別府市と市医師会、九州大病院別府病院が65歳以上の市民2万人に実施した温泉と健康に関するアンケートで、温泉に毎日入る人は過去に高血圧や腎臓病、うつ病などにかかった例が少なく、これらの疾患が予防できる可能性があると報告した。医療専門家は「同様に例が少ない不整脈やぜんそく、糖尿病は現段階で医学的に説明しにくく、意外な結果だ」とも述べた。

 前田豊樹・同病院准教授(内科)らが市役所で報告。昨年5月は、代表的な14疾病のうち心疾患や脳卒中の既往者が少ないと公表したが、今回は毎日入る人とそうでない人の病気にかかった割合も男女で異なり、男性は腎臓病、女性はうつ病で毎日入浴した人の罹患(りかん)率が特に低いといった傾向が表れたという。「まだ医学的に説明しにくい部分がある」とし、今後の研究に委ねた。

 今回の結果は11日に京都市で始まる温泉や医学に関する国際学会で報告する。