家庭環境の悪い人間にとって結婚式は地獄である。
夫に結婚しようと言われた際、「結婚式をしなくてもいいなら結婚する」と答えました。
夫はそれを了承し、親族で食事会をする程度に納めようと言ってくれました。
正直食事会も嫌でしたが、そこまでいくと夫や夫親族にも申し訳ないし、うちの両親は外面だけは良いので(毒親にありがちな傾向)何とかなるだろうと思ってました。
写真ぐらいは撮ってもいいかな~とブスなりにうきうき。
他人に見せないならウェディングドレスも記念だし!と。
これは決定的なプロポーズよりもかなり前の話で、「一応ちゃんとプロポーズしておこうと思って」と言われたその日、私は当然結婚式をしない前提でこの話が進んでいるものと思い、すんなり受けてしまいました。
しかし、結局結婚式は行われ、当日の私の心情は惨憺たるものでした。
(準備期間の半年ほどもずっとそうでしたけど。)
人生最悪の日を決めるなら、骨を折られたことや大学から突然除籍通知が来たことと並んで上位5つぐらいには入ると思う。(他の話はまたの機会に)
夫は私がプロポーズを受けた後、初めて夫両親に「結婚しようと思うんだけど…」という話をしたそうです。(遅い)
そこで夫両親にどうしても結婚式をやってほしい、お金は自分達が出してもいいと言われ「頑張ったけど無理だったごめーん☆結婚式しよ?(要約)」と言ってきやがりました。
「じゃあ結婚できないね」「話が違う」「結婚式の話が出てからプロポーズするまでに数ヶ月あったんだから普通その間に両親に話をしておくものじゃないの?」等々、口論に告ぐ口論を行いましたが折り合いはつかず。
その間に先に決まっていた両親顔合わせの場で夫両親から「それで、結婚式はいつごろにしましょうか?」をやられ、私の敗北が決定。
目の前が真っ暗になったような気分でした。
私が結婚するに当たって一つだけ出した条件は、こんなに簡単に破られるんだなと。
それからしばらくは夫からの連絡を全て無視して「婚約破棄 慰謝料」で検索したり、結婚式をしなかった人の話をネットで読み漁ったり。
結納とかしてないしこのまま放っておいたらなかったことにならないかな~と淡い期待を抱いたり。
夫はこの間かなり参っていたそうですが、結婚式準備期間に胃潰瘍とストレス性の発疹を発症した私からすればもっと長期に渡って苦しめればよかったです。
少なくとも私は結婚式決定~当日まで半年以上苦しんだわけですから。
結局その後の話し合いで「最低限の結婚式」をやることになり、夫は「今後は出来る限り君の希望を尊重する」という名目で結婚式の準備の大半を私に押し付けました。
何回も何回も式場に呼び出され、したくもない結婚式の段取りをし、似合いもしないドレスを試着して自分の100倍可愛いプランナーからよくお似合いですよ~とお世辞を言われ、「ご両親へ感謝の手紙は読まれないんですか?!」と非難され、開き直ってバージンロードを父親と歩かない方法はないかとしつこく食い下がったら人でなし扱いを受けた。
親族のみ(合わせても40人程度)の式+食事会で当然披露宴やお色直しなし、余計な演出一切なしでも100万以上掛かった。
100万ものお金を使ってこんなに嫌な思いをしていると思うともうどうしようもない気持ちになり、それを夫に話すと「マリッジブルーもあるかもね」と。
徒労感で何も言えなくなりました。
100万あれば何ができるんだろう、100万稼ぐのに何日働くんだろう。仕事中もそういうことが頭に浮かんでずっと鬱々。
結婚式の段取りを夫に相談して「好きにしたらいいよ」と言われる度に「じゃあ結婚式やめる」と言いそうになりました。
後半はそんな気力もなくなってしまいましたが。
そして当日、ウェディングドレスにプロのメイクで私は光り輝くブスとなり、偶然見掛けた別の花嫁さんはもちろん、夫親族にも比べるまでもなく惨敗。
諸経費とは別に少しまとまったお金を渡してこれで一日黙っていろと言った毒親と一緒にバージンロードを歩き(腕は組まなかった)、その途中で舌打ちをされ、自分の惨めさに改めて泣きそうになる。
その後の食事会でも毒兄弟に余計な話をされて顔面蒼白でそいつを連れて途中退出するなど、最悪に最悪を塗り重ねていくような時間だった。
夫親族とのんきに談笑している夫を横目で思いっきり睨んでました。
会を長引かせないために司会をつけていたので食事会自体は二時間ほどで終わり、帰り際に夫両親や親族から多すぎるご祝儀を頂いて、ご祝儀はおろか(逆に払った)おめでとうとも言わない自分の親を改めて呪った。
この一日、本当に惨めなことづくしだった。
古い傷口を無理やり開いて粗塩をすり込まれるような時間でした。
で、控え室に戻って夫に言われたのが表題の「結婚式やってよかったでしょ?」
「着替えるからちょっと出てて」と言って夫を追い出し、私多分離婚するな、と思いながら一人で帰った。
式場のスタッフの方が近くにいたのでその場で余計な話はしたくなかったし。
この時点での私の敗因は結婚式より先に婚姻届を提出してしまっていたことです。
日にちにこだわりがあったのでそうなりましたが、結婚式が終わってから一緒に住む予定だったので、その時点で婚姻届がまだ手元にあれば私は独身のままだったかもしれません。
つらつらと恨みつらみを書きましたが、結婚式はお金以外に「どうしてもやりたくない」という決定的な理由がある人はやらなくていい(やらない方がいい)と思います。
特に毒親持ちの人は、「この日ぐらいはきっと親も普通にしていてくれるだろう」などという淡い期待は絶対に裏切られると思っておいた方がいいです。
「何事も起きなかったら奇跡」ぐらいの期待値で臨みましょう。
だって、今までもあらゆる場面で裏切られてきたのに結婚式だけは例外なんて、そんなことありえないんですよ。考えたらわかるでしょ?
夫とは結婚後一年ほどをかけて(結婚式を含め)色々な話をし、ひとまず和解しました。
夫は性善説を信じているのでは、と思ってしまうような善良な人で、私の親兄弟はその夫の想像を絶する存在でした。
私、どうしようもない時に笑ってしまう癖があります。
そういう話をしながら泣いてる夫を見て、この人といることで私も少しぐらいはいいものになれたらいいなぁとぼんやり考えました。