今でこそIT企業の社長と言えるようになったけど、社長の道は平坦ではなかった。
Fランク大学を中退した私は東京に出てきた。当然、収入の当てもない。とりあえず中野区で風呂なし・トイレ共同のアパートを見つけた。↓が東京に住み始めたときの私の部屋だ。
後から思ったことだけど、物件を探す際はせめてお風呂はついていた方が良い。近場に銭湯があったが、1回400円した(今はもっと値上がりされているらしい)。そのまま30日間入れば、余裕で風呂ありの物件に住める。
自分は生活に困っていたので、銭湯代を削ることにした。近場に5分100円のコインシャワーがあった。ここで5分間でボディソープとシャンプーを塗って洗い流せば、1日の入浴コストは100円だけですんだ。しかし、コインシャワーは想像を絶する不衛生さだった。↓当時利用していたコインシャワーの写真。
ゴッキー・ガ・ナメクジ・ネズミなど愉快な仲間達がいつも私を迎えてくれた。後半になると大分慣れたとはいえ、阿鼻叫喚の日々だった。時々、コイン投入機が壊れていて100円を入れてもシャワーが出ないときがあった。1日の入浴料を丸ごと失ったから大変だった。あと、このコインシャワーを使って男女の営みをしているカップルもいた。その後は入りたくなかったが、コインシャワーは常に混でいたので入らざるを得ないのだ。
そんな風呂なしトイレ共同の中野のアパートに5年間住んだ。私は5年間、コインシャワーに通い続けた。臥薪嘗胆、いつか成功する日を夢見て。その貧乏生活があってこそ今の自分があるんだろうなと実感する。
今は千代田区の新築マンションに住んで、秋葉原や皇居に徒歩数分で行ける。お風呂も快適だ。自分の住居への投資を怠ると生活の活力が湧いてこないことは5年間の間で学ばせてもらった。辛いことがあったときは、私は中野時代の自分の写真を見るようにしている。そこには、自分の重要な原点の一つがあり、自分の中では二度とこの暮らしは送りたくないが、大切な思い出なのだ。