福島県いわき市沖での底引き網漁で取れた魚の取引が9日、東京電力福島第一原発事故後初めて、東京・築地市場であった。

 試験操業で前日水揚げされたカレイ類やタコなど計1・6トンのうち、高級魚のヤナギムシガレイ90キロや、メヒカリ6キロなど3種が入荷した。

 卸会社の東都水産は、ヤナギムシガレイ1キロ千円程度で販売し、3キロ入り6ケースが完売した。震災前とほぼ同じ値段で取引された。同社の小島則男管理課長は「次々と買い付けられて、うれしいですね」。

 入荷した魚の放射性物質濃度は、いわき市漁協などによる自主検査で、ヤナギムシガレイが国の基準値(1キロあたり100ベクレル)以下の13ベクレル、メヒカリは不検出などと、いずれも基準値を大きく下回った。(池永牧子)