FROM さかき漣
帯広でのサイン会開催が決まりました。
http://members3.jcom.home.ne.
そこで今日は「真冬の向日葵」の制作について、
裏話(というほどでもない小ネタの数々)を書きたいと思います。
この小説は、“マスコミと情報の問題”をメインに扱っていますが、
同時に、“主人公・雪乃の成長物語”という側面も併せ持っています。
大学生の雪乃は、「外国かぶれ、主体性を持たない、
諸事をソコソコこなすが、社会性は未だ育っていない」という、
おそらくよく見るタイプの日本人の若者です。
その彼女が、就職活動中の学生→インターンシップ→新人社員、
という流れを経て、「社会を支える一員として自分はどうあるべきか」
を学んでいきます。礼儀礼節や社会常識、他者との関係の築き方などを、
徐々に会得するのです。
“ケータイ大好き”だったはずの雪乃は、最後はメールではなく、
直接言葉を伝えることを選びます。
一方的なバッシングの異様さを際立たせるために、
キャラクターについては、「表面的な印象と、
ということを殊更に表すよう注力しました。
ですから、「チャライ雰囲気の人物が、
また「頭脳明晰で柔和に思われる人物が、実は単に、
等々の設定を盛り込みました。
また、人物以外の事象についても、「よく見たり考えたりすると、
受け取り方が変わる」というエピソードを諸所に入れてあります。
これは中野剛志先生からご指摘をいただいたのですが、
「真冬の向日葵」自体も、読者の意識によって、
まったく違った趣の作品に受け取られるそうです。
ある人にとっては「ライト・ノベル」、またある人にとっては
「悲痛な物語」、そのまたある人にとっては「過去の記憶」。
この事例ひとつを取ってみても、一方の意見のみを聞き
判断することの恐ろしさが、感じられると思います。
アランの幸福論については、学生時代の経験から、
ショーペンハウアーと並べてみました。
当時、友人の間では、アランについては「軽い」として、
読み込む人は多くありませんでした。
対して、ショーペンハウアーなどの厭世観寄りの書物は、
仲間内での評価が高く、興味深く読んでいました。
しかし社会に出てみれば、楽天観を持つことの意義が、
身に染みて分かってくるように思います。
どれほど真剣に悩んでいたとしても、他者から“救いの手”が
差し伸べられることは、はなはだ少ない。
より幸福な状態を目指すならば、文字通り「自分の薪を
眠らせたままでは、どうにもならない」のだと、
思い知らされるのかも知れません。
ノベライズ作業に関しては、初めに三橋先生から「
と「取り入れるべきフィクションネタ」を貰い、それから仕事に
取り掛かりました。
キャラ作りから始め、ストーリーの流れを作った後、
ここでもう一度三橋先生に「政治ネタ」補完をお願いしました。
そのデータをさかきが受け取り、ストーリーを書き加え、
全体を小説として仕上げる。ここまで、一か月と十日でした。
政治経済に関する解説部分も、原案を全文書き直し、
・・・これに一か月程度かかったと思います。
計、二か月と十日。
正直なところ、めちゃめちゃ無理があるスケジュールでした。
が、「どうしても選挙に間に合わせたい」と三橋先生と担当さんが
おっしゃっていたので、
(この企画が決まったのが四月末で、当時は「
との予測が世間にあったのは皆様ご存じだと思います)
それでも〆切を二十日ほど過ぎてしまい、結局、八月刊行予定が
九月までズレ込んでしまいました。
しかしこれが功を奏したのか、自民党総裁選真っただ中という、
まさに運命のようなタイミングでの出版に。
何やら、秋津島におわす八百万の神々の存在を、
再認識させられるような出来事でした。
10月31日には、三橋先生の講演の後、
三橋さかき両名のサイン会を行います。
北海道にお住いの皆様、是非とも足をお運びくださいませ。
さかき
PS
マスコミの情報操作のカラクリを描いた
渾身の作「真冬の向日葵」は絶賛発売中です。
http://amzn.to/P739uP
文献にも政治にも無知に近いとは言える者ですが、
現実をあえて虚構化した小説なのか、虚構の中に現実を投影した小説なのか…頭がスパイラりまくる日回りな昨今です。
最近のマスコミとしては右傾化、戦争煽動化が始まるように猜疑心を煽ら?れていくようにも感じ不安を感じます。
そんな次々に出現するプロパガンダ、マッチポンプを払拭してもらえるような無敵(有り得ないけど)本を、これからも三橋氏以外でもいろんな方々との共著が出されていけばなぁ…と思ってしまいました。
ので、コメントさせていただきました。一要望になりました。
本が売れなくなっているらしい昨今は経済的(昔の安定的時代が完全に良いとは言わないけど)なギャップが人々の間に拡大してきたと共に、教育(高学歴であるのに知識だけ付けてるとか)的にも人々の間にギャップが拡大し過ぎている気がします。
…って自分が言えるのかーっ?。すいません、一人コントになってしまった。