こせます。(Cf.ミラーニューロン

感情移入とは相手の気持ちになって考え、相手の痛みすらをもも自分の痛みとして認識することが可能になること。そんな一種のテレパシー能力とでも呼ぶべき強い力を包括して「他者読解性」と呼んでいます。


この言葉は『最果てのイマ』の「社会的複雑性の読解力」から分解したものです。イメージとしては……これは特にないですね。

関連記事→感情移入とは「幻肢痛」に似たようなもなのではないか?

 

 

 

4)自己拡大化

空の境界 未来福音 (星海社文庫)

空の境界 未来福音 (星海社文庫)

 

 「自己拡大化」は「他者読解性」の延長線上にある言葉です。

他人の気持ちを読解でき、感情移入ができ、そして相手を"自分の気持ちになって考える"ことが出来るならば、「自分」という存在が相手にまで拡大化したという考え方です。


自分が自分以外に拡大していくから、他者・動物・人形・絵などを"自分のことのように扱える"んです。(Cf. 倫理的価値観と自己拡大化の影響

なぜ人形を愛せるのか? なぜ好きな人を罵倒されたら苛立つのか? なぜ大事にしていた鍵を無くしてしまったら悲しくなってしまうのか? 

どれも"自分のことのように扱っている"から、怒ったり悲しんだり喜んだりするのです。

「自己拡大化」を突き詰めれば、自分が世界にまで広がっていくということになるでしょう。つまり自分が世界にまで拡大化する感覚、自分と世界との一体化を味わえるということです。 (地球をを自分のもののように扱うガイア教とかあるかもしれません!)


この言葉の由来は特にありませんが、イメージは王が領土を征服していく感じです。王が踏みしめた大地がオセロのように白色から黒色に反転し、王が息を吐くだけで周囲の人間が彼に靡く。そんな自我領域の領土拡大というイメージです。

 

 

 

 

5)イデアに手を突っ込む

 

イデアに手を突っ込む」とは、現実には存在しないし見ることも叶わない、感じることしか出来ないモノを掴みとるという意味です。それは肉眼で見ることは出来ないアガペー、フィリア、真理、真実といった「イデア界に存在」するであろう観念物など。

この言葉が生まれた背景には、『Sessions!!~少女を監禁する事情~』の「愛はイデア界の住人である」という言葉からきています。愛とは物質的に存在するわけじゃなくて、ただ"感じる"ものですよね。そしてそれを"感じる"為には、イデア界に手を突っ込んで引き抜くしかないのです。

(すんごい抽象的な説明ですがこれ以上うまく言葉にできません)

この言葉のイメージは、『凪のあすから』の2ndOPのひーくんのように頭上にあるきらきらした上位世界に手を突っ込む感じです。

f:id:bern-kaste:20140428225306j:plain

f:id:bern-kaste:20140428225312j:plain

 

f:id:bern-kaste:20140428225320j:plain

f:id:bern-kaste:20140510132957j:plain

 みたいなね感じです。


 

6)実存退廃者

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

 

実存退廃者とは、「今ここにいる私をうまく認識できない心の状態」のこと。

現実に生きているのに生きている感じがしない、大地に立っているのに立っている実感が伴わない。そんな心的感覚の延長線上にある「なんで私は生きているんだろ?……」という空虚な疑問を持ってしまう人のことです。


つまり、「生きる動機」が欠けてる人間でもあります。

想像が難しければ、『ノルウェイの森』の"ぼく"とか、『戯言遣いシリーズ』のいーくんとか、『キラ☆キラ』の鹿之助のような人間を思い出してくれればいいかなと。

別に死にたいわけじゃないけど、特に生きる理由が持てないみたいなね。この「別に死にたいほど」に苦しい現実にいるわけではないにも関わらず、死んでも別にいいと思えるのが実存退廃者のポイントです。

なので、ちょっとしたキッカケで簡単に死んでしまう人間と言ってもいいです。これ以上生きる理由がないからこそ、簡単に死へと傾斜してしまう。


言葉のイメージとしては、曖昧で不明瞭なぼやけている景色を歩いている、または真っ黒いコールタールがべちゃりと身体中を取り巻くような感じです。(スマイルプリキュアが絶望に引き込まれてしまったあの世界をイメージして貰えれば分かりやすいかも)

 

 

 

7)ゴールテープ問題


ゴールテープ問題とは、人生ににおいて掲げていた大きな目標を達成してしまった後、これからどう生きていけばいいんだろ?という問いかけのことです。

仕事で定年を迎えた、世界チャンピオンになった、一番叶えたい願い事を叶えてしまった―――そんなゴールテープを切ったあとも走り続けているなんて馬鹿じゃないの、という意味も込められています。(Cf.【自殺者1万人を救う戦い】を観て 


本来なら目的を達成したあとは、再度新しい目的を設定してまたそれを達成することを繰り返すのが人生というものでしょう。しかし「そんな自転車商業みたいなことを繰り返して何になる?」「一番叶えたいことを叶えてしまったのだから新しい目的なんて無いんだよ」「到達すべきゴールがないなんてありえない!」という考えの為、ゴールテープ問題が生まれてしまうものと考えています。

