アマゾン、「白背景の写真を撮る手法」で特許取得
これ、発明…?
特許ってときどき、「それって新しいの?」と思うようなものが認定されています。今週公開されたアマゾンの特許もそのひとつで、その内容は「白背景で写真を撮る方法」なんです。
その特許、名づけて「スタジオの配置(Studio arrangement)」の内容は、多くのカメラマンが今までもやってきたこととどう違うのかよくわかりません。なので、写真撮影を生業とする方々から「何でこれが特許に?」「自分も特許侵害って言われちゃうの?」と、非難と不安が入り混じった声があがっています。
この特許の中を見てみると、「白背景で撮影する際、シームレスな背景と一貫したルック&フィールを作り出す」ためのカメラの設定やスタジオ機材の配置が異様なほど細かく書かれています。
たとえばF値やISO感度、焦点距離などがこれでもかと列挙され、レンズとスタンド、光源がどんな位置関係で、それぞれどんな高さでどんな距離であるべきなのかも延々と並んでいます。こんな風に。
だから創意工夫がないわけじゃないんですが、でも特許って、今まで他の人もやっていたことを言語化するだけでいいんでしたっけ?という気はします。が、申請文書にある「ブラウザで表示したときに背景を真っ白にするには、既存手法では画像のリタッチやグリーンスクリーンが必要だった」という課題設定がポイントのようです。Tech Dirtは次のように説明しています。
アマゾンの手法はピュアの中のピュアで、そこにはカメラマン、被写体となるモノや人物、白背景、そして前面・背面のライトと、被写体と地面を離すための台しかない。
とはいえやっぱり、この撮り方はアマゾンが発明したものとは考えにくく、なぜ特許が承認されてしまったのかは疑問です。上記のようにこの撮影手法ではたくさんの機材の使い方が細かく描写されているので、一般のカメラマンが同じようなセッティングで撮影していたとしても、それが特許侵害にあたるかどうかその都度認識するのは現実的に無理です。
なので、そもそもなぜアマゾンがこの特許を申請しようと考えたのかがよくわかりません。この手法で撮れるのと100%同じ写真を他社が撮れないようにするためなんでしょうか? それとも、「数打ちゃ当たる」的発想で何でもかんでも申請してたら、たまたま承認されてしまったんでしょうか?
ちなみに特許文書全文は以下になります。「ほんとにそれが特許になるの?」と気になる方、見てみてください。
Ashley Feinberg-Gizmodo US[原文]
(miho)