これもまた「生きる動機が欠けた」状態の人間に使われることが多いです。人生における心からの願いを叶えてしまった人間は、得てしてこういう状態になってしまうんじゃないでしょうか。


この言葉の由来は『きみとぼくの壊れた世界』から取りました。

結果の後、結果の後に、僕は、僕らは、一体何をどうすればいいんだろう。ゴールテープの後でも走り続けているなんて、ただの道化もはなはだしい。

――きみとぼくの壊れた世界

きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

 

 

 

 

8)概念モジュール




 

9)言葉の不完全性

「……違うんだよ、禊ちゃん。できないの」 

「共有できるのは……、気持ちだけ」 

――ギャングスタ・リパブリカ

 

 

 

10)Aletheia

 

言葉のイメージとしては、めちゃくちゃきらきらした豊穣な心象風景を想像しています。光り輝くあったかい世界。そんなイデア世界にある真理を、です。

 

 

11)【今】(=未来と過去が存在しない認識方法)

水月 ~Portable~ ベスト版

水月 ~Portable~ ベスト版

 

【今】とは、今だけを見続けるという認識方法のことです。過去も未来も存在しなくて、あるのは今、ここにある、瞬間だけ。そういう仮定を基にした言葉です。

【今】だけを見続けることが出来れば、過去によるトラウマ、未来による不安といったものが払拭され、現在、いま、ここ、を生きることだけを生きようとするでしょう。ただただ現在を一生懸命"見続けようとするそんな認識の仕方、それは刹那的でもありながら、かなり魅力的な方法論です。

今期のアニメだと『ハイキュー』の日向が、この力を備えていると見ています。もしかしたら『古色迷宮輪舞曲』のサキちゃんも。(体験版プレイでの推測ですが)

言葉の由来は(とはいっても造語でもなんでもないですけど)、『水月』の「今だけが確かなことなんだよ」という言葉からきています。

 

12)虚無問題

 

虚無問題とは、「なんで生まれてきてしまったんだろう?」という答えの出ない問題のこと。また"答えを出してはいけない"問いも含まれます。

 

「何で生まれてしまったんだろう?」という問いは、ぜったーいに答えなんて出ませんよ。それもその人が望んでいる「あなたは☓☓を成す為に生まれてきたのです」、なんて耳に心地よい答えなどありません断言します。

 

あるのは親が勝手に交接して、その人が生まれただけ。それ以上でもそれ以下でもない。ただの動物が生み出した現象みたいなもの事実しか残りません。もちろんこんな答えで満足できないからこそ、「なんで俺は生まれてきてしまったんだろう?」と求めてる答えのないことをぐるぐる、ぐるぐると考えるだからこそ―――"虚無"的問題なのです。

意味のない益体のない無意味な問い。


言葉のイメージは、「メビウスの輪」です。 どこにもたどり着くことのできない輪っか。

 参考記事→藍井エイルに興味が無かったのに、ライブ行ってきました。「Special Live 2013 ~Starlight Reunion~」と生まれてきてごめんなさいという虚無問題について (6785文字)

 

 

おわり


この記事を書こうと思ったのは、残響さんとおしゃべりしたことが発端です。

誰かの言葉というのは、その方が長年蓄積してきた思考の積み重ねによって紡がれるものです。どう考え、どういう文脈で、どういった背景で言葉を使っているのか分からないとうまく内容を理解できません。

一応文章の流れや、言葉の前後である程度内容はつかめますが、深い理解には至らないんですよね。だから私は気に入ったブログは、こつこつと過去ログを漁って、読むことが多いです。過去記事を読むことで、その人がどういう思いでその言葉を使用しているのか分かってきますから。

ただこれはものっそい時間がかかるので(今ちきりんさんのブログ漁ってるんですがいつ全部読破できるのだろうかっ)、管理人さんの思考背景が分かる記事が1つポンとあったらすごい楽ですよねーと。

ということで残響さんの「クンフーと祈り」の言葉をもっとよく理解したかった私は、「残響さんの思考背景が分かる記事があったらいくつか教えてくれないでしょうか」と聞いてみたところ、なんと! 思考の大本記事を書いてくれました!


・管理人の思考の大本 - 残響の足りない部屋


残響さんの思考大本記事を見たり、お話したことをキッカケで(つまり残響さんの思考背景である「比較論/病気主義」を知っていると音楽CD/レコード1,000枚レベルの蒐集している意味もよく理解できた気がします)


「私もこういう思考の大本を書いておけば便利だろうなー」と思い、今回この記事をかいた次第です。ぶっちゃけこの記事を読んでくれてる方は、このブログに興味を持っている方だと思っているので、そんな読者さんとのコミュニケーションコストを低くできれば嬉しいですね。

おすすめ記事43』も併用してくれればいろんな記事の理解の解像度があがるかなー?と思っています。とはいってもやっぱり、自分の思考整理の意味合いが9割あったりしますにゃ。


あとなんでこんなに造語をつくるのか? それはこちらで→(「リトルバスターズ」それは仲間との関係を『強靭』にするために付けられた固有名詞 


ということで、ここまで読んでくれて有難うございました。
それではまたね!


 

*1:遠い未来、他者の概念を伝達できるコミュニケーションツールができるかもしれませんが現在はありません